「有期契約労働者:規制強化へ議論 厚労省、権利保護で」

■有期契約労働者:規制強化へ議論 厚労省、権利保護で
 (2010年12月23日22時13分『毎日新聞』)
http://mainichi.jp/life/job/news/20101224k0000m040068000c.html
 厚生労働省は、契約社員など期間を定めて働く「有期契約労働者」の権利保護のため、採用にかかわる規制を強化する方向で法整備の議論を始めた。有期契約労働者は働く人の1割を超えるものの、規制が緩く、同省は対象業務の絞り込みなどを模索している。しかし、非正規雇用の規制強化には企業側の反発が予想される。【鈴木直】
 厚労省は12年の通常国会への関連法案提出を目指し、10月から労使の代表らでつくる「労働政策審議会」(厚労相の諮問機関)で検討を始めた。約1年かけて議論し、来年12月ごろまでに結論を出す方針だ。だが、実質的な議論に入った11月29日には、労働側代表が「現状では雇用が不安定だ」と規制強化を求めたのに対し、経営者側は「規制は雇用に悪影響を与えかねない」と懸念を示し、両者の隔たりが鮮明になった。
 有期契約労働者は1回の契約期間の上限が原則3年で、正社員との待遇格差、身分の不安定さ、職業能力を身につけにくい点などが問題視されている。総務省の労働力調査では、契約期間1年以内の労働者数は751万人。非正規雇用労働者(1721万人)の44%、正規雇用労働者や役職者も含めた全労働者(5478万人)の14%に上る。1年を超える労働者を含めた調査はないが、厚労省は実態調査に基づき約1200万人と推計している。このうち、近年の就職状況の厳しさが影響し、正社員として就職できなかったために有期となった人が4割に上るとされる。
 有期雇用への規制は、契約を結ぶ際に規制をかける「入り口規制」と、契約期間終了時の処遇など「出口規制」の2通りある。
 「入り口」は、有期雇用契約を結べる業務を季節労働など一時的なものに限定する方法だ。一方、「出口」を巡っては、契約の更新回数や利用できる期間の制限などが論点。1年契約を何回も繰り返す企業に対し、契約期限のない社員としての雇用を義務づけることなどが考えられる。
 しかし、企業にとり、業務の忙しさに応じて雇用を調整できる有期雇用は便利なシステムだ。規制が強化されれば採用を抑えたり、人材を求めて海外移転を進める可能性もある。また、個人にとっても、家庭の事情など自分の都合に合わせて働くことができるほか、「正社員より責任が軽い」と自ら有期を選ぶ人もいる。多様な有期労働者を一律に規制するのは難しいのが現状だ。▲

「私立高非常勤講師:雇い止め2人の「雇用継続」…新潟地裁」

■私立高非常勤講師:雇い止め2人の「雇用継続」…新潟地裁
 (2010年12月22日21時59分(最終更新12月23日0時30分)『毎日新聞』)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101223k0000m040084000c.html
 新潟県加茂市の私立加茂暁星高校で非常勤講師を務めていた女性2人が、1年契約で長年雇用されてきたのに雇い止めされたのは不当として、同校を運営する学校法人「加茂暁星学園」を相手取り、雇用契約の確認などを求めた訴訟の判決が22日、新潟地裁であった。谷田好史裁判官は「雇用契約は継続されているとみるのが相当」と原告の訴えを認めた。
 訴えていたのは、理科を教える赤井くるみさん(56)=新潟市西区=と数学の山田ユリ子さん(57)=同県三条市。判決は赤井さんに月5万3200円、山田さんに月8万5120円の給与を解雇以降の分も支払うよう学園側に命じた。
 赤井さんは25年、山田さんは17年にわたり同校に勤務していたが、07年2月、学校側からカリキュラム変更や学級数の減少などを理由に雇用契約を更新しないと通告され、解雇された。谷田裁判官は判決で、2人は「(07年度以降も)雇用継続を期待することに合理性がある」とした。原告代理人の金子修弁護士は「非常勤講師の雇い止め訴訟で勝訴するのは極めて珍しい」と述べた。【川畑さおり】▲

■非常勤講師17年、加茂暁星高の雇い止めは無効 地裁
 (2010年12月23日 asahi.com)
http://mytown.asahi.com/areanews/niigata/TKY201012220434.html
 私立加茂暁星高校(加茂市学校町)で非常勤講師として長年働いていた女性2人が、突然雇い止めされたのは不当だとして、経営する加茂暁星学園を相手に、雇用契約上の地位確認と賃金計約600万円の支払いを求めた訴訟で、新潟地裁は22日、女性側の主張を全面的に認め、雇い止めは無効だとして、学園側に2人への賃金支払いを命じる判決を言い渡した。
 谷田好史裁判官は「雇い止めに対する協議や説明は極めて不十分で、回避する努力もしておらず、解雇権の乱用にあたる」と指摘した。
 訴えていたのは、新潟市西区の赤井くるみさん(56)と三条市の山田ユリ子さん(57)。2人は2007年3月、カリキュラムの変更や、学級数の減少によって授業時間が無くなることなどを理由に雇用契約を打ち切られた。
 1年ごとの契約更新を、学園側が拒否できるかが争点だったが、判決は、赤井さんが25年間、山田さんが17年間と長期間勤務していたことに触れ、「賞与や退職金の交付にあたっては勤続年数が考慮されていることからみても、2人は当然雇用が継続されるものだと期待しており、雇い止めできない」と判断。
 授業時間が無くなることを理由とした学園側の解雇理由については、「2人の授業数がただちにゼロになるとは認められず、雇い止めは経営の合理化を進めるための『整理解雇』だった」と指摘した。
 その上で、学園側が、整理解雇する際に必要となる協議や説明を2人にしていなかったことや、雇い止めを回避するための財政状況の改善手段を検討していなかったことを挙げ、雇い止めは無効だと結論付けた。
 判決後、2人は記者会見を開き、赤井さんは「学園にはこの判決を受け入れてもらい、控訴しないでほしい」、山田さんは「本当にうれしい。一刻も早く学校に戻りたい」と話した。
 一方、加茂暁星学園は「判決の中身を見ていないのでコメントできない」としている。(富田洸平)▲

SocoSocoのハンスト

このブログでは報告が遅れましたが、〈京都精華大学嘱託教職員組合 SocoSoco〉の執行委員長によるハンガーストライキは、8日目の12月21日をもって終了しました。
本当にお疲れさまでした!
誠意ゼロの理事会は無視を決め込んだようですが、学生を中心として、学内外に大きな影響を与えたことは疑いようもありません。
おそらく理事会は、みんなが早くこのことを忘れて「なかったこと」にしたいのでしょうが、現実はそうはいかないでしょう。
これを機に「なぜ?」「おかしい!」と思った人たちと、3月までにどんな闘いのカタチを作っていけるか。
今後の展開はそこにかかっていると思います。
がんばりましょう。
が、執行委員長はとりあえず休んでください(笑)。

ハンストの内容は関西テレビに取材されたので、近く放送されるようです。
今後のことも含め、くわしい情報は以下で。
◇SocoSocoのブログ:http://d.hatena.ne.jp/soco-soco/
◇Twitter:http://twitter.com/seika_SocoSoco

「非常勤職員に育休なし 11政令指定市 法律の対象外」

■非常勤職員に育休なし 11政令指定市 法律の対象外
 (2010年12月20日 asahi.com)
http://www.asahi.com/job/news/TKY201012190239.html
 自治体の第一線で働く非常勤職員の育児休業を、11の政令指定市が認めていないことが、朝日新聞社の全国調査でわかった。公務員を対象にした現行の育児休業法では適用外になっているためで、退職を余儀なくされる職員も多い。「イクメン首長」が話題になる中、足元の育児支援が置き去りになっている状態だ。
 非常勤職員にも育休を認めるよう人事院が国に意見を出したのを機に、国家・地方公務員の育休法改正案が先月、国会で可決。来春施行される。
 ただ、自治体の非常勤職員のうち、改正法で育休が認められるのは、地方公務員法で定めた「一般職」だけ。非常勤全体の3分の2を占める「特別職」は対象外のままだ。だが、勤務実態は混然一体となっており、常勤的な特別職も数多くいる。
 朝日新聞が11月、非常勤向けの育休制度の有無を全国19指定市に聞いたところ、独自の制度があると答えたのは札幌、千葉、京都、堺、岡山、広島、北九州、福岡の8市。設けた主な理由は「一般職員との均衡を考慮」(京都市)、「有期雇用者にも育休を認める民間対象の育児介護休業法の趣旨を踏まえた」(札幌市)などだった。いずれも特別職の育休を認めている。
 一方で、横浜、名古屋、大阪、神戸など11市は非常勤向けの育休制度が「ない」と回答。「法の適用除外だから」(横浜市)、「更新は原則3年までで継続的な勤務を予定していない」(名古屋市)などを理由に挙げた。新潟市は来年度に非常勤対象の育休制度を設ける予定だが、残りの10市は未定という。
 自治体の労働組合関係者によると、育休が取れずに非常勤が退職に追い込まれたり、契約更新が認められない「雇い止め」に遭ったりするケースは多い。育休制度がないと、雇用保険からの育児休業給付(賃金の50%)や、育休中の社会保険料免除が受けられず、子どもを産む側からみれば仕事を失ったうえに、経済支援も受けられないという二重のダメージになる。
 総務省公務員課は「特別職の勤務形態は様々で、一律に法で定めるのは難しい。自治体で対応を検討してもらうのが望ましい」としている。(清川卓史)▲

2010年末、精華大の乱

今日は“なんなん”のみんなでsocosocoのハンスト支援に行ってきました。
学生さんたちの応援熱も高まってきていて、なんか精華大がおもしろいことになるんじゃないか!?とわくわくします。
でも執行委員長、カラダには気をつけて!
★info→http://d.hatena.ne.jp/soco-soco/

精華大でハンストスタート!

今日から京都精華大で<socosoco>の執行委員長によるハンストがスタートしました。

17日(金)まで。みなさん、ぜひ応援に!【くわしい情報はこちら】

SocoSocoがハンストします!

〈京都精華大学嘱託教職員組合 SocoSoco〉の執行委員長が、団交の再開と嘱託教職員の更新上限の撤廃を求めて、12月14日からハンガーストライキに入ります。
みなさん、【こちら】で日時と場所をご確認のうえ、ご支援を!

京都精華大学の不当労働行為

京都精華大学の不当労働行為について、多くのかたに知ってほしいと思います。
〈京都精華大学嘱託教職員組合 SocoSoco〉のブログをぜひご覧ください。

嶋田ミカさん:第3回裁判のお知らせと傍聴のお願い

嶋田ミカさんの雇用継続を求める裁判は、12月13日(月)に、第3回目の裁判が開かれます。

◆裁判
日時:2010年12月13日(月) 11時~11時15分頃
場所:京都地方裁判所208号法廷

◆集会
日時:裁判終了後の11時20分頃から1時間程度
場所:京都弁護士会館大会議室2・3(地裁の東隣)
内容:
・弁護団から裁判のポイント解説
・山本由子さん(OPEN 平和と平等を拓く女たちの絆代表/なかまユニオン組合員)のお話:「「有期労働契約法制」化のどこが問題?」

★参加されるかたは、事前に〈嶋田ミカさんの雇用継続を求める会〉までご連絡ください。
くわしくは【→こちら】をご覧ください。

「正社員雇用を認めず 三菱重工高砂・地位確認訴訟」

■正社員雇用を認めず 三菱重工高砂・地位確認訴訟
 (2010/12/08 21:20『神戸新聞』)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003662947.shtml
 三菱重工業高砂製作所(高砂市)で10年前から非正規労働者として勤務する圓山浩典さん(48)=加古川市=が「法が認めた派遣社員としての期間を実質的に超えている」とし、正社員としての地位確認を求めた訴訟の判決が8日、神戸地裁姫路支部であり、中村隆次裁判長は請求を棄却した。
 判決によると、圓山さんは2000年5月、三菱重工から業務を請け負う会社に就職して以来、同製作所内で勤務。06年4月、派遣に切り替わったが、09年4月に再び請負となった。
 労働者派遣法は、派遣社員の受け入れを「最長3年」と定め、期限を超える労働者に対しては、派遣先が直接雇用を申し入れる義務を負う。
 原告側は「06年以前から、三菱重工の指示で働く『偽装請負』だった。黙示の雇用契約が成立する」と主張したが、判決は「三菱側は請負会社の社員採用にも賃金支給にも関与しておらず、請負労働者の指揮監督もしていない」と退けた。
 判決後の会見で、圓山さんは「同じ立場に置かれた仲間の力になる判決を勝ち取るまで闘いたい」と話し、控訴の意向を示した。▲

「再雇用契約:「期待権」初認定--京都地裁判決」

■再雇用契約:「期待権」初認定--京都地裁判決
 (2010年11月27日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101127ddm041040045000c.html
 京都府向日市の倉庫会社を60歳で定年退職後に継続雇用された大津市の男性(62)が、1年での雇用打ち切りを不服として地位確認と未払い賃金の支払いを求めた訴訟の判決が26日、京都地裁であった。大島真一裁判官は「雇用継続への期待には合理性があり、雇い止めは解雇権の乱用に当たる」と述べ、請求を認めた。男性の代理人弁護士は、再雇用後の雇い止めを巡る訴訟で「期待権」を認めた初の判決としている。
 判決によると、65歳までの雇用確保に努めるよう義務付けた06年施行の改正高齢者雇用安定法を受け、同社は08年2月に就業規則を改定。体力面など一定の条件を満たせば再雇用後も契約更新することにした。しかし同年6月に再雇用された男性は業績不振を理由に1年で打ち切られた。
 大島裁判官は、同社が他の再雇用者の契約は更新していることなどから「雇い止めを回避する努力を尽くしたとは言えない」と判断。更に男性が定年まで勤め上げたことを踏まえ「再雇用は実質的に期間の定めのない雇用契約に類似する」と述べた。【古屋敷尚子】▲

■再雇用1年後の雇い止めは無効 京都地裁判決
 (2010年11月27日09時36分『京都新聞』)
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20101127000019
 65歳までの雇用継続を義務づける高年齢者雇用安定法に基づく再雇用制度を設けた倉庫会社(東京都)の京都府向日市の営業所に勤務していた小牧明さん(62)=大津市=が、再雇用1年後の雇い止めは不当として、地位確認などを求めた訴訟の判決が26日、京都地裁であった。大島眞一裁判官は「64歳まで雇用継続の合理的期待があったといえる。雇い止めは無効」として、小牧さんの請求を認めた。
 大島裁判官は、就業規則に一定の基準を満たす者の再雇用が明記され、小牧さんは基準に該当すると指摘した。その上で「会社が雇い止め回避の努力をしておらず、解雇権の乱用」と判断した。
 判決によると、小牧さんは2008年6月に定年退職し、64歳まで1年単位で契約更新する会社の制度に基づいて再雇用された。しかし、業績不振を利用として09年6月に雇い止めになった。▲

「日本人材派遣協会 14の嘘を暴く 「ハケンのリアル」 完成!」

■日本人材派遣協会 14の嘘を暴く 「ハケンのリアル」 完成!
 (2010-11-27 <女性と貧困ネットワーク>ブログ)
http://d.hatena.ne.jp/binbowwomen/20101127/1290846292

日本人材派遣協会への反撃冊子「ハケンのリアル」のPDF版がダウンロードできます。

「有期雇用をいかに規制すべきか」

■有期雇用をいかに規制すべきか
 (2010-11-29 <派遣ユニオン>ブログ)
http://hakenunion.blog105.fc2.com/blog-entry-204.html

こちらもぜひ。

■東大社研「派遣社員・請負社員アンケート」批判
 (2010-11-25 <派遣ユニオン>ブログ)
http://hakenunion.blog105.fc2.com/blog-entry-203.html

「労働者派遣法:改正案、今国会の成立困難 労働者「2年もたつのに環境変わらず」」

■労働者派遣法:改正案、今国会の成立困難 労働者「2年もたつのに環境変わらず」
 (2010年11月4日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101104ddm041040046000c.html
 <追跡>
 労働者派遣法改正案の今国会成立が困難な情勢になっている。野党側の反発が根強いうえ、審議日数も残り少ないためだ。08年秋の世界同時不況に伴う派遣切り多発を機に、規制強化に向けた世論が高まった同法。2年たっても動かぬ事態に、労働者側からは反発の声が上がっている。【市川明代】
 「今ここで労働者の権利を確立しておかなければ、また規制緩和へと後戻りしてしまうのではないか」。日本労働弁護団が先月25日に衆院議員会館で開いた集会で、参加者から声が上がった。日本経団連は同14日、派遣法で原則3年とされている派遣期間制限を5年に拡大するなどの規制緩和策を盛り込んだ要望を政府に提出。会場には、現状へのいら立ちが広がっていた。
 集会では、当初は規制が不十分との理由で改正案に批判的な姿勢を示してきた全労連や全労協の幹部が、成立に向け奮闘する意欲を強調。連合も同じ25日、別の院内集会で民主党議員らを前に改正案の早期成立を求めた。
 「あれから2年もたつのに、派遣労働者の置かれた環境は何も変わらない。あの騒ぎは何だったんでしょうね」。08年秋に派遣切りに遭った男性(48)はため息をつく。
 04年の製造業派遣解禁直後から、派遣労働者として働いた。契約打ち切りを何度も経験し、3年の期間制限を超えて働いた自動車部品工場で、派遣先に義務づけられた直接雇用を求めようとした矢先に、契約の中途解除を言い渡された。
 その後、ヘルパーの資格を取り、現在は東京都内の介護施設に勤める。年齢や細切れの職歴を理由に十数カ所で採用を断られ、やっと得た仕事だ。派遣時代に18万円だった月収は夜勤手当を含め22万円程度になり、いつ切られるか分からない不安からも解放された。だが、「派遣法をちょっと改正しても、企業は必ず抜け道を考える」という。
 それでも「今回の改正案をうまく使えばかなりの労働者を守れる」と、労働弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士は力説する。
 改正案には、偽装請負などの違法派遣があった場合に派遣先と労働者との間に雇用関係が成立しているとみなす「みなし雇用制度」が盛り込まれた。違法派遣を巡る進行中の裁判は、労働弁護団が把握しているだけでも70件。厚生労働省が09年度に実施した派遣事業に関する法令違反の是正指導は7364件(前年度比13%増)で、5年間で3倍強に増加した。
 有期であっても、直接雇用であれば、派遣元と派遣先の責任の所在があいまいな派遣労働と比べ、使用者責任が明確になる。労働組合を作って会社側との団体交渉もできる。契約が反復更新されれば、解雇も簡単にはできなくなる。
 ◇直接雇用への切り替え進む
 ただ、企業の間では、派遣法改正を見越した動きも始まっている。同省が発表した09年度労働者派遣事業報告のまとめによると、派遣で働いた労働者は前年度比24・3%減の301万9521人。86年度の調査開始以来最大の下げ幅を記録した。大手企業を中心に、期間工などの直接雇用への切り替えが進んでいる。
 棗弁護士は「派遣以外の有期雇用が増えれば、今度は有期雇用への規制の必要性が浮き彫りになる。そのための第一歩として、責任を伴わず安易に首を切れる派遣という働き方を是正しなければならない」と強調している。
==============
 ■ことば
 ◇労働者派遣法改正案
 仕事のある時だけ派遣会社と短期契約を結ぶ「登録型派遣」の原則禁止▽04年に解禁された製造業業務への派遣の原則禁止▽偽装請負などの違法な派遣に関与した派遣先企業が労働者を直接雇用したものとみなす「みなし雇用制度」の導入--などが主な内容。
 今年3月に閣議決定され、通常国会で成立の見込みだったが、6月に鳩山由紀夫前首相の退陣表明で審議日程が白紙となり、継続審議になった。自民党は製造業業務への派遣禁止に強く反対。公明党も「中小企業への影響が大きい」として慎重な姿勢を見せている。労働者派遣は直接の雇用関係がないため、契約社員などの他の有期契約労働者と比べ、企業側に都合のいい働かせ方とされてきた。▲

高島市・東近江市で臨時職員雇い止め訴訟

■元臨時職員ら 「雇い止め」と提訴
 (2010年10月5日『中日新聞』[滋賀])
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20101005/CK2010100502000108.html
 高島市の元臨時職員の男性(54)と東近江市の元嘱託職員の男女6人が4日、長年勤務したにもかかわらず、今年3月末で契約を更新されなかったの不当な雇い止めであり、更新の期待を侵害されたとして、高島市の男性が200万円、東近江市の6人が計1521万円の慰謝料を、各市に支払うように大津地裁に提訴した。
 高島市の男性の訴えによると、市から「継続して働ける」と言われ、半年ごとに計9回の契約更新をしてきたが、今年3月、臨時職員は本来1度しか契約更新できないことを理由に雇い止めを告げられた。3月末で同市に雇い止めされた臨時職員は168人いるとし、原告の男性は「市は違法な雇用契約のつけを臨時職員に押し付けた」と訴えている。
 東近江市の元嘱託職員の訴えでは、6人はこれまで3~20回の雇用の更新を繰り返してきたにもかかわらず、全員が今年3月に雇い止めされた。原告の1人の永田稔美さん(62)は「待遇に温かみがなく不誠実で憤りを感じる」と述べた。
 高島市の職員課長は「正しい任用期間に見直した結果であり、雇い止めではない。提訴の内容を確認した上で適正に対処したい」とコメント。東近江市職員課の担当者は「対象者には期間満了を先に通知している。内容を確認していないのでコメントできない」と話している。▲

■提訴:「雇い止めは不当」東近江市と高島市元嘱託職員ら、慰謝料求め--地裁 /滋賀
 (2010年10月5日『毎日新聞』滋賀版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20101005ddlk25040451000c.html
 一方的な雇い止めで職を失ったとして、東近江市の元嘱託職員の男女6人と高島市の元臨時職員の男性1人が4日、慰謝料を求める訴えを大津地裁に起こした。6人は東近江市に計1520万円、男性は高島市に200万円の支払いを求めている。
 訴状などによると、6人は91~07年、東近江市のコミュニティーセンターなどで採用され、契約更新を重ねてきたが、今年3月末に雇用を打ち切られた。その後、職場には新たに職員が採用され、6人は「人員削減の必要はなく、解雇権の乱用」と訴えている。
 高島市の男性は、05年8月に同市の学校給食配送車の運転手に採用されたが、今年3月末で契約が更新されなかった。
 両市とも「訴状が届いておらず、コメントを差し控えたい」としている。【前本麻有】▲

■雇い止めは「不当」 東近江市などを提訴 滋賀
 (2010.10.6 02:43 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/shiga/101006/shg1010060243000-n1.htm
 東近江市に雇用契約更新を打ち切られたのは不当として、元嘱託職員の男女ら6人が4日、東近江市に慰謝料計1521万円を求める訴訟を大津地裁に起こした。また高島市の元臨時任用職員の男性(54)もこの日、高島市の雇い止めを不当として慰謝料200万円を求めて高島市を提訴した。
 訴状によると、6人は東近江市の関連施設で、嘱託職員として3~19年勤務、雇用契約は1年ごとに更新されていたが、今年3月、市が任期満了などの理由で更新を打ち切ったとしている。また、高島市を提訴した男性は、半年ごとの契約を9回更新し、給食業務を担当していたが、今年3月末に解雇されたという。▲

京都新聞COM雇い止め訴訟、勝利和解。

■京都新聞子会社の雇い止め訴訟:和解成立 原告「勝訴的」 /京都
 (2010年10月23日『毎日新聞』京都版)
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20101023ddlk26040463000c.html
 京都新聞社の子会社「京都新聞COM」(京都市中京区)の契約社員2人が、契約更新を打ち切られたのは不当だとして地位確認などを求めた訴訟は、大阪高裁(塚本伊平裁判長)で和解した。和解成立は14日。原告側は「勝訴的和解」としている。
 和解内容は、雇い止めにされた09年3月末以降も契約社員としての地位を認め、今年10月14日に会社都合による退職とする▽会社側が解決金を支払う--など。
 5月の1審・京都地裁判決は、雇用の継続と雇い止め以降の賃金全額の支払いを命じた。会社側が控訴していた。【古屋敷尚子】▲

■解決金支払い和解成立 京都新聞子会社の雇い止め
 (2010.10.22 22:43 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/101022/trl1010222244033-n1.htm
 京都新聞の子会社「京都新聞COM」から雇い止めされた女性契約社員2人が、社員としての地位確認などを求めた訴訟は22日までに、同社が解決金を支払うことなどで、大阪高裁(塚本伊平裁判長)で和解が成立した。和解は14日付。
 原告側の代理人弁護士によると、和解条項には解決金支払いのほか、2人が雇い止めされた平成21年3月末以降も契約社員としての地位を認め、今月14日付で会社都合による退職とすることなどが盛り込まれた。
 COM社は5月、雇い止めを無効とした一審の京都地裁判決を不服として控訴。同社は「両者にとって最善と判断し和解した。今後もコンプライアンスに努め、適正に対応していく」とコメントした。▲

★→京都新聞労働組合

〈なんで有期雇用なん!?ネットワーク龍大支部〉結成趣旨文

〈なんで有期雇用なん!?ネットワーク龍大支部〉
結成趣旨文

本支部は、今年2月に行われました「なんで有期雇用なん!?大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」の支部として結成されました。結成してまだ数週間ではありますが、すでに、国史・東洋史・仏教史・真宗・実践真宗・法科大学院の学生が賛同しています。そして先日、湯浅誠さんにも賛同をいただきました。

皆さんご存知のとおり、期間を定めて契約を結ぶ「有期労働者」は、人件費の増加を嫌い、正社員の登用[とうよう]を避けてきた企業によって生み出され続けてきました。
その例に漏れることなく、大学でも「有期雇用」は広がっています。
二人目にご講演いただきます嶋田ミカさんは、今年3月に龍谷大学を雇い止めになりました。多くの人が泣き寝入りをしたり、次の職探しを優先するなかで、嶋田さんは勇気をだして声をあげられました。そして、声を上げること自体がまさに、「死活問題」となってしまうのが今の日本の現状でもあります。
この嶋田さんの勇気を無駄にはしてはいけない。一番にこのことが、龍大支部を結成するきっかけになりました。

また、大学は教育機関です。教育という恒常的な業務を支える仕事を、そもそも「有期」にする必要があるのか。年ごとに、職員さんが入れ替わってしまえば、教育を受ける私たち学生も、またゼロから関係を作りなおさなければいけない。つまり、「有期雇用」は能率的であるどころか、その逆だと思います。

現在、このような経営がどの学校でも行われています。
また、声を上げた人への対応は、いずれも冷たいようです。

龍谷大学のホームページを開きますと、こう書いてあります。
「人類は利潤[りじゅん]追求に翻弄[ほんろう]され、“いのち”の尊厳と平和を求める人類の願いに逆行する結果を生みだしました。この反省に立ったとき、これから人類がめざすべきことは、人間、そしてすべての“いのち”が平等に生かされる「共生(ともいき)」の世界であると本学は考えます」。
私たちは、龍谷大学の掲げるこの教育理念に全面的に賛同したい。

そして、このすばらしい理念どおり、龍谷大学が全国の学校の先頭を切って、「すべての“いのち”が平等に生かされる」雇用に取り組んでほしいと思います。
今日の「記念集会」をその出発点にしましょう。

そしてなによりも、この集会が、自暴自棄になったり、そのことで自分を小さく押さえ込んでしまっている学校職員の皆さんが、「声なき声」をあげる勇気になればと思います。
(2010/10/25)

龍大支部結成記念集会

きのうの「なんで有期雇用なん!?ネットワーク龍大支部結成記念集会」、無事終わりました。
実行委員のみなさん、お疲れさまでした!
いろいろな争議当該の方々も駆けつけられて、良い交流もできました。
今後につながっていくと思います。
がんばりましょうー!

「有期労働契約、規制強化へ=具体策の検討開始-厚労省労政審」

■有期労働契約、規制強化へ=具体策の検討開始-厚労省労政審
 (2010/10/26-10:12 時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010102600065
 厚生労働相の諮問機関、労働政策審議会(労政審)の分科会は26日、パートや契約社員など雇用期間が定められた有期労働契約に関する規制強化策の検討を始めた。正社員に比べ雇用が不安定で待遇も低くなりがちな有期契約労働者の権利保護を強化するのが狙い。法改正を含め具体策を検討し、2011年12月ごろに結論を出す見通し。
 有期労働契約をめぐっては、厚労省の研究会が9月、問題点や検討課題を網羅した最終報告をまとめた。報告は規制強化の具体策として、同契約を特定時期に生じる一時的な業務以外には認めない「入り口規制」と、現在無制限の契約更新回数を制限する「出口規制」の双方を例示した。入り口規制はフランス、出口規制は英国やドイツで採用されており、労政審はこれらも参考に具体策を協議する。
 また、有期契約労働者が特定企業と雇用契約を繰り返し更新してきたにもかかわらず、合理的な理由なしに「雇い止め」になったケースでは、無効とする判例が確立している。今後は判例を参考に雇い止めを制限するルールの法制化なども検討課題になる。
 有期契約労働者は契約期間1年以内の人だけに限っても、1985年の437万人から09年には751万人と急増。契約が1年超の人も含めた総数は正確に把握できないが、厚労省は1200万人程度と推計する。08年秋のリーマン・ショック後に雇い止めなどが相次いだため、有期労働への規制強化を求める声が強まった。
 ただ、経済界には「規制強化は生産拠点の海外流出や中小企業の廃業に拍車を掛け、かえって雇用情勢を悪化させる」との批判も多い。規制の大幅強化を主張する労働側と、経営側委員の主張が鋭く対立し、調整が難航する恐れもある。▲

コラム「有期雇用改革に向けて」

◆コラム「有期雇用改革に向けて」
 (鶴 光太郎[RIETI上席研究員]/2010年10月26日/経済産業研究所)
http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0296.html
【要点】
・「無期原則は明示的にとらない」
・「入口規制や出口規制の導入は見送るべき」
・「「処遇の規制」を新たな規制体系の柱に考える」
・「有期雇用の雇用不安定、雇止めの問題は現状のような予測可能性の低い「雇止め法理」に任せておくべきではない。」
・「契約終了時点における退職手当支払い、金銭解決導入、再就職斡旋などによる補償を充実させることで雇用不安定に対応する」

……「現実的」な路線を模索しているのは理解できるのですが、これだと良くて「均衡処遇や正規社員への転換に向けた取り組み」までしか行かないと思います。

「有期労働契約の規制についての学習会」(大阪)

◆有期労働契約の規制についての学習会
日時:2010年10月30日(土)14:00~16:00
場所:エル・おおさか504号室
講師:中村和雄弁護士

〈関西圏大学非常勤講師組合〉の企画ですが、一般のかたも参加できます。

「非正規職員を雇い止め 労働組合は誰のものか」

◆スーパーニュースアンカー(関西テレビ)2010年10月21日放送
・18時台特集:「非正規職員を雇い止め 労働組合は誰のものか」
http://www.ktv.co.jp/anchor/today/2010_10_21.html#02

「3人にひとりがパートや派遣、契約社員などの非正規雇用で働く中、
労働組合は依然として正社員中心です。
弱い立場の人にこそ必要なはずの労働組合の立ち位置が今、問われています。」

元契約職員が北大を提訴

■失業給付受けられず 元職員が北大を提訴
 (2010/09/30 23:29、10/01 08:13更新『北海道新聞』[道内])
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/253623.html
 北大がハローワークに期限内に離職証明書を交付しなかったため失業給付が受けられなかったとして、北大の研究施設に契約職員として勤務していた女性(28)が30日、同大に約70万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。
 訴状によると、北大は、女性が退職した今年3月31日から10日以内に離職証明書をハローワークに交付しなければならないのに交付しなかった。女性は失業給付手続きができないまま再就職したため、本来受け取れるはずだった24日分の失業給付が受け取れなかったとしている。
 札幌市内で記者会見した女性は「北大側の都合で自分を雇い止めにした上、離職証明書を期限内に出さなかったのは納得がいかない」と話した。北大は「訴状が届いておらずコメントできない」としている。▲

■提訴:「北大事務怠慢で失業保険が出ず」 元契約職員、損害賠償を求め /北海道
 (2010年10月1日『毎日新聞』地方版)
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20101001ddlk01040239000c.html
 北海道大学が研究施設の契約職員に対し、契約終了後に離職証明書をすぐ交付しなかったため失業保険を受けられなかったとして、元契約職員の女性(28)=札幌市=が30日、北大を相手取って約68万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。
 訴えによると、女性は04年4月から北大の研究施設で6年間、契約職員として働いていたが10年3月に雇い止めされた。その際、北大が失業保険の申請手続きに必要な離職証明書を雇用契約終了後すぐにハローワークへ交付しなかったため、もらえるはずの再就職手当などがもらえなかった。女性は同年5月に別の研究機関に再就職している。
 会見した女性は「失業者の生活にかかわる書類を出さなかったことは見過ごせず、北大の怠慢を正したい」と話した。北大は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【久野華代】▲

★→北大職組

なんで有期雇用なん!?ネットワーク龍大支部結成記念集会

なんで有期雇用なん!?ネットワーク
龍大支部結成記念集会

◆日時:10月25日(月)17:00開始~19:00終了予定
◆場所:龍谷大学大宮キャンパス 清和館3階大ホール
     [アクセスマップ][キャンパスマップ] 

◆第一部:講演
水月昭道(『高学歴ワーキングプア』『ホームレス博士』著者)
「派遣村・ブラック企業化する大学―非正規雇用の放置は正規雇用の職員・教員の地位をも脅かす―」
嶋田ミカ(龍谷大学雇い止め裁判原告)
「教員の使い捨て禁止―龍谷大学雇い止め事件―」
◆第二部:パネルディスカッション「大学から社会を変える!」
パネラー:水月昭道・嶋田ミカ・村上潔(協賛実行委員)・大椿裕子(関西学院大学障害学生修学支援コーディネーター雇い止め解雇争議当該)

◆主催:なんで有期雇用なん!?ネットワーク龍大支部
◆協賛:
なんで有期雇用なん!?大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会実行委員会
大阪教育合同労働組合
嶋田ミカさんの雇用継続を求める会

◆参加費:無料(カンパにご協力ください)

◆チラシデータ→http://skoyokeizoku.jimdo.com/

【主催者メッセージ】
龍谷大学が掲げる「共生=ともいき」と人を使い捨てにする有期雇用とは全く矛盾するのではないか? 私たちは、そんな疑問を共有する龍谷大学学生有志です。ともにこの問題を考えましょう。ご参加お待ちしております。

【連絡先】nandenan_ryukoku★yahoo.co.jp(★→@)新規会員募集

日経のどうしようもない記事

企業や公務の(経営・運営・雇用)「体質」――と、それへの必要な行政的・司法的介入――自体をなにも問題とせずに、「労働力の使い勝手」だけを問題としたらこういう結論になるのは当然。まったくばかばかしい記事です。これが「社説」というんだから、日経の思考レベルの低さをアピールしているようなものです。まともな記者さん、がんばってください。

■「有期労働」規制は雇用不安を広げる
 (2010/10/4付『日本経済新聞』[社説・春秋]) 【URL】
 パートや派遣、契約社員など期間を定めて契約を結ぶ「有期労働者」をめぐり、雇用の新しいルール作りが今秋から労働政策審議会で始まる。低賃金の人を減らし、正社員への転換を雇う側に促すためとして、パートなどを一時的な仕事に限るといった規制の強化が議論される。
 だが規制を強めることで、契約期間に定めのある人たちの処遇が改善するかは疑問だ。円高で企業は海外移転を急ぎ、コスト削減に必死になっている。人件費の増加を嫌い、正社員への登用は進まないのではないか。期限付きの契約を認める仕事を限定すれば、働けなくなる人が増えるだけという懸念がある。
 総務省の労働力調査によると、有期労働者は契約期間が1年以内の人だけでも2009年に751万人と雇用者数の14%弱を占める。完全失業率は8月も5%と高い。規制強化が招く雇用不安は深刻になろう。
 学識者からなる厚生労働省の有期労働契約研究会は先ごろ、審議会の議論のたたき台となる報告をまとめた。期限付きで契約を結べる仕事を一時的、季節的な業務に限ったり、契約の更新回数に上限を設けたりすることなどの検討を求めている。
 上限を超えて契約が更新された場合、正社員のように「期間の定めのない雇用契約」に移ったとみなすなどの仕組みも挙げている。
 こうした規制ができた場合に懸念されることはいくつもある。企業は雇用契約を、更新の上限に達する直前で打ち切ろうとするのではないか。そうすると、これまで繰り返し契約を交わしてきたパート社員などは働き続けることができなくなる。
 契約を結べる仕事が限られ、非正規の労働力が使いにくくなれば、企業の海外移転がいっそう進み、国内の雇用がさらに減りかねない。
 昨年7月の有期労働者に対する厚労省の調査では、労働時間や日数が希望に合うなどの理由で仕事に満足していると答えた人が5割強いた。自らの意思で期限の定めのある仕事に就いている人は多い。規制はそうした人たちを困らせる結果になる。
 正社員と同じような仕事なのに賃金が低い人は少なくない。期限付きで働く人の処遇の向上が大切なのはもちろんだ。それには原資となる企業の利益を増やす必要がある。労働力の使い勝手を悪くする規制の強化は処遇の向上を難しくしかねない。
 臨時国会では製造業への派遣などを原則禁止とする労働者派遣法改正案が審議される。これも企業の活動を制約する。労働者保護をうたって雇用不安を広げては本末転倒だ。▲

【大ニュース!】集会の報告集ができました!

みなさん、集会の報告集ができました!

◆『なんで有期雇用なん!? 大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会報告集』
【編集・発行】「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会
【発行日】2010年10月1日
【形態】A4版/56p./表紙カラー
【定価】500円

脇田滋さん(龍谷大学・労働法)講演録、各大学の現場報告、集会アピール文、参考文献紹介など、盛りだくさんの内容です。
集会ポスターを使用したカラー表紙もかわいくてクール。
当日いらしたかたも、来られなかったかたも、ぜひお手元に1冊!
よろしくお願いいたします。

ご注文は、nandenan0227★gmail.com(★を@に)まで、件名に「報告集購入希望」と書いてメールをお送りください。

なお、集会に際しお世話になりました個人・団体の方々には、こちらから近日中に郵送させていただきます。しばらくお待ちください。

東京都の臨時職員21年間雇用の問題

■臨時職員で21年間雇用 東京都 5カ月働き1カ月失業
 (2010年9月29日『東京新聞』朝刊[社会])
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010092902000030.html
 東京都が、六十代女性を短期や季節的な業務に従事する臨時職員として繰り返し雇用し、同一施設の図書室で司書業務に二十一年間就かせていたことが分かった。都の内規で、臨時職員は雇用期間を二カ月ごとに細切れに更新するため、健康保険や雇用保険の適用も受けられない仕組みになっているという。
 二十八日の都議会本会議で、共産党の大島芳江議員がこの女性の事例を挙げて「都がワーキングプア(働く貧困層)を作り出している。社会保険逃れだ」と批判。臨時職員の待遇改善を求めた。
 女性によると、臨時職員として一九八九年から司書業務に従事。臨時職員の基準を満たすよう、五カ月働いては一カ月失業し、再び五カ月働く形で雇用期間を更新していた。一カ月に十二日間の勤務で、日給は交通費込みで八千円だった。
 女性は本紙の取材に「臨時ではなく、専門知識も必要な恒常的な仕事だった。二十一年続けたが、法の谷間で社会保険の適用すら受けられず、屈辱的だった」と話した。
 都は答弁で「臨時の職は業務の繁閑を考慮し、必要に応じて設置しており、都の要綱に基づき適切に対応している」と述べた。▲

■東京都:20年以上「臨時職員」 2カ月ごとに契約更新
 (2010年9月29日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100929ddm041010009000c.html
 東京都の施設で臨時職員として司書をしてきた女性(66)が、契約更新を繰り返して結局、20年以上も勤めていたことが分かった。臨時職員は、交通費や諸手当の支給がなく、地方公務員の医療保険にも加入できない。都は「20年も臨時で働いた人がいたかは確認できないが、いたとしても法的な問題はない」としているが、法律家からは「労働者の権利を守る多くの法を無視した行為だ」と批判の声が上がっている。
 女性は都立施設内の図書室に司書として勤務。専門書や自治体の統計書などを管理し、職員への貸し出しや資料整理などの仕事を一手に引き受けていたという。しかし、臨時職員に関する都の要綱は「1回2カ月の勤務で、やむをえず更新する場合も連続雇用期間が6カ月を超えることができない」などとしている。このため、女性は2カ月に1回契約を更新。近年は、5カ月働いて1カ月休むという勤務形態を続けていたという。
 女性は「長年、2カ月ごとに契約を交わすことに疑問を感じていたが、やりがいもあったし、仕事を失いたくないので続けていた」と話している。
 都には約600人の臨時職員を雇用している局もあり、同様の状態にある「臨時職員」は他にもいる可能性がある。
 労働問題に詳しい弁護士は「臨時とは言えない継続的な仕事を任せながら、20年も社会保険のない不安定な雇用状態を続けるのは極めて問題だ」と指摘している。【田村彰子】▲

■都:20年以上雇用の臨時職員について説明 「社会保険逃れでない」 /東京
 (2010年9月29日『毎日新聞』東京版)
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20100929ddlk13010257000c.html
 都が20年以上も継続雇用している臨時職員がいる問題が、都議会の代表質問で取り上げられた。共産党の大島芳江議員が「社会保険逃れのために雇用期間を2カ月で細切れにするようなやり方はやめるべきだ」と指摘したが、都側は「臨時の職の性格を考慮して任期を定めている」として、社会保険逃れではないと説明した。
 大島議員は、臨時職員には交通費も支給されないことなどを例示し、「都がワーキングプアを作り出している」と批判したが、都側は「通勤費も含めて算定した賃金だ」としたうえで、「個々の職務内容や業務量等を十分に勘案した上で、的確に役割分担を行い、スリムで効率的な執行体制を確保している」とし、臨時職員の雇用状況に問題はないとの姿勢を強調した。【田村彰子】▲

「有期労働契約研究会報告書」について

■「有期労働契約研究会報告書」について
~締結から終了にわたるルールに関する論点・課題を提示~

 (平成22年9月10日/労働基準局労働条件政策課)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000q2tz.html

有期労働契約研究会報告書

■有期雇用:「一定の規制が必要」厚労省研究会が報告書で
 (2010年9月10日20時57分『毎日新聞』)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100911k0000m040080000c.html
 厚生労働省の有期労働契約研究会(座長・鎌田耕一東洋大法学部教授)は10日、有期雇用について、季節的業務に限定するなどの一定の規制が必要との報告書をまとめた。労働政策審議会で検討を進め、11年度中のルール作りを目指す。
 報告書では▽有期労働契約締結の「合理的な理由」の義務づけや、季節的・一時的業務への限定▽一定の更新回数や年数を超えた場合、無期労働契約とみなすなどの法的規制▽現在明確な規定のない契約期間満了後の雇い止めの規制--などがルール作りの方法として考え得るとしている。また、日本の有期契約労働者の雇用保護の弱さを指摘。新規雇用の抑制や企業の海外移転の加速などの影響が生じないよう配慮しつつ、規制内容を検討すべきだとした。▲

「<はたらく>“公務員”でも不安定 自治体の臨時・非常勤職員」

■<はたらく>“公務員”でも不安定 自治体の臨時・非常勤職員
 (2010年9月3日『中日新聞』【暮らし】)
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2010090302000047.html
 全国の自治体で、臨時や非常勤の職員が増えている。行革に伴う正規職員の削減などが背景にあり、労働に見合わない低賃金を強いられている場合も多い。だが、税金の使い道に注がれる市民の視線は厳しく、“官製ワーキングプア”の悲哀は伝わりにくいのが実情だ。 (片山健生)
 愛知県西部の自治体の清掃部門に在籍する男性(45)は、昨夏のボーナスシーズンに市民から浴びせられた一言が忘れられない。
 「公務員はたくさんボーナスをもらえていいよな」。街中のごみ集積場でペットボトルをパッカー車で回収しているとき、通り掛かった年配者が、うらやみとも嫌みともつかない口調で発した。
 だが男性は、日給一万円で働く一年契約の臨時職員。勤務のない年末年始は生活費の工面に頭を悩ませ、年度末には契約が更新されるか気に病む境遇だ。
 同じ作業服で、同じ仕事をしている正規職員と違い、ボーナスにも縁はない。「反論してこじれると次の集積場に着くのが遅れると思い、苦笑いしてその場を離れましたが…」と振り返る。
 契約更新を重ねて勤務は六年目に入るが、日給は百円ほどしか上がっていない。年収は二百五十万円に届かず、妻のパート収入がなければ生活が成り立たない。前職の土木作業員時代に痛めた腰の再手術を近く控える。「貯金はないので、百四十万円ほどの費用は借金して工面するつもりです」
     ◇
 総務省によると、全地方自治体の非正規職員は二〇〇八年四月時点で四十九万八千人に上り、〇五年の調査より四万二千人増えている。正規職員は同期間で十四万三千人減っており、削減分の一部を安価な労働力で補ったとみられる。
 全日本自治団体労働組合(自治労)は〇八年、非正規職員について全自治体にアンケート。千百四自治体(所属する非正規職員数約三十四万人)から回答を得た。日給・時給制職員の時間当たりの賃金は千円未満が73・8%=グラフ、月給制職員の賃金は十六万円未満が58・7%。年収二百万円未満のワーキングプア(働く貧困層)は、八割前後に上るとみられる。
 一年以下の契約期間がほとんどだが、継続勤務一年以上の人が60・3%。三割近くは「常勤職員と同じ」勤務時間だが、昇給制度がある人は一割もいない。低賃金で常勤的な働き方をしていることが分かる。空いた時間で別の仕事をしようとしても、兼職が制限されている場合が多い。
     ◇
 労働政策研究・研修機構の荻野登・調査解析部次長は「自治体予算が縮小する中、非正規職員を使わなければ回っていかないのが現実で、正規職員と同じ勤務内容や役割を求めている自治体は多い」と語る。非正規職員の賃金は低く抑えられ、手当を制限した地方自治法の規定などを理由に、通勤手当が支給されない事例もあるといい、「同じ労働には同じだけの賃金を支給する制度が公務職場にも必要」と訴える。
 三重県全自治体を対象に毎年、非正規職員に関するアンケートをしている県労働組合総連合の芳野孝副議長は「公務員の非正規職員の低い賃金が、ハローワークなどの求人票で公開される民間企業の賃金の引き下げにつながっている」と指摘。民間労働者にとって、官製ワーキングプアは、対岸の火事ではないとの見方を示している。▲

「自治労「非正規と賃金シェアを」 委員長が処遇改善提案」

■自治労委員長:「非正規と賃金シェア」勧告で削減分転用
 (2010年8月26日13時27分『毎日新聞』)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100826k0000e040057000c.html
 自治労(全日本自治団体労組)の徳永秀昭委員長は26日、徳島市で開かれた定期大会のあいさつで、「正規職員と非正規職員が賃金をシェアすべきだ」と述べた。一例として、人事院勧告に準じて地方公務員の正規職員の給与が削減された場合、削減分を非正規職員に配分する方向で労使交渉を進めることを提案。正規と非正規の格差解消に向け、産別労組のトップが具体的な提案をするのは極めて異例で、労働界全体に影響を与えそうだ。
 徳永委員長は、一部の正社員が賃下げを受け入れて非正規雇用をなくした広島電鉄の例を挙げ、「正規・非正規の均等待遇を実現するためには、もう一歩進んだ運動展開が必要な時期に来ている」との考えを示した。
 自治労が09年に実施した調査によると、全国の自治体の非正規職員は推定60万人。特に財政の厳しい地方の町村では、正規を非正規に切り替える傾向が強く、職員の半数が非正規という状況にある。また、非正規職員の6割が正規職員並みに働く一方、定期昇給はなく、各種手当も支払われないため、8割が年収200万円以下の「官製ワーキングプア」とされる。徳永委員長は「非正規職員が搾取されているのが実態」と現状を指摘した。
 だが、公務員に対する国民の目は厳しく、非正規職員の処遇改善のための新たな原資は見込めないのが実情。人事院勧告に準じて全国の自治体が給与や手当を切り下げた場合、影響額は2340億円になると総務省が試算しており、徳永委員長は格差解消へ向けた原資として着目している。
 地方公務員の労使交渉は自治体ごとに行われる。徳永委員長の発言を受け、各単組がどのように取り組むかが注目される。【市川明代、井上卓也】▲

■自治労「非正規と賃金シェアを」 委員長が処遇改善提案
 (2010/08/26 19:42【共同通信】)
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010082601000894.html
 自治労の徳永秀昭委員長は26日、徳島市で開催した定期大会のあいさつで「正規職員と非正規職員が賃金をシェアするべきだ」と述べた。非正規職員の処遇改善について、産別労組トップが具体的に提言するのは異例。
 徳永氏は「正規-非正規の均等待遇を実現するためには、もう一歩進んだ運動展開が必要」とし、人事院勧告に準じて地方公務員の正規職員の給与が削減された場合、削減分を非正規職員の処遇改善に確保する労使交渉に入ることを提案した。
 自治労の2009年の調査では、全国の自治体の非正規職員は約60万人。勤務時間が正規職員と同じ非正規職員は全体の28・4%に上るという。徳永氏は「非正規職員の存在が行政サービスを左右するようになっているにもかかわらず、搾取されている」と指摘した。▲

「龍大は継続雇用を 第1回口頭弁論」

■龍大は継続雇用を 第1回口頭弁論
 (2010年8月20日17:47 京都民報Web)
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2010/08/20/post_7133.php
 龍谷大学(京都市伏見区)に雇い止めされた嶋田ミカさんが、雇い止めは不当と訴えている裁判の第1回口頭弁論が20日、京都地裁(大島眞一裁判長)で行われました。
 嶋田さんは、同大学経済学部の「特別任用教員助手」として2007年4月に3年間の有期雇用で採用。今年3月末に契約満了として雇い止めされました。嶋田さんは採用時に、人事担当者から「1回はよほどのことがないかぎり契約更新する」と説明されていたため、「継続雇用されないのはおかしい」と訴えています。
 口頭弁論では訴状が読み上げられました。
 この日、口頭弁論後の報告集会には支援者ら50人が参加。嶋田さんは「大学院に入学して以来、非常勤講師などで16年間も在籍している。なんとしても働き続けたい」と訴えました。
 弁護団代表の畑地雅之弁護士が、他の有期雇用された職員が更新される中で1人のみ雇い止めされることについては解雇無効との判例もあると指摘。「他の教員が少なくとも1回は更新されているのに嶋田さんのみ雇い止めは不当。次回以降の口頭弁論も傍聴席を埋めて、運動で勝利しよう」と呼びかけました。
 次回口頭弁論は、10月29日14時から京都地裁208号法廷で開かれます。▲

京大:5年条項の団交

〈京都大学時間雇用職員組合ユニオンエクスタシー〉が、9月に京大と「5年条項」に関する団交を行ないます。
要求書が読めるようになっていますので、みなさんぜひご覧ください。
http://extasy07.exblog.jp/13140140/

『有期労働契約研究会 報告書(案)』

■第18回有期労働契約研究会 資料(平成22年8月24日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000mrxr.html

【関係記事】
■有期労働契約の規制強化提言=厚労省研究会が最終報告案
 (2010/08/24-20:35 時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2010082400876
 厚生労働省の「有期労働契約研究会」(座長・鎌田耕一東洋大教授)は24日、契約社員など雇用の期限が定められている有期労働について、法改正を含めたルール整備を求める最終報告案をまとめた。具体的な検討課題としては、契約を結べる業務を限定することや、現在無制限となっている契約更新回数の制限などを例示。雇用が不安定になりがちな人たちの権利保護に向け、大幅な規制強化を求める内容になっている。
 研究会が近くまとめる最終報告を受け、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)は今秋から審議を開始し、来年度中に結論を出す見通し。厚労省はその後、労働契約法などの改正を含む具体的見直し策を講じる方針だ。
 報告案は、契約更新回数に上限を設ける場合、守らなかった企業へのペナルティーとして、無期の労働契約を締結したと強制的にみなす制度の導入などを検討するよう提唱。また「正社員登用制度」をはじめ、正社員への転換措置を義務付けることも、今後の課題として挙げている。
 有期契約労働者は1985年に437万人だったが、企業が人件費抑制を進めたことなどから2009年には751万人に増え、雇用者の13.8%に達している。08年秋のリーマン・ショック後には、企業が契約更新しない「雇い止め」が続出し、社会問題化した。▲

「厚労省研究会の新雇用政策 構造改革の転換不十分」

■厚労省研究会の新雇用政策 構造改革の転換不十分
 (2010年7月20日(火)『しんぶん赤旗』)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-20/2010072002_01_1.html
 厚生労働省の雇用政策研究会(座長・樋口美雄慶応大学教授)はこのほど、「持続可能な活力ある社会を実現する経済・雇用システム」と題する新たな雇用・労働政策の方向性をまとめた報告書を出しました。
 報告書では、「正規・非正規労働者の二極化」「少子高齢化の進展」など情勢の変化をあげて、「雇用の質の向上」や女性・高齢者らの労働力化、セーフティーネットの強化などを打ち出しています。
 自公政権の規制緩和路線がもたらした雇用破壊と貧困拡大に対応しようという問題意識はうかがえます。
◆提起したのは多様な正社員
 しかし、「雇用の質の向上」で提起しているのは、「多様な正社員」です。「正規・非正規労働者の中間に位置する雇用形態」で、「契約期間に定めがない」ものの、「雇用調整できる」というもの。「労働者には細切れ雇用を防止でき、企業にも非正規労働者を中長期的に戦力化することが可能になる」としています。
 これは報告書自身、「アウトソーシングの手段として利用され、不安定な雇用形態を増大させることにならないよう十分配慮する必要がある」と指摘するように、新たな不安定労働者を生み出す危険性があります。
 一方で、労働者派遣法の見直しや有期雇用のルール改正については「保護の仕組みを強化」などとするだけで具体的内容は示していません。「抜け穴」だらけの政府の労働者派遣法改定案に、“配慮”した格好です。
 失業者らへの就労支援、セーフティーネット強化はどうか。
 まず必要なのは、失業手当の給付期間延長や給付水準引き上げ、対象者の拡大など雇用保険の拡充です。ところが報告書はこうした課題は取り上げず、「常にモラルハザードの可能性を考慮しなければならない」とします。
◆公的職業訓練強化に反して
 職業訓練についても「成長分野の人材育成」などというものの、政府がすすめているのは、雇用・能力開発機構の廃止や全国83カ所の地域職業訓練センターの全廃計画など、公的職業訓練の強化に反する方向です。
 正社員についてはリストラ対策や労働時間短縮などを課題にあげています。しかし、これも「関係法令の履行」など現行の枠内にとどまり、実効ある対策を打ち出せません。
 政府の「新成長戦略」に沿って福祉・介護分野などでの雇用拡大を強調しています。しかし、同戦略は、大企業の成長を最優先にしたもので、「新しい公共」の名によるNPO(民間非営利団体)の活用など公共サービス縮小と民間まかせがベースです。
 民主党政権が「構造改革」路線から脱却できないもとで、報告書も労働者の願いにこたえるには不十分な内容にとどまっています。
 大企業に社会的責任を果たさせ、ためこんだ内部留保を還元させて雇用の危機を打開し、労働条件を改善させていくこと、そのために解雇規制や非正規の正社員化や均等待遇、最低賃金引き上げなど、「人間らしく働けるルール」を確立する方向性こそ必要になっています。(深山直人)▲

「国の「日雇い」非常勤職員、年単位雇用へ」

■国の「日雇い」非常勤職員、年単位雇用へ 人事院改正案
 (2010年7月3日9時24分 asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0703/TKY201007030003.html
 人事院は2日までに、中央府省や国の出先機関と「日雇い」形式の契約を結んで正規職員の補助業務に従事している非常勤職員について、契約方式を改め、1年単位で最長3年間働けるようにする人事院規則の改正案をまとめた。パブリックコメントを募った上で8月に規則を改正、10月に施行する方針だ。
 国の非常勤職員は約14万8千人(昨年7月時点)だが、そのうち契約上の任期が1日単位になっている「日々雇用」の職員は約2万5千人いる。職員組合などが「官製ワーキングプアだ」と批判し、人事院が財務・総務両省と制度の改善を検討してきた。▲

■国家公務員に「期間業務職員」=「日雇い」の不安定雇用を是正-政府検討
 (2010/07/02-20:30 時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201007/2010070200728
 各府省の事務補助などに「日雇い」で従事し、不安定な雇用形態が問題となっていた非常勤国家公務員について、政府が検討している処遇改善案が2日、明らかになった。1日ごとに更新を繰り返す現行の雇用形態を廃止し、今年10月から原則1年間が任期の「期間業務職員」を新設することが柱。併せて、退職手当や共済組合といった処遇面も、一定の勤務時間を超えていれば、常勤職員に準じ加入を認める方向だ。
 総務省によると、2009年7月時点で各府省に在籍する日雇い状態の職員は、2万4683人。府省で事務の補助をしたり、ハローワークで窓口業務に従事したりしている。定員削減を進める各府省では貴重な戦力となっており、実際には常勤に近い形で数年間勤務する例も多い。一方、退職手当などの扱いが各府省で異なるといった課題もあった。 
 このため、政府は任期が1日ごとに自動更新される現行制度を廃止し、1年以内の臨時的な業務を行う「期間業務職員」を、10月から新設する方針。試用期間も1カ月設け、採用の更新は2回まで認め、最長3年間働けるようにする。ただ更新回数制限は努力義務とし、延長の可能性も認めた。
 また、退職手当の支給や共済組合への加入も、規定で定められた勤務時間数を超えた職員に対しては、常勤と同様に取り扱う方向で検討している。▲

■国の職員「日雇い」を是正 人事院、非常勤制度改正へ
 (2010/07/02 18:18【共同通信】)
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070201000707.html
 人事院は2日までに、中央省庁や出先機関で補助的な仕事を行う非常勤職員のうち、1日単位で契約更新を繰り返す「日々雇用」を、最長1年とする任期付き雇用にする規則改正案をまとめた。パブリックコメント(意見公募)を経て8月にも規則を改正、10月から施行する。
 総務省によると昨年7月時点で、国の非常勤職員は14万8千人。このうち日々雇用職員は約2万5千人で、約3千人は契約を更新しながら6カ月以上続けて勤務している。定員減の常勤職員の仕事を補っているが、制度上はいつでも退職させられる不安定な立場のため、職員組合が改善を求めていた。
 改正案では、現行制度を廃止した上で任期を最長1年とし、勤務実績によって原則2回まで更新できるようにする。ただ「任期付きにすると、雇い止めにつながる」という職員組合からの批判もあり、更新回数の制限は「努力義務」として増やせる可能性も残した。
 また採用に当たっては、特に知識や技能が必要なケースなどを除き、インターネットの利用や公共職業安定所の求人告知で、できる限り広く公募するとした。▲

解雇権濫用で龍大を提訴!

■雇い止め:元助手、龍谷大を提訴 地位確認求め /京都
 (2010年7月6日『毎日新聞』京都版)
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20100706ddlk26040498000c.html
 龍谷大を今年3月に雇い止めになった元女性助手(46)が5日、龍谷大を相手取り、地位確認と、4月以降の給与相当額の賠償などを求める訴訟を京都地裁に起こした。
 訴状によると、女性は07年4月、新たに設置された経済学部の「サービスラーニングセンター」の運営のため、特別任用教員助手として採用されたが、昨年6月、「契約期間終了」として契約を更新しないという説明を受けた。採用時に「通例1回は更新される」という説明を受けたといい、「雇用継続の期待があり、雇い止めは解雇権の乱用」と主張している。
 大学側は「訴状を受け取っておらず、コメントを控える」としている。【古屋敷尚子】▲

■「不当に雇い止め」龍大運営法人提訴
 (2010年7月6日『読売新聞』)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20100705-OYT8T01279.htm
 龍谷大(伏見区)から不当に雇い止めされたとして、元助手の女性(46)が5日、大学の運営法人を相手取り、雇用の継続と、4月以降の賃金支払いを求める訴えを地裁に起こした。
 訴状によると、女性は2007年4月、経済学部の実習型講義の受講生を支援する施設の助手として3年の有期雇用で採用。この際、通例1回は契約更新されると大学側から説明されたが、更新されずに3月末で雇い止めになった。
 女性は「大学側の説明などによれば、3年での契約打ち切りは本来、想定されておらず、解雇権の乱用にあたる」と主張。同大学長室は「訴状を受け取っておらず、コメントを差し控える」としている。▲

■龍谷大学の雇い止めは無効 京都地裁に提訴
 (2010年7月 5日 21:07 京都民報Wb)
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2010/07/05/post_7033.php
 龍谷大学(京都市伏見区)に3年間臨時教員として勤務し、今年3月末に雇い止めされた女性が5日、雇い止めは不当として、雇用継続を求めて京都地裁に提訴しました。
 提訴したのは、同大学経済学部の「特別任用教員助手」の嶋田ミカさん(46)。嶋田さんは2007年4月に3年間の有期契約で採用され、同学部学生支援事業のサービスラーニングセンターに勤務していました。特別任用教員助手は同学部が同事業を開始するにあたって新設したもの。
 嶋田さんは採用時に人事担当者から「1回はよほどのことがないかぎり契約更新する」と明言されたため継続雇用を期待していましたが、雇い止めを通告されました。
 納得できず同大学教職員組合に相談し、加入。大学に雇用継続を求め交渉しましたが、大学側の姿勢が変わらないため提訴しました。
 会見で畑地雅之弁護士は、特別任用教員として採用された他の教員は少なくとも1回は契約更新されていることから、「更新を期待できる対応を受けてきたので、合理的な理由がない限り雇い止めは無効」と述べました。
 嶋田さんは「修士、博士のころから在籍してきて、龍谷大学には愛着があるのに雇い止めされ、非常に残念です。まわりには雇い止めされたのに泣き寝入りする人が多い。私が声を上げて解決できるという先例をつくりたい」と話しました。
 「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」代表の田中宏同大学元特別任用教授・一橋大学名誉教授が、「高学歴ワーキングプアと呼ばれる教員が増加している傾向に歯止めをかけるためにも、ぜひ勝利したい」と述べました。▲

「『派遣』続く生活不安 直接雇用後『雇い止め』も」

■『派遣』続く生活不安 直接雇用後『雇い止め』も
 (2010年7月2日『中日新聞』[暮らし])
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2010070202000082.html
 派遣労働者の不安定な状況が続く。2008年秋のリーマン・ショック以降に相次いだ「派遣切り」を受け、製造業派遣の原則禁止などを盛り込んだ労働者派遣法改正案は、先の国会で成立に至らず継続審議に。規制緩和から強化に転じる改正の議論は先送りされ、労働者の思いは置き去りにされている。 (福沢英里、竹上順子)
 「派遣で働いた五年七カ月は時間の無駄でした」。昨年三月まで、派遣社員として大手電気機器メーカーに勤めていた三重県四日市市の男性(29)は、悔しさをぶつける。
 飲食店の雇われ店長などを経て二〇〇三年八月、メーカーの工場で働き始めた。高温のプレス機を使い、部品を成形する仕事。作業は多岐にわたり、必死で技術を覚えた。
 仕事を任され、やりがいを感じるように。事務職で派遣から正社員になった人がいると聞き「頑張れば自分も」と張り切った。だが昨年二月「派遣先の業績が悪化した」と解雇を言い渡された。男性は制限期間を超える派遣などの違反があったとして直接雇用を求め提訴。昼間は職業訓練、夜は居酒屋でアルバイトの生活を送る。
 岐阜県の工作機械工場で働いていた男性(40)が派遣切りされたのも昨年三月。派遣会社に「機械加工の技術が身に付く」と誘われ四年前、地元の九州を出た。だが作業は雑用ばかり。工場で中途採用の正社員のさまつな指導係も担わされ、機械加工の実務は全く学べなかった。
 「派遣された自分と正社員とでは、扱われ方が違う」と現実を思い知った。「派遣は使い捨て。派遣会社と派遣先がもうけるだけ」と言い切る。
 派遣問題に詳しい名古屋大の和田肇教授は「労働者派遣法が施行された一九八〇年代後半と違い、今は家計の担い手が派遣で働いている」と指摘。「派遣は雇用の調整弁」という企業の考え方を変えないと、失業問題はさらに深刻化すると警告する。
     ◇
 一度、派遣で働き始めると「安定」への道が険しくなる。
 「派遣は現代の身分制度」と語るのは、愛知県の大手通信会社に派遣されている男性(43)。大学卒業後、東証一部上場会社に勤めたが病気で退職。仕事がある時にだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣で働き始めた。
 不安定な立場を脱しようとパソコンの資格を取り、派遣会社の契約社員に。だが年収は三百万円に届かず、妻のパート収入を合わせて一家四人が何とか暮らす。「しょせん、派遣は派遣。欧米のように同一価値労働、同一賃金の仕組みにしてほしい」と訴える。
     ◇
 継続審議になった派遣法改正案では、実態は派遣なのに業務請負に見せかける「偽装請負」などの違法行為があった場合、派遣先企業に労働者の直接雇用を義務づける制度が盛り込まれた。だが有期雇用でいいため、「雇い止め」の恐れがある。
 これまでにも、偽装請負を告発して派遣先に直接雇用されたものの、期間工だったため期間満了を理由に雇い止めされた例がある。労働問題に詳しい鷲見賢一郎弁護士は「有期雇用では企業側が簡単に、告発に対する“報復”ができる」と指摘。期間の定めのない雇用契約とするなど正社員との「均等待遇」の保障を求める。
 非正規労働者の相談を受ける東京ユニオンの渡辺秀雄執行委員長は「有期かつ間接雇用の派遣労働は、矛盾の大きい雇用形態。雇用の入り口から規制すべきだ」と訴えている。▲

ミニシンポジウム「北海道大学における非正規雇用を考える」報告書

◆北海道大学教職員組合 2010/05 『ミニシンポジウム「北海道大学における非正規雇用を考える」報告書』,北海道大学教職員組合,13p.

北大職組さんのホームページからPDF版がダウンロードできます。

「「2.27 なんで有期雇用なん!?」 関西緊急集会報告」と、2010年3月17日(水)に北海道大学で開催されたシンポジウムの記録の2本立てです。

みなさんぜひご覧ください!

〈くびくびカフェ〉の記事

大きなカラー写真入りの記事です!

■大学職員「使い捨て」に憤り――加速する非正規化/各地で共感呼ぶ/「クビ撤回」の訴え
 (2010年7月1日『京都新聞』朝刊8面[暮らし] 「参院選2010 暮らしの現場から ①奪われる職」)

「労働相談最多、契約社員が倍増 京都府09年度まとめ」

■労働相談最多、契約社員が倍増 京都府09年度まとめ
 (2010年06月14日08時45分『京都新聞』)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100614000017&genre=B1&area=K00
 京都府は、京都中小企業労働相談所(京都市南区)で09年度に受け付けた労働相談の結果をまとめた。相談件数は前年度比14・7%増の1525件と過去最多で、派遣労働者が減る一方、契約社員が倍増した。府は、国の派遣労働の規制強化をにらみ、企業の間で派遣から契約社員への置き換えが進んだ結果とみている。
 相談件数の過去最多更新は08年度に続き2年連続。不況による雇用情勢や労働環境の悪化を反映している。
 雇用形態別の相談件数は、正規労働者が636件で19・3%増となる一方、非正規労働者は462件でほぼ横ばい。府は「業績回復で仕事が増えても、人員を抑制しているため、正社員の負担が増えているようだ」(労政課)と指摘する。
 非正規社員のうち派遣労働者からの相談は26・6%減だったが、契約社員などの有期雇用契約労働者は倍増の106件だった。府労政課は「労働者派遣法改正で派遣社員の受け入れが厳しくなるのを見込み、契約社員として直接雇用する企業が増えた結果」とみている。
 契約社員の相談内容は解雇退職勧奨が最多で、「景気動向に応じた調整弁とされる面で派遣労働者と同じ」としている。▲

解雇権濫用法理の類推適用について

■【大失業時代】(1)派遣切り許さない
 (2009年3月23日 asahi.com>関西)
http://www.asahi.com/kansai/mini-rensai/OSK200903210082.html
より、以下部分引用。
 まだ契約期間が残っているのに、雇用契約を打ち切られる。これは解雇で、正社員と同じく厳しく規制されている。労働契約法により、解雇に合理的な理由がなく、社会通念上認められない場合は、「解雇権の乱用」で無効となる。同法はさらに、有期契約の期間途中の解雇は「やむを得ない事由」がなければ許されないと明記。正社員以上に厳しくクギを刺す。
 一方、契約期間が満了して契約更新をしてもらえない「雇い止め」は、解雇とは異なる。だが、雇い止めにも制限がある。非正社員の労働事件に取り組む永嶋里枝弁護士(大阪弁護士会)は「更新を繰り返し、実質は期間の定めがない雇用と変わらない場合、『解雇権乱用』の法律的な考え方を適用するなどして、雇い止めを無効とした判例がいくつもある」と説明する。

学習討論会「理由のない有期雇用契約禁止を求める」

============= 学 習 討 論 会 =============

◎ 「理由のない有期雇用契約禁止を求める」 ◎

◇ 日時 2010年7月27日(火)午後6時30分
◇ 場所 エルおおさか604号室
◇ 講師 永嶋里枝さん(弁護士)

○・o。。o・○・o。。o・○・o。。o・○・o。。o・○・o。。o・

 ☆ 合理的な理由のない有期雇用契約の禁止!
 ☆ 働く人生を勝手に区切らないで!
 ☆ 同じ価値の仕事には同じ賃金、労働条件を!

 非正規と呼ばれる雇用が労働者の1/3を超え、女性については過半数の働きかたとなってしまいました。パートであれ派遣であれ、非正規雇用を特徴づけるのが有期雇用契約です。90年代からパート雇用に導入され始めた有期契約は、派遣雇用の拡がりとともに一般化し、さらに1年から6か月、3か月、1ヶ月へと細切れ化が進んでいます。しかしその有期雇用の実態は、契約更新を何度も繰り返し、勤続10年以上という例も珍しくはありません。

 臨時的な仕事ではない、恒常的な仕事であるのに、なぜ根拠もなく企業は有期契約を繰り返すのでしょうか。その一番の理由は、「契約期間満了」を理由とする雇い止め解雇をするためです。人件費を自由に削減できる雇用に、企業は魅力を感じているのです。一方、働くものにとって有期契約は、雇い止め解雇が心配で理不尽な待遇やハラスメントがあっても声を上げることができないという低い身分を押しつけるものとなっています。契約更新が迫ると、心身の不調を訴える労働者が少なくありません。

 このような有期雇用契約が多くの労使紛争を生みだしているなかで、厚生労働省は一定のルールを作るため、法制化の準備を始めています。できあがる法律が、有期雇用契約を規制するものとなるのか、逆に「こうすれば大丈夫」とのお墨付きを与えるだけのものとなってしまうのか、今、大切な時期が訪れています。

 企業業の横暴、それを認める政治や司法に、「合理的な理由のない有期雇用契約の禁止」を訴えていきましょう。働いて生活する私たちの人生を、企業の理屈で区切らせないために。

◇ 主催 コミュ二ティ・ユ二オン関西ネットワーク
    働く女性の人権センターいこ☆る
    派遣労働ネットワーク・関西
◇ 連絡 06-6942-0219(労働組合なにわユ二オン

cf.
昭和設計 契約社員雇い止め事件
(株)毛髪クリニックリーブ21 裁判

「解雇権濫用」法理の適用判決

■雇用継続:期待権認める…雇い止めは解雇権乱用 大阪高裁
 (2010年6月30日0時18分『毎日新聞』)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100630k0000m040113000c.html
 京都府向日市の倉庫会社を60歳で定年退職後、同社に再雇用された大津市の男性(62)が、1年での雇用打ち切りを不服とし、同社に対し賃金の仮払いなどを求めた仮処分申請の抗告審で、大阪高裁は再雇用継続に対する男性の「期待権」を認め、仮払いを命じる決定を25日付で出した。65歳までの雇用確保を義務付けた改正高齢者雇用安定法(06年施行)を踏まえ、前坂光雄裁判長は「男性が雇用継続を期待することには合理性があり、雇い止めは解雇権の乱用に当たる」と判断した。
 29日に会見した男性の代理人の渡辺輝人弁護士によると、再雇用後の雇い止めを巡る争いで、雇用継続への期待権を認めた司法判断は全国で初めて。
 決定などによると、男性は67年、親会社に就職し、08年6月の定年まで子会社の倉庫会社で働いた。同社は同年、同法に基づき64歳までの再雇用制度を導入。男性も1年ごとに契約を更新する前提で再雇用されたが、09年6月、業績不振を理由に打ち切られた。
 高裁は、男性以外の被再雇用者の契約は更新されたことなどから「会社は雇用継続の努力を尽くしていない」と指摘。男性が定年まで勤め上げたことも考慮し、打ち切りは不適当と判断した。男性は京都地裁への仮処分申請が却下され、抗告していた。【古屋敷尚子】▲

■再雇用1年で継続期待権認める――大阪高裁 解雇権の乱用と結論
 (2010年06月29日23時29分『京都新聞』)
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20100629000186
 高年齢者雇用安定法に基づく再雇用制度を設けた会社の社員が、再雇用の1年後に雇い止めになったのは不当として、賃金の仮払いなどを求めた仮処分申し立ての抗告審で、大阪高裁(前坂光雄裁判長)は29日までに、「雇用継続の期待があった」として雇い止め無効と判断し、会社に仮払いを命じた。
 雇用継続の期待権は、従来の判例は複数年の契約更新がないと認めていないが、再雇用の今回は1年で認めた。代理人の弁護士は「初の司法判断で影響は大きい」と話した。
 申し立てたのは、東京都の倉庫会社の社員として、向日市の物流センターに勤務していた小牧明さん(62)=大津市。決定によると、小牧さんは2008年6月に定年退職し、64歳まで1年単位で契約更新する会社の制度に基づいて再雇用された。しかし、不況を理由に09年6月に契約更新されなかった。
 25日付の高裁決定は「就業規則は一定の基準を満たす者の再雇用を明記し、1年ごとに同じ基準で反復更新するとしていた。雇用が継続されるとの合理的期待があったと言える」と判断した。その上で、同社が雇い止めを回避する努力を怠ったことに触れ、解雇権の乱用に当たると結論付けた。▲

龍谷大学「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」賛同のお願い

龍谷大学の助手を雇い止めになった嶋田ミカさんが、裁判に向けて賛同人を募っています。
みなさん、よろしくお願いいたします。

【以下転送歓迎です】
2010年6月23日
「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」賛同人のお願い
「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」
代表 田中宏

龍谷大学特別任用教員助手の嶋田ミカさんが、本年3月、「雇い止め」を通告されたことをご存知ですか。嶋田さんは2007年4月に経済学部サービス・ラーニングセンターに3年契約(一回更新可)の助手として採用されましたが、大学当局から何らの理由も明らかにされることなく、単に「期間終了」というのみで解雇されました。大学当局の行為は、とうてい納得のできるものではありません。

嶋田さんは民際学の研究者としての業績だけでなく、インドネシアの貧困女性を対象にマイクロ・クレジットを供与するという地道な活動も続けています。嶋田さんのこうした研究業績や実践がサービス・ラーニング・センター助手の仕事にも生かされたことはいうまでもありません。

龍谷大学は、建学の精神(浄土真宗の精神)に基づく、すべての「いのち」が平等に生かされる「共生(ともいき)」の理念を掲げています。「人間のポイ捨て」に等しい今回の雇い止めは、この建学の精神に合致しているとは思えません。
この間、嶋田さんは、龍谷大学教職員組合を通じて大学当局と交渉を続けてきましたが、大学当局の態度は全く変わりませんでした。嶋田さんは今回の雇い止めは、あまりに理不尽であると考え、やむなく、7月5日京都地方裁判所に提訴することにしました。

最近、多くの大学で所謂「高学歴ワーキングプア」と称される非正規の教員が増加し、理由なき有期雇用や「雇い止め」が横行しています。しかし、ほとんどの人が次の就職などを考え、泣き寝入りせざるを得ないという現状です。

この流れを止めるためにも自分が声をあげなければという嶋田さんの堅い決意に対して、私たちは「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」を発足させて、全力で支援していこうと考えています。嶋田さんの闘いを支えるために、この会の賛同人になっていただきますようお願い申し上げます。賛同していただける方は、下記の「賛同人申し込みフォーム」にご記入の上、第一次締め切り7月3日までに下記のメールかFAXで事務局に送ってください。

嶋田さんの雇用継続を求める会
〒556-0022 大阪市浪速区桜川2-13-15 外国人政策懇話会気付
Tel&Fax:06-7492-7166
E-Mail:s.koyokeizoku@gmail.com
事務局担当:嶋川まき子 林真司

呼び掛け人一覧(6月23日現在、五十音順)
代表:田中宏(元龍谷大学経済学部特別任用教授・一橋大学名誉教授)
生田武志(野宿者ネットワーク代表)
井上昌哉(京都大学時間雇用職員組合ユニオンエクスタシー世話人)
小川恭平(京都大学時間雇用職員組合ユニオンエクスタシー世話人)
小川裕子(生活保護施設職員)
片山一義(札幌学院大学経済学部教員)
角岡賢一(龍谷大学経営学部教授)
北上田毅((特活)京都サマール友好協会理事長)
久場嬉子(元龍谷大学経済学部特別任用教授・東京学芸大学名誉教授)
竹中恵美子(元龍谷大学経済学部特別任用教授・大阪市立大学名誉教授)
戸村京子((特活)チェルノブイリ救援・中部理事)
中村尚司(龍谷大学研究フェロー・(特活)JIPPO専務理事
春山文枝(多目的カフェかぜのね協同経営者・元京都精華大学人文学部准教授)
古屋哲(大谷大学非常勤講師)
細川孝(学術人権ネットワーク事務局次長・龍谷大学経営学部教員)
丸山里美(立命館大学産業社会学部准教授)
宮田弘(京都市交通局職員)
望月太郎(大阪大学大学教育実践センター教授)
森石香織(看護師)
屋嘉比ふみ子(ペイ・エクイティ・コンサルティング・オフィス代表)
山崎淳子(元京都橘高等学校教員)
山根実紀(京都大学大学院教育学研究科院生)
山原克二(ゼネラルユニオン委員長)
脇田滋(龍谷大学法学部教授)
嶋川まき子(元高等学校教員・女性卒業生のための労働相談室主宰)
林真司(外国人政策懇話会世話人)

▼賛同人申し込みフォーム
ふりがな:
お名前:
所属:
肩書き:
メールアドレス:
住所:〒
電話番号
  勤務先:
  自宅・携帯:
お名前の公表 可(  )不可(  )
 *いずれかに○
メール登録 可(  )不可(  )
 *いずれかに○

▼賛同団体申し込みフォーム
団体名:
代表者:
メールアドレス:
電話番号:
所在地:〒
メール登録 可(  )不可(  )
 *いずれかに○

「正社員の多様化を提言=非正規との格差是正で-厚労省研究会」

■正社員の多様化を提言=非正規との格差是正で-厚労省研究会
 (2010/06/24-19:12 時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2010062401034
 労働政策全般のあり方を論議する厚生労働省の雇用政策研究会(座長・樋口美雄慶大教授)は24日、正社員と非正規労働者との格差を是正するため、正社員の多様化を推進するよう求める報告書案をまとめた。近く正式決定し、厚労省はこれを基に中期的な雇用政策の基本方針を策定する。
 報告書案は非正規労働者が3人に1人の割合にまで増加した結果、給与や教育訓練に関する格差が拡大したと指摘。対策として「正社員の多様な働き方を検討し、正規・非正規の二極化構造を解消することが望まれる」と強調している。
 具体的には正規と非正規の中間の雇用形態として、職種や勤務地限定の正社員を例示。これらの普及により、短期契約の更新を繰り返す「細切れ雇用」を防止できるほか、「非正規労働者がステップアップする手段にもなり得る」との見方を示している。▲

大阪大学・鷲田清一総長に直談判!

この「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会の中心メンバーでもある関単労阪大分会の加藤さんから、サプライズ報告!がありました。以下です。
■今日の夕方、豊中キャンパスで分会ニュース配りをしていたところ、「総長ラウンド2010」なる催しに出くわし、なんと、私、鷲田総長と直談判をしたのです。偶然の出来事ながら面白かった!その様子です。

会場の受付で様子伺いしていたら、担当者が「どうぞ、お入りください。総長の隣の席が空いていますよ」と勧めてくれたので、私は総長の隣の席に、、、。

すぐに、5分間の休憩となり、さっそくニュースを総長に差し出し話はじめたら、職員が飛んできてさえぎった。でも、総長「僕はいいよ」と言ったのであります。

加藤「非常勤の実態について何もご存知じゃないのではないか。私たちの話を聞いてもらいたい」「法人化前からの非常勤は何十年と、、、」と、うんぬんかんかんと言い始めると、

総長「実態をよく知っている。特例職員など、私らがつくったのだから、、、手紙ももらっている」

加藤「非常勤を辞めさせないでほしい。きちっと話を聞いてほしい」

総長「ニュースは読ませてもらう」

加藤「私たちと話し合いをしてほしい、正式に申し込みます。申込書も出します」「京大でも闘っている。京大出身でしょ。これも読んでください」と、くびくびカフェのチラシも渡す。

総長は終始むっとした顔だった。

その後、私は後方へ移動。気がつくと、5人ほど大学職員が増えており、私、監視の下に。帰路についても、はるか彼方にこちらを見続ける職員の姿あり。

■「総長ラウンド2010」の会場は、この2月に学内で「大討論会」をやったところ。学生と総長の対話集会のようだが、何しろ大学本部学生部キャリア支援課の企画の下に行われていて、出来レースの集まりでした。
これをふまえて、阪大分会では抗議・要求書を提出する予定です。
さて、総長はどのように対応してくださるのでしょうか?

「グローバル経済」への「女性」の「活用」「戦略」には反対です。

大沢先生は純粋に良心から提言してくださっているのでしょうが、私たちはそれには乗れません。国家や企業の「戦略」に「動員」する名目でないと、女性労働は変革できないのでしょうか?(もちろん、「税制や社会保障制度」の「改善」は必要です。しかし、それとこれとは切り離しても考えられるはず)。

■働くナビ:男女共同参画計画が今年、改定されます。 大沢真理氏の話
 (2010年6月14日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/life/today/news/20100614ddm013100035000c.html
 ◇成長戦略として位置づけて
 00年の第1次計画策定にかかわった、東京大社会科学研究所の大沢真理教授に、今回の答申案についての評価と課題を聞いた。
     *
 「反省」から入っているのは良いことだ。ただ、男女共同参画が進まなかった理由として、ほとんどすべての項目に「国民の意識」が前面に出てくるのは違和感がある。政治家や行政が責任を持って、法律や制度の改正を進めるべきだ。
 税制や社会保障制度の中に、女性の就業を阻害する要素があり、それが改善されないことで何が起きているか。リーマン・ショックで日本経済は激しく落ち込み、諸外国に比べ回復が遅れている。これは、グローバル経済の変動に対し、女性が活用されず、男性稼ぎ主中心の社会経済システムがいかにもろいか、ということを示している。大黒柱が1本ではそれが倒れれば全部崩れる。消費が必要な時も貯蓄に走り、内需が低迷する。男女共同参画は、成長戦略として位置づけられるべき重要なテーマだ。▲

「男女共同参画計画が今年、改定されます。」

■働くナビ:男女共同参画計画が今年、改定されます。
 (2010年6月14日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/life/today/news/20100614ddm013100028000c.html
 ◆男女共同参画計画が今年、改定されます。
 ◇女性の雇用、依然厳しく 反省盛り込み「答申案」
 ◇賃金、男性の69・8%/進む非正規化
 男女が対等な立場で活躍できる社会を目指す「男女共同参画基本計画」の第3次基本計画(11年度から5年間)が年内に策定される。00年の第1次計画から10年が過ぎたが、政府の男女共同参画会議は今春、「10年たっても男女共同参画社会は実現していない」との反省を盛り込んだ「第3次計画策定に当たっての考え方(答申案)」をまとめ、女性に厳しい雇用の現状や問題点を指摘した。答申は月内にも菅直人首相に提出される見通しだ。
 男女の賃金格差は改善されてきたとはいえ、09年で女性労働者(短時間労働者を除く)の賃金の平均は男性の69・8%にとどまる。他の先進諸国が男性の8割前後の水準にまで達しているのと比較すると、日本での賃金格差は依然として大きい。
 格差の背景には、結婚、出産を機に離職する女性が多く、男性に比べて勤続年数が短く、正社員として再就職が難しいことが挙げられる。また、仕事と家事の両立は妻側に求められることが多いため、長時間労働や転勤を前提にした働き方は女性にとって制約がある。このため、昇進や昇格が難しいという現状を指摘している。
 答申案は問題解決のため、長時間労働の抑制や仕事と家庭の両立支援を進め、女性が働き続けられる環境整備を訴えている。また、「女性の仕事の質の向上」も求めており、案のとりまとめにかかわった鹿嶋敬実践女子大教授は「(基幹的業務を担う)総合職の女性は100人中、5、6人に過ぎない。仕事を続けても管理職にもなれず、非正規の方が多い現状では、家庭との両立に苦労してまで仕事を続けようとは思わない」と指摘する。
 また、パートタイム労働者と正社員との待遇を近づけていくことも盛り込まれた。正規、非正規の区分や男女の別にかかわらず、価値が同じ労働は同じ賃金とする「同一価値労働同一賃金」の実現に向けた法制化などを検討するよう訴えた。近年「派遣切り」が社会問題化したが、女性労働者の非正規化が一層進んだことも深刻だ。男性労働者の8割が正社員であるのに対して、女性は非正規雇用労働者が半数を超えており、ここでも男女の格差は大きい。
 共働き世帯は08年度で1011万世帯と、専業主婦のいる世帯の825万世帯を大きく上回る。また、離婚の増加や未婚による単身世帯の割合も増加しているが、現在の税制や年金などは「夫が働き、妻は専業主婦」という世帯単位が前提となっている。このため、答申案では個人単位を軸とした制度・慣行に移行していくように求めている。
 また、ほとんどの年齢層で、女性の相対的貧困率が男性を上回っていると指摘。特に単身の高齢女性や母子家庭の貧困率は高い。本来は貧困を緩和するはずの税制や社会保障制度が、ひとり親世帯や共働き世帯の貧困率を引き上げる背景になっていることも指摘された。答申案は、苦しい生活を強いられている人への支援や制度改正の必要性を強調している。【山崎友記子】▲

阪大の研究室で信じられない不正行為

非常勤研究員の弱みにつけこんだ、許せない不正行為です。
この事件を機に、阪大を含む多くの大学が非常勤研究員の雇われかたそのものを考え直すべきです。

■大阪大学医学部 研究室で給与をキックバック 元教授関与を否定
 (2010.6.13 02:00 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100613/crm1006130201002-n1.htm
 大阪大学大学院医学系研究科・医学部の元教授(64)の研究室で、非常勤の研究員が毎月、大学から受け取った給与の約半額を“キックバック”の形で研究室内の事務担当者に返金するよう研究室側から指示され、その金は部外者に分からないようプールされていた疑いがあることが12日、産経新聞の取材で明らかになった。阪大は公金である研究員の給与が、返金させられた事態を重くみて、学内で調査委員会を立ち上げ本格調査に乗り出すとともに、文部科学省にも通報した。
 阪大や複数の関係者によると、要求されていたのは中国籍の30代男性。
 この男性は、独立行政法人「科学技術振興機構」(JST)から、この元教授の研究室が受託した研究に携わるため、平成20年5月から阪大と雇用契約を結び、「特任研究員」と呼ばれる非常勤の研究員として勤務していた。JSTは16~21年度の6年間、研究費として約5千数百万円を阪大に支給しており、阪大はこの中から研究員に給与を支払っていた。
 研究員の給与は原則的に時給制で、就業時間などの雇用条件は研究室で決定できるといい、男性は当初、毎月約10万円の給与を受け取っていた。
 ところが20年秋ごろ、研究室の会計担当者らから、「JSTの研究費が700万円余るので使い切りたい。手取り分として5万円を上乗せするから、振り込んだうち半分を返金してほしい」と持ちかけられ、了承した。
 翌月から約1年間、男性の銀行口座には毎月三十数万円が振り込まれるようになったが、男性は約半額の15万円程度を毎回引き出し、事務担当者に現金で手渡していた。事務担当者はこの金を研究室関係者の名義とみられる口座に入金していたという。キックバックの総額は200万円前後に上るとみられるという。
 男性は産経新聞の取材に「要求を断り切れなかった。働き続けたかったので、大学に通報もできなかった」と話している。
 JSTは阪大から勤務表の提出を受けるなどして研究費の使途をチェックしていたが、給与として支給した後については「把握できない」としている。
 この研究室をめぐっては、他の研究員も給与の約半額の返還を一時、求められたが、拒否したことを産経新聞に証言している。
 阪大は5月末に副学長をトップとする調査委員会を設置。プール金の使途などについて本格的な調査に乗り出している。
 元教授は産経新聞の取材に対し「私は教授なので出張が多くすべて担当制にしていた。担当者に責任を持ってやってもらっている」と釈明し、関与を否定している。
 元教授は昭和62年に阪大医学部教授に就任。今年3月に退職し、現在は特任教授。▲

■阪大キックバック受け 研究生「悩み続けた」
 (2010.6.13 02:00 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100613/crm1006130201003-n1.htm
 「大学には打ち明けられず、悩み続けた」。大阪大学大学院医学系研究科・医学部の元教授(64)の研究室で約1年間にわたり、給与の半額をキックバックしていた中国籍の元特任研究員の30代男性は、悔しそうに話した。公金が不可解な流れを経て、研究室側の銀行口座に入金されていた事態に、阪大も調査に乗り出した今回の疑惑。関西随一の名門医学部の研究室で何が行われてきたのか。
 阪大・吹田キャンパス(大阪府吹田市)にそびえる医学系研究棟9階の一室。この研究室の中で、不透明な金のやりとりが繰り返されていたという。
 「疑問に感じながらも30万円をもらって15万円を返すことに承諾した」。産経新聞の取材に対し、男性は研究室側からキックバックを持ちかけられた平成20年秋のことをこう話した。
 男性にはこの3カ月ほど前に子供が生まれていた。当時の給与は10万円。新たに家族が増えた家庭には、決して満足な額ではなかった。そこに舞い込んできたキックバックの依頼。手取り額が約5万円アップするだけに、男性は承諾し、翌月から振り込まれた約30万円のうち、半額の約15万円を指示通りに事務担当者に渡していたという。
 ただ、男性は不思議に思いながらも、研究室のトップだった元教授には直接この件について尋ねることはできなかった。「教授は絶対的な存在だったから」という。現在、男性は研究室を辞めているが、「日本でこんなことがあるのはとても残念だ。中国ではありえない」と話した。
 また、別の特任研究員の女性も同じころ、研究室の上司から給与を増やす代わりに、口座への振り込みの半額を研究室に戻すよう強要された。しかし、女性は「不正ではないか」と思い拒絶。その数日後、再度「できないか」と尋ねられたが、改めて断ったという。
 女性の給与は当時約10万円だったが、こうしたやりとりのあった後の21年6月には約3万円に減額された。特任研究員の給与は時給制で、研究室が雇用条件を決める。女性は6月以降、1日1時間の勤務となった。
 女性は「上司には誰も逆らえない。私が従わないから、腹いせでやったのは明らかだ」と訴えている。
 この件で調査委員会を立ち上げた阪大は「給与が全額本人に支払われていなかったとすれば大きな問題。厳正に調査する」としている。▲

07/04 非正規差別・女性差別撤廃全国集会 @神戸

【7月4日 非正規差別・女性差別撤廃全国集会へ】

派遣法廃止せよ!
有期雇用=「解雇つき雇用」をうちやぶれ!

講演:
「介護・福祉職場の労働実態」
白崎朝子さん
(安全な労働と所得保障を求める女性介護労働者の会/著書『介護労働を生きる――公務員ヘルパーから派遣ヘルパーの22年』

◆日時:2010年7月4日(日)午後1時30分~4時30分
◆場所:神戸市立兵庫勤労市民センター 講習室
  JR[兵庫]駅北側、神戸高速[大開]駅南へ徒歩5分
◆集会内容:基調報告、講演、各地職場報告――介護職場の非正規女性労働者・官公労の派遣労働者・大学の非正規労働者からの報告
◆参加費:700円

■集会後、デモがあります。

***全国集会賛同カンパのお願い***
個人・団体とも一口1000円
郵便振込口座番号:00940-1-148754
加入者名:労働者女性解放集会実行委員会

「なくそう!官製ワーキングプア ~第2回反貧困集会~」

■公務員の雇い止めなくせ 非正規職員らが集会
 (2010/05/30 18:52『共同通信』)
http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010053001000479.html
低賃金で不安定な雇用状態に置かれている国や地方自治体の非正規職員の待遇改善を求める集会「なくそう! 官製ワーキングプア」が30日、都内で開かれ、国の非正規職員に対して導入の動きがある任期付き雇用に対し「雇い止めにつながる」とする反対アピールを採択した。
「日々雇用」と呼ばれる国の非正規職員は約2万5千人いるが、省庁などで補助的な事務に従事しており、フルタイムで勤務できるのに雇用契約は1日単位と不安定な立場に置かれている。
このため、人事院は最長で3年間勤務できる任期付き雇用制度を近く導入する方針だが、アピールは「(職員を)3年で使い捨て、失業に追い込むシステムとなる危険性が高い」と批判。1日雇用は廃止する一方で、任期を縛らない制度にするよう求めている。
集会には、全国から非正規職員ら約260人が参加。地方の参加者からは「国の動きに呼応して自治体の雇い止めも加速するのではないか」と懸念の声も出た。▲

■報告:「なくそう!官製ワーキングプア」第2回反貧困集会
 (Last modified on 2010-05-31 21:56:19 レイバーネット日本)

「特約付きで無期の雇用契約を結ぶ新しい正社員類型」

以下の記事、まず、タイトルがおかしいと思います。意味不明。
「特約付き」「正社員」という構想、契約終了の要件がちゃんと「客観的に合理的な理由」のみに限定されるのか(拡大解釈されてなし崩しにならないか)、次の就職までの生活保障がちゃんとセットでなされるか、が問題になると思います。

■【少子化連続インタビュー】(2・下) 佐藤博樹・東大教授 雇用の安定へ有期契約の正社員を
 (2010.5.23 07:00 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100523/plc1005230701004-n1.htm
▼(1/3ページ)
(【写真】佐藤博樹・東大社会科学研究所教授(桑原雄尚撮影))
【静かな有事・特別編】
 不安定な雇用に置かれる若者の増大は、未婚化に拍車をかけ、結果として少子化につながる。東大社会科学研究所の佐藤博樹教授は、企業が正社員をたくさん抱えられない時代の到来を指摘する。
 --不安定な雇用の若者が増えた
 「まずは雇用の量が増えないといけないのだが、正社員化で解決するかというとそう単純ではない。20年前に比べて一時的に雇用される非正規の数は今も昔もあまり変わっていない。増えているのは雇用が継続されている『常用非正規』だ。有期契約だけども仕事が続いている人たちが増えている」
 --なぜ増えているのか
 「例えばパートが典型。1年契約だが勤続5年や10年が多数いる。ではなぜ正社員にできないのか。パートはある特定の店舗で雇用されているわけだが、いつかこの店舗を閉める可能性がないとはいえない。もし無期の正社員にすると店舗を閉鎖するときに他の店舗に移動させないといけなくなる。つまり、正社員にするということはかなり長期の雇用関係を前提にすることになるわけだ。仕事の内容が変わっても、勤務する場所が変わっても雇用を維持することが会社に求められるが、そうした人材をたくさん抱え込めない時代になっている」
 --時代が変わったのか
 「経営環境の不確実性が高まり、経営の将来に関しての予測が立たなくなっている。そのため、長期の雇用関係を前提にして人材育成する正社員を最低限に絞り、足りないところを有期契約の社員や派遣などの外部人材の活用で対応することになってきている。ただ、有期契約の社員にもその店舗や仕事がある限りは長く勤めてもらいたいと企業は考えている。そのため『常用非正規』が増えている」
 --もう少し詳しく
 「こうした『常用非正規』の雇用の安定化のために、私は『特約付きで無期の雇用契約を結ぶ新しい正社員類型』を提案している。どういうことかというと、無期雇用だが店舗限定や業務限定の雇用で、店舗や業務がなくなったときには契約を解除できるような雇用契約だ」
▼(2/3ページ)
 --景気の影響は
 「正社員化という議論だけでは解決しないということだ。何で企業が非正規を増やしたかというと、安く人を使いたいとか景気が不安定だからではなくて、市場環境の不確実性の増大が原因だ。人材活用に関して予測が立たなくなっている。今この商品が売れていても5年後も売れているかは分からない。そうすると長期の雇用関係を結んで、自社で育成する人をそんなに抱えられなくなる」
 --この状況は続くのか
 「不確実性の増大は景気が回復しても続くだろう。市場環境が変化することは分かるが、どう変化するかが分からないから、長期の雇用関係を前提とした正社員はいざというときにも抱えられるように絞り込む。同時にそういう不確実な事態が起きても対応できる汎用性のある能力を持つ人でないと長期の雇用関係は結べなくなる。他方で、ワーク・ライフ・バランスが実現しにくい従来型の正社員の働き方を希望しない人も増えている」
 --今後、労働力人口が減るが
 「正社員と非正規の比率はあまり変わらないだろう。しかし必ずしも非正規イコール不安定というわけではない。正社員の働き方がいいかというと、いつも転勤して残業しているのがいいのかという話になる。ワーク・ライフ・バランスからいえば問題なわけで、減らさないといけない。他方、業務限定や店舗限定で定年まで雇えというのはなかなか難しい。店舗がある限りあるいは業務がある限りの雇用保障はできるが、そのバランスが重要だ」
 --民主党の少子化施策の評価は
 「全体のバランスでいうと、今度のビジョンも経済的支援、保育サービス、働き方の3つが柱とされているが、実際の施策を見ると、現金給付という子ども手当に財源の配分が偏っている。問題は保育サービスの財源がどうなるかだ」
▼(3/3ページ)
 --子ども手当については
 「子ども手当は1万3千円で、残りの1万3千円分(の財源)を保育サービスなどの現物給付に回すのが現実的だろう。この1万3千円分で必要な保育サービスの拡充などに必要な予算を十分カバーできる」
 --高校無償化は
 「公立ならば高校の学費はそんなに高くない。高いのは大学と保育園・幼稚園。大学の授業料がこんなに高いのは先進国でも珍しい方だ。ヨーロッパはイギリスを除けばだいたい無料だ。イギリスもサッチャー政権までは無料だった。アメリカは別だが、代わりに奨学金が多い。日本では学生の親に依存している」
 --ポイントがずれている
 「社会で子供を育てるという考え方は悪くないが、資源配分をバランスよくしないといけない。少子化対策は総合的にバランスよくやらないといけない」
 --このままやるとどうなる
 「配偶者控除をなくさなかったから、現実の施策を見ると、『女性は子供をたくさん産んで家にいろ』ということになるだろう。政策的にそっちに誘導しているといわれてもしようがない。子ども手当の導入に合わせて配偶者控除をなくすのならばよかったが、残してしまった」
 --その一方で女性の社会進出を主張している
 「そんなのは無理だ。意図とは別に、結果的にそういうふうに日本社会を持っていこうと思われてもしようがない」▲

「男性の非正規雇用労働者では、45・7%が失業の恐れを感じていた。」

■労働者生活調査:家庭の4割「赤字」 失業不安が増加
 (2010年5月19日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100519ddm012040003000c.html
 ◇食事減り、税金払えず、医者行けず
 労働組合系のシンクタンク「連合総合生活開発研究所」は、世帯収支が赤字の家庭が約4割などとする、4月に実施した労働者の生活調査結果を公表した。今春闘は多くの労組がベースアップゼロで終結したが、400万円未満の収入では6割が赤字になるなど、労働者の厳しい暮らし向きが浮かんだ。【東海林智】
 調査は01年から春と秋の年2回実施。今回は年齢や雇用形態を基に、首都圏と関西圏の900人を対象に調査し、573人から回答を得た。
 1年前に比べ賃金収入が「減った」と答えた人は35・6%で前年春調査より3・5ポイント増加。「失業不安を感じる」とした割合も23・9%で前年比0・4ポイント増加し、春調査分としては過去最高となった。特に男性の非正規雇用労働者では、45・7%が失業の恐れを感じていた。
 3年ぶり2度目の世帯収支調査では、収支が「赤字」との回答は38・7%で、前回比16・7ポイント増と大幅に増加した。特に、年収400万円未満では60・4%と赤字世帯が半数を超えた。
 回答者全員にこの1年間の状況を尋ねる質問では、「支出を控えている」とした人が7割を超えた。具体的には、「食事の回数を減らした」(6・5%)や「税金など払えず」(5・2%)、「医者にかかれなかった」(4・7%)などの苦境が挙げられた。非正規雇用の男性では20%が食事を減らし、31・4%が税金などを払えないとした。
 連合総研は「賃金が上がらず、家計が赤字となり支出を抑え、内需が冷え込むという負のスパイラルが表れている」と分析している。▲

『なくそう!官製ワーキングプア』

■官製ワーキングプア研究会編 20100515
『なくそう!官製ワーキングプア』,日本評論社

211p. ISBN-10: 4535556334 ISBN-13: 9784535556331 1680円
[amazon][kinokuniya]
【内容紹介】
公務・公共サービスにおける「貧困」を現場実態の紹介を通して明らかにし、解決へ向けての提言を行う。
【目次】
第1部 作られたワーキングプア
1 雇い止めと闘う非正規公務員
2 「常勤的非常勤」の怪
  ――アンケート調査から
3 「恒常的臨時職員」の怪
4 解雇と闘い職場復帰を勝ち取る
  ――中野区非常勤保育士解雇事件
5 非正規当事者からの声
第2部 公共サービスの貧困
6 利用者、住民の安全はどこへ?
  ――ふじみ野市営プール事故から
7 入札で際限のないダンピング競争
8 労働者の命を奪う
  ――下請け、孫請けの労災事故
9 サービスを向上させる条件に欠ける公共施設
10 指定管理者でサービスは向上するのか
第3部 官製ワーキングプアからの脱却
11 なぜアウトソーシングと直雇用非正規は拡大したのか?
12 重要情報満載!08年総務省「臨時・非常勤(全国)調査」を東京から検証する
13 国情研裁判から見通す訴訟の力と新しい運動
14 東村山市退職金訴訟判決を活用する
15 労組の闘い
16 何よりも安定した雇用を!
  ――ILO条約を活用する
17 公共サービスの貧困からの脱却
  ――公契約制度の活用と限界

京都新聞COM雇い止め訴訟の記事

■京都新聞子会社雇い止め訴訟
 (2010年05月19日 asahi.com>マイタウン>京都)
http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000001005190002
◆雇用継続命じる判決
 京都新聞社(中京区)の子会社2社で通算4年以上働いた契約社員の女性2人(34歳、44歳)が、契約更新を打ち切られたのは解雇権の乱用に当たるとして、地位保全などを求めた訴訟の判決が18日、京都地裁であった。大島真一裁判官は「原告が雇用が続くと期待したのには合理的な理由がある。更新の拒絶には社会通念上相当な理由が必要だ」として、子会社側に雇用の継続と判決確定までの給与支払いを命じた。
 判決によると、原告はそれぞれ2001年と04年、京都新聞社の広告や事業部門を請け負う子会社と雇用契約を結んだ。06年4月から、子会社の業務の一部を引き継いだ「京都新聞COM」(同区)に移籍して1年ごとに契約を更新したが、09年3月末で契約を打ち切られた。
 大島裁判官は、原告らの二つの子会社での業務内容は変わらず、勤務場所も京都新聞の社屋だったことから、移籍前と後で勤務は継続し、勤続年数はそれぞれ7年と4年にわたると判断。原告らが契約が続くと期待する合理的な理由があったと指摘した。
 裁判で、COM社は原告らの移籍時に「3年を超えて契約更新をしない」と説明したと主張したが、判決は「説明は不十分で周知されていたとは認められない」と判断した。▲

■京都新聞子会社の雇い止め訴訟:契約社員の請求認める--地裁判決 /京都
 (2010年5月19日『毎日新聞』京都版)
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20100519ddlk26040575000c.html
 京都新聞社の子会社「京都新聞COM」(京都市中京区)を雇い止めになった契約社員2人が、同社に地位確認や未払い賃金の支払いを求めた訴訟の判決が18日、京都地裁であった。大島真一裁判官は「更新を拒絶する合理的な理由がない」と述べ、2人の請求を認めた。
 訴えていたのは34歳と44歳の女性。判決によると、それぞれ01年と04年、京都新聞社の子会社である京都新聞企画事業に採用された。1年ごとに契約更新し、06年に設立されたCOM社に移籍。09年6月、10年3月末での契約終了を通告された。
 COM社は「契約社員は3年を超えて更新されないというルールがある」と主張。しかし、2人の基本給は企画事業在籍時から通算して支払われており、判決では「企画事業とCOM社での勤務は継続していた」と結論づけた。【古屋敷尚子】▲

■未払い賃金支払い命令 京都新聞子会社に
 (2010年5月19日 『産経関西』[関西の社会ニュース])
http://www.sankei-kansai.com/2010/05/19/20100519-024016.php
 京都新聞社の子会社「京都新聞COM」(京都市)から雇い止めされた女性2人が突然の契約終了は不当として、COM社に対し、社員としての地位確認などを求めた訴訟の判決が18日、京都地裁であった。大島眞一裁判官は地位確認を認め、同社に未払い賃金などの支払いを命じた。
 判決理由で、大島裁判官は、2人の契約の更新回数が4-10回に及んでいることや、業務が誰でも行える補助的な仕事ではないことなどをあげ「契約の更新を期待することに合理性がある」と述べた。
 また、「京都新聞社には、契約社員などについて3年を超えて契約更新しない『3年ルール』があり、原告にも周知されていた」とのCOM社側の主張に対して、「原告への説明が不十分だった」と退けた。
 判決によると、2人は平成13年と16年、京都新聞社の別の子会社に1年単位の有期雇用契約で採用。18年のCOM社設立時に移籍し、更新を続けたが、21年3月に雇い止めされた。
 判決を受けて、COM社は「判決の内容を精査して対応を考えたい」としている。
(2010年5月19日 08:13)▲

■契約社員の雇い止め無効――京都地裁 京都新聞COM
(2010年05月18日(火)『京都新聞』)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100518000186&genre=D1&area=K00
 京都新聞社(京都市中京区)の子会社「京都新聞COM」(同)の契約社員2人が契約更新を不当に打ち切られたとして、地位確認などを求めた訴訟の判決が18日、京都地裁であり、大島眞一裁判官は「継続雇用の期待があり、雇い止めは無効」として、2人の契約社員としての地位を確認し、COM社に雇い止め以降の賃金全額の支払いを命じた。
 ■賃金支払い命令
 判決によると、2人は京都新聞社の別の子会社に採用され、COM社に移籍した2006年以降を含めて契約を更新してきたが、移籍後丸3年の09年3月末で雇い止めになった。
 大島裁判官は、業務実態をふまえて「別会社時代から雇用は継続していた」と判断し、「雇用期間は7年9カ月、4年11カ月に及び、更新への期待は合理性がある」とした。
 「3年を超えて契約更新しないルールがあった」とのCOM社の主張については、「ルールはあったが、徹底されておらず、説明も不十分」と退けた。▲

■京都新聞COMに雇い止め無効判決
 (2010年5月18日 20:34 京都民報Web[労働])
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2010/05/18/post_6857.php
 京都新聞社のグループ会社「京都新聞COM」(京都市中京区)で契約社員として働いていた女性2人が、雇い止めは不当として提訴していた訴訟で 18日、京都地裁(大島眞一裁判長)は雇い止め無効の判決を下しました。
 2人は、同新聞社グループの別会社から06年に設立された同社に異動し、1年契約を更新しながら勤務してきましたが、昨年3月末に雇い止めされました。
 判決では、2人が同社と別子会社に連続して勤務し、契約が長期になる下で一方的な解雇は許されないとする主張が認められました。
 判決後、京都弁護士会館で報告集会が開かれ支援者ら80人が参加。8年間連続勤務してきた原告は、「うれしい結果となって本当によかった。会社には職場復帰を求めていく」と語り、5年勤務の原告は「組合に私らの声をひろっていただいて感謝している。このたたかいで自分も成長できた」と笑みを浮かべました。
 京都新聞労働組合の稲庭篤委員長は、「法廷で勝利できたことは2人があきらめなかったから。これから2人を職場にもどすたたかいをがんばろう」と呼びかけました。
 京都第一法律事務所の村山晃弁護士は、原告の判決確定までの仮処分が大阪高裁まで勝利し続けてきた経緯を説明。「会社の主張が認められなかったのは4度目。今度こそ過ちを認め2人を再雇用し、社会的責任を果たせ」と訴えました。▲

■「契約社員雇い止めは無効」 京都新聞子会社に未払い賃金支払い命令 京都地裁
 (2010.5.18 19:37 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100518/trl1005181937013-n1.htm
 京都新聞の子会社「京都新聞COM」から雇い止めされた女性契約社員2人が社員としての地位確認などを求めた訴訟の判決で、京都地裁は18日、2人の訴えを認め、COM社に未払い賃金などの支払いを命じた。
 大島真一裁判官は、2人が継続する業務を担当しており「契約更新を期待する合理的理由があった」と指摘。3年を超えて契約更新しないとしたCOM社などの「3年ルール」についても「原告らへの説明が不十分だった」と判断した。
 判決によると、2人は平成18年に京都新聞の別の子会社からCOM社に移籍したが、21年3月に雇い止めされた。
 COM社は「判決の内容を精査して対応を考えたい」としている。▲

京都新聞COM社雇い止め訴訟、完璧な勝訴!

速報 京都地裁 勝利!
判決「雇い止め無効」雇用契約認める
京都新聞COM社契約社員の雇い止め訴訟で、京都地裁(大島眞一裁判官)は18日、「雇い止めは無効で、現在も契約社員の地位にある」として原告2人の雇用契約を認める判決を下した。」
http://kyoto-np.org/article/38242788.html

予想通りのすばらしい結果です! おめでとうございます!
この勝訴は今後とても大きな意味をもつものになるでしょう(そう、私たちの運動にとっても)。
あとは京都新聞COM社が控訴せずに、きちんと判決を受け入れることを強く願うばかりです。

「レイバーネットTV:労働問題、ネット番組に」

■レイバーネットTV:労働問題、ネット番組に 市民グループが月1回1時間
 (2010年5月17日『毎日新聞』東京夕刊)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100517dde041040021000c.html
 ◇「埋もれた情報に光を」
 昔ガリ版、今ネット--。労働に関する情報をインターネットで発信している市民グループ「レイバーネット日本」が17日夜、動画をオンライン放映する「レイバーネットTV」をスタートする。参院選を前に政党のオンラインTVなども始まっているが、労働問題の専門番組はネット上では初の企画ではという。質問に答えるコーナーの生中継も実施。ネットメディアをビラ代わりに「埋もれている情報に光を当てたい」と意気込んでいる。【東海林智】
 レイバーネット日本は、労働者の現状や労組の情報を共有しようと01年に設立された。メンバーには労組員の他にビデオジャーナリストなど映像に携わる人も多く、集会の様子などを録画した情報も発信してきた。
 初回となる17日の放映は、午後8時から1時間。大手メディアでは取り上げられることの少ない現場の情報を市民の視点で紹介するのがコンセプトだ。動画配信サイト「USTREAM(ユーストリーム)」を使って配信する。
 若手労働者から寄せられた質問に、古参の労組員が答える「教えて、おじさん」を生中継。残業代が支払われない、セクハラがひどいなど「不満自慢」のコーナーでは、寄せられた情報を即興で川柳や替え歌にして激励するなどユニークな試みも行う。
 今後も月1回放映予定で、番組内で視聴者との双方向のやり取りを図る。レイバーネット日本の共同代表の松原明さんは「市民メディアならではの視点で情報発信したい。雇用情勢が厳しい中で、働き方を考える刺激になれば」と話している。問い合わせはレイバーネット日本(03・3530・8588)へ。番組の視聴はhttp://www.labornetjp.org/tv

「女性のメーデー」記事

■写真速報 : にぎやかに女性メーデー
 (『レイバーネット日本』Last modified on 2010-05-17 12:18:24)
http://www.labornetjp.org/news/2010/0516josei
5月16日(日)午後3時、東京渋谷の街に女性たちのにぎやかな声が響き渡った。女性が安心して生きられる社会、安心して働ける社会をめざし、「女性メーデー」が「女が歩く・女が動くメーデー」としておこなわれた。形式ばった「あいさつ」などはなく、替え歌で「♪派遣法をぶっ潰せ!」「♪TRAIN  TRAIN 走ってゆけ 」「♪武器より歌を!」などと歌ったり、「女の声を聞け!」「女の労働を安く使うな!」など41項目のシュプレヒコールで楽しく行進した。沿道の関心も高く「『男は男社会と向き合え』って言ってるよ」などの話し声が聞こえた。「パートに有給を取らせろ!」「セクハラをやめろー!」「おばさんと呼ぶな!名前でよべー!」 「やさしさを強要するなー!」などなど実に痛快なデモだった。(尾澤邦子)▲

■非正規雇用:「派遣法改正を」若者と女性が集会
 (2010年5月16日19時48分(最終更新5月16日20時54分)『毎日新聞』>話題)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100517k0000m040042000c.html
(【写真】非正規雇用の問題や新氷河期の就職問題を訴えるためデモ行進する若年労働者や学生ら=東京都新宿区で2010年5月16日午後3時59分、塩入正夫撮影)
 失業率の改善が進まない中、2人に1人が非正規雇用で働くとされる若者と女性の集会が16日、東京都内でそれぞれ開かれた。労働者派遣法改正の審議が進まず、今国会での改正が厳しい情勢だが、両集会では「きちんと審議を」「抜本改正を」と善処を求める声が相次いだ。【東海林智、市川明代】
 新宿区の明治公園であった「全国青年大集会2010」(全労連青年部などで作る実行委員会主催)には、5200人(主催者発表)の若者が参加。自動車メーカーや電機会社で派遣労働者として働き雇い止めに遭った人や就職活動に苦労する大学生、高校生が体験を語った。定時制高校2年の小松耀さん(16)は「50回も面接に落ち、学費も払えず退学寸前になった。安定した仕事がほしい」と訴えた。
 来賓としてあいさつした反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児弁護士は「貧困は社会問題と同時に人権問題。労組、市民団体など多様な団体が手を結び解決しよう」と呼び掛けた。参加した求職中の元派遣労働者(35)は「派遣法改正の成立が難しいと聞き、腹が立つ。問題のある派遣制度を放置するのか」と怒りをあらわにした。
 ◇「パートのおばさんと呼ぶな」
 一方、渋谷区では「女性と貧困ネットワーク」が「女性のメーデー」を初めて開催。渋谷駅近くから恵比寿駅前まで約3キロをデモ行進した。
(【写真】シュプレヒコールを上げる女性たち=東京都渋谷区で2010年5月16日、市川明代撮影)
 約50人が参加。「パートのおばさんと呼ぶな」「ケアワーカーはボランティアじゃない」「女を安く使うな」と、男性社会に「分断」されてきた女性の思いをシュプレヒコールに託した。長時間労働で体を壊し、その後別の会社で派遣切りされたという女性(36)は「女は派遣で当然という扱いだった。人間らしい働き方を求めたい」と話した。▲

「低所得世帯 再配分機能が弱いゆえに」

■低所得世帯 再配分機能が弱いゆえに
 (2010/04/18付『西日本新聞』朝刊社説)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/166148
 貧困問題が深刻さを増しているという。背景には日本経済の長い停滞と過去に例のない急速な高齢化の進行がある。
 そして、社会構造の変化に追いつけない既存の制度がある。変える努力がなされてはいるが一筋縄ではいかない。
 生活保護基準を下回る低所得世帯数が全国で229万世帯に上り、全世帯の4・8%を占めた。その数に少し驚いた。
 厚生労働省が初めて推計した。2007年国民生活基礎調査を基に(1)月額の所得が生活保護の最低生活費を下回る(2)現在貯蓄高が最低生活費の1カ月未満-の条件に当てはまる世帯数を算出した。
 全国消費実態調査を基にした推計も行い、こちらは45万世帯となった。これは少なすぎるというのが実感だ。
 ただ、数だけが問題なのではない。親から子どもへと引き継がれ、容易に抜け出せない貧困の連鎖が起きているのではないか、との声が強まっているのだ。
 日本にもかつて高度経済成長期があった。若い世代は信じ難いかもしれない。国民すべてが同じではなかったが、誰もが、それなりに暮らしは便利に豊かになって「一億総中流」意識が生まれた。
 それが、1990年代から経済の停滞によって崩れた。格差が強く意識され「勝ち組」「負け組」の言葉を生んだ。
 高齢社会の到来も大きい。公的年金の受給額、不動産など資産の有無、貯蓄の多寡など高齢者ほど個人差が大きい。
 男女の賃金格差もなかなか縮まらず、多くの母子家庭は低収入に苦しむ。
 いったん困難な状況に陥ると、個人の努力だけではいかんとも解決し難い。
 そのとき、経済格差を緩和する役割を果たすのが、国の政策、制度である。
 一つは税金だ。高所得者からは税金を多く、少ない人は少額を納めてもらう。格差を緩和する税の所得再配分機能といわれる。欧米では、低所得者向けに減税と給付金支給を合わせた制度もある。
 しかし、昨夏発表された内閣府の経済財政白書も指摘したように、日本の税制は再配分機能が極めて弱い。低所得者層では欧米諸国に比べて公的負担は重く、公的給付は少ない状態に置かれている。
 所得が低い割には税金や社会保険料の負担が重い。これは若い世代が中心だ。だから、子ども手当という手厚い給付金で直接支援するとの考え方もとれる。
 ただ、私たちは昨年末、財源を考えて制度設計の見直しを求めた。いま、導入を急ぎすぎたとの批判も出ている。
 最低賃金の引き上げ、正規・非正規労働や男女にかかわらず「同一労働同一賃金」の徹底なども底上げには有効だ。
 これらの課題は以前から指摘されてきたことだ。しかし、なかなか進まない。旧来の制度をすべて壊し、一から積み直すぐらいのパワーが必要だと思うが、いまの政治にはその力が感じられない。
 個人では破れない社会の壁を一刻も早く取り去り、新しい風を入れないと、日本社会の活力は低下するばかりだ。▲

「賃金格差を解消した広島電鉄の試みが注目されています」

■働くナビ:賃金格差を解消した広島電鉄の試みが注目されています。
 (2010年5月10日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/life/job/news/20100510ddm013100028000c.html
 ◆賃金格差を解消した広島電鉄の試みが注目されています。
 ◇契約社員を正規雇用 一部賃下げ/定年延長で生涯賃金増
 広島県内で路面電車や路線バスを運行する広島電鉄(本社・広島市、約1300人)は昨年10月、契約社員150人の正社員化を実施し賃金体系を一本化した。一部ベテラン社員は賃下げとなったが、同じ職場で働く人たちの賃金格差を解消した試みとして注目されている。
 バス運転手、中川良二さん(29)は08年4月に契約社員として入社。基本給は22万6000円。雇用契約は1年更新で、ボーナスは正社員の約半分。正社員に支払われる経験・年齢給や退職金はなかった。
 正社員となった新しい賃金表では、基本給は21万円に下がったものの、無事故手当など各種手当がつくため、月々の手取りはほとんど変わらない。ボーナスが倍以上に増えたため、年収は40万~50万円のアップとなる見込みだ。中川さんは昨年初めに結婚したばかり。「(賃下げになった)ベテランの正社員には申し訳ない気持ちですが、自宅購入も夢ではないなという気持ちがわいてきました」と話す。
     ◇
 広島電鉄は01年度から運転職に契約社員制度を導入した。04年からは勤めてから3年後に正社員に登用する制度を導入したものの「正社員2」と呼ばれ、正社員とは区別されていた。退職金や各種手当など条件面は契約社員から変更がなく、違うのは定年まで働けるというぐらいだった。
 転機が訪れたのは06年末。会社と労働組合が賃金体系の見直しで基本合意した。「契約社員と正社員2の割合はあと10年もたてば正社員と逆転し、社員全員が契約社員になるかもしれないという危機感があった」と佐古正明・同社労働組合委員長(49)は振り返る。
 ただ具体的な賃金体系の見直しは難航した。正社員化と賃金体系見直しで労使が合意できたのは基本合意から2年以上が過ぎた昨年3月だった。
 見直しによって、契約社員と正社員2の約300人は年収がアップし退職金も出るようになった。ベテラン正社員の約100人は最大で月5万円の賃下げとなるが、賃下げは10年かけて行う激変緩和措置を導入。さらに60歳定年を65歳に延長し、賃下げとなるベテラン正社員も生涯賃金は上がるようにした。これまでの再雇用制度に比べ、年収で150万~200万円は上がるという。
 正社員化によって会社側の人件費は年3億円以上の負担増となった。交渉を担当した椋田昌夫・同社常務は「会社と労組は車の両輪。(正社員化は)安定した職場の維持と安全運行のための投資」と話している。【有田浩子】
 ◇ユニクロでも3000人
 ここ数年、優秀な人材確保などを目的に非正規から正社員に転換・登用する企業も目立ち始めた。08年4月から施行されたパート労働法が正社員への転換を企業に義務づけたことなど規制強化が進んでいることも背景にある。
 07年3月、ユニクロは約2万2000人の非正規社員のうち、一定の業務水準に達した社員を転勤を伴わない正社員に登用すると発表。これまでに約3000人が正社員に登用されている。また段ボール最大手のレンゴーは09年4月、国内工場で働く約1000人の派遣社員を一斉に正社員化した。派遣期間の上限(3年)を順次迎えるなかで、優秀な社員を継続雇用するためだった。
 労働政策研究・研修機構の荻野登・調査・解析部次長は「企業にとってコスト増の懸念はあるものの、意欲や能力の高い人材を見極めることができる」と分析する。▲

民主党「格差是正へ雇用基本法」

■格差是正へ雇用基本法=参院選公約に盛り込み検討-民主党
 (2010/05/07-22:56 時事ドットコム)
 民主党は7日、正社員と非正規社員の格差是正などを目的とする雇用基本法(仮称)の制定を、参院選マニフェスト(政権公約)に盛り込む方向で本格的な検討に入った。国が同法に基づいて雇用基本計画を策定し、雇用に対する国、自治体、企業の責務を明確化するのが狙い。
 党の参院選マニフェストに関する研究会が同日まとめた報告書で明らかにした。報告書は派遣など有期雇用を含めた公正な働き方や、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の確保などを基本施策として打ち出すよう求めている。 
 報告書はまた、厳しい雇用情勢に対応するため、長期失業者らを対象に就労と生活再建へ向けマンツーマンで支援する「パーソナルサポーター」制度を導入すると明記。仕事と住まいを同時に失った失業者への住宅手当を、恒久的制度として法制化することもうたった。
 さらに、失業者流入で生活保護費が急増する大都市の財政負担を軽減するため、自治体と国の拠出による「社会的包摂基金」(仮称)を創設するとした。生活保護の対象者が住居不定の場合、基金が一定期間負担し、自治体同士が押し付け合う状況を改善する。▲(下線は引用者)

日本労働弁護団による「有期労働契約研究会の中間取りまとめ」に対する意見

■「有期労働契約研究会の中間取りまとめ」に対する意見
2010年4月30日 日本労働弁護団(幹事長 水口洋介)
http://roudou-bengodan.org/proposal/detail/20100430.php

★これはぜひ読んでください!
「そこ、よく言ってくれました!」という箇所がたくさん。
すばらしいお仕事です。
これを受けて、私たちもがんばらねば、ですね。

「正社員との均衡待遇促進につとめたい」(群馬県)

■非正規労働者、過半数が待遇不満 事業者側は長期活用望む 群馬
 (2010年5月4日02:21 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/gunma/100504/gnm1005040222000-n1.htm
 群馬県は、不安定な労働環境下にある非正規労働者の実態を調べた「雇用状況調査」結果を発表した。それによると、事業者側の半数が非正規労働者の長期的な活用を望む一方、正社員との待遇差に不満を感じる非正規労働者は半数以上にのぼった。県労働政策課は「非正規労働者の数は増えている状況。正社員との均衡待遇促進につとめたい」としている。
 調査は、昨年11~12月にかけて、無作為に抽出した県内の1000事業所と、そこで働く非正規労働者4000人を対象に実施。回収率は44・6%(446事業所)、16・3%(653人)だった。
 同課によると、非正規労働者を長期的に活用したい事業所は、「ぜひ活用したい」(22・9%)と「機会があれば活用したい」(27・1%)を合わせて5割で、「どちらとも言えない」が27・4%。雇用上の問題点としては、「仕事に対する責任感が弱い」(46・9%)が最も多かった。
 一方、正社員との格差感の有無について、「よくある」(23・4%)、「ときどきある」(31・5%)で合計54・9%。だが、正社員への就業や技術向上に取り組んでいる非正規労働者は少なく、「特に取り組んでいない」(69・2%)が7割近くに上った。
 また、処遇格差改善で必要と考えることについて、事業所側では「正社員への転換制度」(20・9%)が、労働者側では「昇進、昇給」(32・0%)が最も多かった。▲

「子育て女性再就職“超氷河”」

■子育て女性再就職“超氷河” 正社員採用の5% 06年から3年間県内調査
 (2010年4月30日『東京新聞』[神奈川])
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20100430/CK2010043002000071.html
 二〇〇六年からの三年間に県内事業所が採用した女性正社員のうち、子育て女性がわずか5%だったことが、県立かながわ女性センター(藤沢市)の調査で分かった。子育て女性を採用した事業所数も全体の26%にとどまり、出産などでいったん仕事を辞めた女性の再就職の難しさが浮き彫りとなった。
 調査は県内の事業所と、事業所に正社員として再就職した子育て女性の双方を対象に実施し、八百四十二事業所と三百九十一人が回答した。
 全事業所が、三年間で採用した女性職員は計九千八百八十一人だが、子育て女性を採用した事業所は二百二十二カ所にとどまり、採用数もわずか四百五十四人だった。
 事業所規模別では、従業員数五~四十九人の事業所の子育て女性の採用割合が14%であるのに対し、五十~二百九十九人は8%、三百人以上はわずか2%で、子育て女性の再就職は小規模企業に偏りがち。ただ、事業所の53%は「子育て中であることと採用とは関係ない」としている。
 一方、子育て女性に再就職の動機を尋ねたところ、84%が「生活のため」と回答。このうち「離婚」32%、「夫の失業、収入減」12%など、夫に頼れないため働きに出る女性も少なくなかった。
 このほか、女性の多くが保育園の増設、学童保育の拡充など、子どもの預け先確保に関する要望を挙げた。
 (中山高志)▲

調査資料「平成22年版 パートタイマー白書」

■アイデム、調査資料「平成22年版 パートタイマー白書」を発表
 (2010年4月27日『日経プレスリリース』)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=250266&lindID=5
*パートタイマー白書の全文は、アイデム人と仕事研究所のホームページ(http://apj.aidem.co.jp)でも、期間限定(2010年7月31日まで)で見られます。
「【パートタイマー白書 概要】
1 主婦パートの半数は就労調整していない
 主婦パートのうち、自身の収入に「上限を設けている」としたのは約半数の50.5%、このうち、いわゆる「103万円の壁」、つまり所得税の非課税限度額や配偶者控除を意識しているのは41.0%、主婦パート全体の2割に過ぎない結果となった。一方、企業に「103万円以内で働いている主婦パートの割合」を聞いたところ、「10割」という回答が28.8%で最も多くなった。「主婦パート=103万円以内で働く人たち」という固定観念が働いているのか、主婦パートの残り半数(49.5%)は収入に上限を設けていないという実態とのギャップが浮き彫りになっている。
2 「子供」が主婦パートの働き方に大きく影響
 主婦パートの「正社員」への就労意向は33.0%にとどまっている。ところが、同じ正社員でも勤務時間の短い「短時間正社員」への就労意向は59.7%と高くなっており、主婦パートが、正社員として働くことに魅力を感じつつも、労働時間の長さがネックとなっている状況が見てとれる。
 「今後の働き方」について「(税制や社会保険制度が変更されたと仮定し)収入を制限する必要がなくなった場合」、「子供が成長した場合」、「親の介護・看護の必要がなくなった場合」で比較すると、「子供が成長した場合」において、働く意欲が強く表れる傾向にあった。
 主婦の社会進出を阻む要因として税制や社会保険制度があるとされるが、これと同様に「子育て」も、主婦の働き方を決定づける大きな要因となっている。
3 進む高学歴化。主婦パートの9割に「正社員経験あり」
 主婦パート個人の経歴・学歴を見ると、最終学歴は高校卒が34.2%と最も多いが、大学卒も19.4%であった。
 大学進学率は1987年以降急上昇しており、今後は大学卒の主婦パートがさらに増えることが予想される。
 正社員で働いた経験は、主婦パートの91.6%にあった。企業が正社員経験に期待するものとして挙げた「基礎的な実務能力」や「一般常識・教養」について、主婦パートは、自身が正社員として働いていたときにこれらを得たとしている。にもかかわらず、企業は、主婦パートを採用する際に、中途採用の正社員を採用するときほど、その正社員経験を重視していない。
 能力の発揮については、「現在の仕事において能力が発揮できている」と回答したのは全体で60.4%となったが、これを「正社員時と同じ職種に現在も従事している」主婦パートに限ってみると、67.8%に増える。このことからも、正社員時の実務経験が現在の仕事に活きている様子がうかがえる。
4 変化をとらえ、企業力を高める戦力に
 主婦パートの高学歴化、正社員としての経験や能力を蓄積してきているにもかかわらず、企業が主婦パートに任せている仕事は、単純作業などを多く含む定型的業務の比重が高くなっている。一方、今後主婦パートが正社員の仕事を担っていくことは可能かについて、「可能だと思う」「どちらかといえば可能だと思う」と回答した企業が合わせて47.4%であったことから、主婦パートの力を活かしきれていない実態がうかがえる。
 正社員の仕事を整理し、それを主婦パートにうまく振り分けていくことで、主婦パートの能力をさらに活かしていけるかもしれない。」

「有期雇用は、労働者をまるで賞味期限がある食べ物のように扱う」

■「子の寝顔に奮起誓う日々」
 (2010年5月2日『読売新聞』大阪版)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20100502-OYT8T00053.htm
◇メーデー 労働者ら訴え切実
(【写真】連合大阪のメーデー集会に集まった参加者(大阪城公園で))
 メーデーの1日、大阪市内で開かれた各団体の集会には働く人だけでなく、職を失った人たちも参加。苦境に立たされた暮らしぶりや行く末への不安の声も聞かれた。
 大阪城公園(中央区)での連合大阪の大会に参加した労働金庫勤務の男性(24)は「派遣切りの影響で生活資金の融資を求める相談が増えた。正社員を望む人に、もっと門戸が開かれるべきだ」と擁護した。
 「生命保険は解約したが住宅ローンの支払いで頭が痛い」。大阪労連が扇町公園(北区)で開いた大会では、2月に1年契約のバス運転手を一方的に解雇されたという茨木市内の男性(45)が「貯金も減り、妻から車を売るよう迫られた。夜中には必ず1度は目が覚め、子供の寝顔を見ては『頑張らないと』と気を奮い立たせている」。
 中之島公園(同)では、大阪全労協や地域ユニオンの外国人労働者ら約1000人(主催者発表)で「競争より共生の社会を!」とアピール。1年契約の大学職員を3月末で雇い止めにされ、体調を崩したという神戸市内の女性(36)は「有期雇用は、労働者をまるで賞味期限がある食べ物のように扱う」と憤った。▲

「非正規労働 人への投資こそ大切だ」

■非正規労働 人への投資こそ大切だ(5月4日)
 (2010年5月4日『北海道新聞』社説)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/229481.html
 処遇改善の手がなかなか届かない。それが非正規労働者の置かれた状況だろう。今年のメーデーでもパートや派遣などで働く人たちが厳しい実態を訴えた。
 今春闘で連合は取り組みの対象をすべての労働者に広げた。昨年より5割多い3千余りの傘下労組が非正規のための要求などを掲げている。
 しかし壁は厚い。パートの時間給に関しては、引き上げの回答を得たのは1割強にとどまる。北海道でも「ゼロ回答」の苦戦が続いている。
 正社員の賃上げもままならないのに非正規までの余裕はない。それが企業側の言い分のようだ。
 とはいえ人材こそ企業の力だ。人への投資を抑えてばかりでは成長の基盤を損なうことになりかねない。
 非正規はいまや働く人の3人に1人を占める。なかでも北海道は36・6%と地域別で最も割合が高い。
 これほど増えたのは企業にとって安い賃金で、雇用調整にも使える労働力だからにほかならない。労働規制の緩和という後押しもあった。
 そうしたなか、あぶり出された問題がある。正社員が非正規に置き換えられるにつれ、職能訓練が十分に施されない労働者が増えたことだ。
 15~24歳の世代を見ると、働く人のうち非正規の占める割合は45・0%に達している。限られた職責や雇用期間では能力を高めたり、職歴を積んだりすることは難しい。
 10年後、20年後にこうした若年層が働く人の中心的な世代となる。とすれば企業、ひいては産業全体の力が保てるのかどうか。
 人件費を削減して国際競争力を高める。それが非正規を増やす狙いだった。働く人をそのための手だてとしか扱わないというのでは、かえって肝心の競争力を失いかねない。
 雇用情勢が悪化するなかで、安全網の整備や再就職支援の充実が急がれる。国会で審議中の労働者派遣法の改正も実現すれば、雇用の安定には一歩前進とはなるだろう。
 いま併せて考えねばならないのは人材をどう育てるかである。
 政府は昨年末の経済成長戦略の基本方針に「社会全体で人材育成を行う」と明記した。問われるのは、その具体的な道筋だ。
 機械化さえすれば利益が増えるという時代ではない。企画力や開発力、独自の技術で市場を切り開くことが求められている。
 企業が培ってきた力を、いかに世代を超えて引き継ぐかが大事になる。そのためには、長期で安定した雇用を基本に据えるべきだろう。
 非正規の処遇を改善し、正社員への切り替えを図る。将来の雇用のあり方を見据えながら、その方策を政労使で真剣に考えるときである。▲

厚生労働省「非正規労働者の雇止め等の状況について~4月報告:速報~」

■非正規労働者の雇止め等の状況について
     ~4月報告:速報~

 (平成22年4月30日 厚生労働省報道発表資料)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000005y35.html
「 今回の集計結果は、全国の労働局及び公共職業安定所が、非正規労働者の雇止め等の状況について、事業所に対する任意の聞き取り等により把握した状況をまとめたものである。
 なお、この報告は、労働局やハローワークの通常業務において入手し得た情報に基づき、可能な範囲で事業所に対して任意の聞き取りを行っているため、全ての離職事例やその詳細を把握できたものではない。特に、今後の雇止め等の予定として把握されたものについては、対象労働者が未定であること等により、現時点で把握が難しい項目があることにも留意が必要である。
 また、1月報告より、前回報告以降に新たに把握できた雇止め等の状況についてまとめたものに変更している。」

非正規メーデー(京都/札幌)

■追いつめる社会に“ノー” 非正規労働者ら京でメーデーパレード
 (2010年4月30日『京都新聞』)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100429000145&genre=C4&area=K00
(【写真】河原町通をパレードする非正規雇用で働く人たち(京都市下京区))
 非正規労働者や仕事がない人たちが29日、京都市下京区河原町通仏光寺から中京区の京都市役所までパレード「逃散や不服従メーデー」を行った。参加した約150人は、「働けと人を追いつめる社会から逃げ出そう」などと呼び掛けた。
 パレードは、関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち、京都大学時間雇用職員組合ユニオン・エクスタシーなどが主催し、メーデーとして開くのは3回目。
 パレードは、車いすの障害者や生活保護を受けている人たちも参加し、大きな人形や音楽とともに河原町通を行進した。ユニオンぼちぼちの橋口昌治さんは「祝日だが働く機会を奪われている人もいる。労働問題で苦しんでいるさまざな人たちに思いを訴えたい」と話した。▲

■札幌で「連帯メーデー」 障害者や非正規労働者らが参加
 (2010年4月30日09:09『北海道新聞』道内)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/228885.html
(【写真】障害者や非正規労働者が生きる権利を訴えたデモ=29日、札幌市中央区)
 障害者やパートなどの非正規労働者らが参加して「自由と生存の連帯メーデーin札幌」が29日、札幌市中央区で行われた。「私たちはここにいる!」をスローガンに、約100人が生きる権利を訴えた。
 低賃金による生活苦など、生きづらさを抱える人たちが存在をアピールし、連帯しようと、市民団体「札幌働く人の家」などでつくる実行委(鳥居明子代表)が企画した。
 今年で3回目。大通公園で開かれた集会では参加団体がブースを設け、チラシを配り厳しい雇用情勢などを訴えた。この後、音楽をかけてにぎやかに行進する「サウンドデモ」が大通公園周辺で行われ、参加者は「給料上げろ」「地方は仕事がないぞ」と書かれたメッセージボードを掲げながら、「雇い止め反対」などと訴えた。▲

「非正規労働者 27万人余失職」

■非正規労働者 27万人余失職
 (2010年4月30日9時13分 NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100430/t10014174621000.html
契約の打ち切りなどによって、おととし10月以降に仕事を失った非正規雇用の労働者は、全国で27万5000人余りに上ることが厚生労働省の調査でわかりました。
厚生労働省は、景気の悪化に伴う人員削減の計画を把握するため、全国の企業を対象に聞き取り調査を行っています。それによりますと、おととし10月からことし6月末までに、契約を打ち切られて解雇されたり期間満了で仕事を失ったりする非正規雇用の労働者は、今月20日の時点で27万5014人に上り、先月よりも5224人増えました。内訳を見ますと、派遣労働者が14万8957人、期間従業員が6万4646人、請負労働者が2万1262人などとなっています。都道府県別では、最も多い愛知が4万5013人、次いで東京が1万6380人、長野が1万1249人、静岡が1万1246人、神奈川が9536人となっています。また、仕事を失った非正規雇用の労働者で調査が可能だった12万9432人のうち、再就職できたのは全体の58.7%にあたる7万5956人にとどまっています。一方、正社員で、おととし10月からことし6月末までに仕事を失う人は一度に100人以上、仕事を失うケースをまとめただけでも全国で6万6060人と先月よりも1884人増加し、依然として厳しい雇用情勢が続いています。▲

「非正規労働者の待遇改善は労組の役割を厳しく問うている」

■メーデー 祭典に水差す政権迷走
 (2010年4月29日『中日新聞』[社説])
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2010042902000030.html
 連合は二十九日、全労連は来月一日に東京・代々木公園でメーデー中央大会をそれぞれ開催する。政権交代後初めての祭典だが政治の迷走ぶりに水を差された形だ。足元固めを忘れてはいけない。
 連合の中央大会では鳩山由紀夫首相をはじめ政権与党の首脳があいさつに立ち、例年になく華やかな雰囲気に包まれるはずだ。すべての労働者の雇用と生活を守り希望の持てる社会の実現を目指す。そして「参議院選挙での必勝」を訴える。
 連合はすでに参院選での選挙区候補者四十五人の推薦を決めている。選挙協力を強め政権の基盤を強化する姿勢に揺るぎはない。
 だが、ここにきて微妙な変化も見える。鳩山首相、小沢一郎民主党幹事長のトップ二人の政治資金問題や米軍普天間飛行場の移設問題、高速道路料金をめぐる政府と与党との対立など地方組合員には失望と困惑が広がっている。
 報道機関の内閣支持率が軒並み20~30%台に急落していることもいら立ちの材料だ。この際、政権運営やマニフェスト(政権公約)見直しを進言すべきだ、との声も上がっている。
 労働組合が政治活動に取り組むことは当然の成り行きだが、上ばかり見ていては雇用対策など基本的活動がおろそかになる。
 二月の完全失業率は前月と同じ4・9%と高止まりしている。輸出企業を中心に業績回復が顕著だが、雇用拡大に結び付いていない。また若年労働者の高い失業率の解消も緊急課題である。
 今春闘での賃上げは微増にとどまる見込みだ。最低賃金の引き上げが次の課題である。
 労働者派遣法改正案が今国会で審議されている。製造業や登録型派遣の禁止など、使い捨てされてきた派遣労働者を保護する重要法案である。早期成立を政府・与党に強く働き掛けるべきだ。
 派遣やパート、契約社員など非正規労働者の待遇改善は労組の役割を厳しく問うている。広島電鉄(広島市)のように正社員と契約社員との均等待遇実現で労使が合意したことは注目される。
 連合の非正規労働センターの役割がますます重要だ。派遣業界との協議を通じて悪質業者の排除で一致したことは評価できる。さらに非正規労働者の組織化や労働相談などに取り組んでほしい。
 今年のポスターには「まもろう雇用、なくそう格差」と明記されている。労働者間の格差是正も労組が取り組むべき課題である。▲

なくそう!官製ワーキングプア ~第2回反貧困集会~(05/30@東京)

■国・自治体がワーキングプアつくってどーすんだ!?
 なくそう! 官製ワーキングプア 
   ~第2回 反貧困集会~


<期 日>2010年5月30日(日)午前10時~午後4時30分
<会 場>総評会館2階(東京メトロ新御茶ノ水駅・小川町B3出口/JR御茶ノ水駅下車)
<参加費>500円
<賛同金>団体3,000円(入場券2枚+本)/個人1,000 円(入場券2枚)

★詳細
http://www.union-kk.com/~kansei-wp/2nd_assembly.html

「有期労働契約研究会中間取りまとめ」を読んでいます。

実行委有志で、4月から、厚生労働省「有期労働契約研究会中間取りまとめ」を読み始めました。
第一回の勉強会で読んだ部分でみながひっかかった箇所を挙げると、
◆まず、この「有期労働契約研究会」自体が、「就業構造全体に及ぼす影響も考慮し、有期労働契約が良好な雇用形態として活用されるようにする観点も踏まえつつ、引き続き検討する」(労働政策審議会答申「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(報告)」[平成18年12月27日])という方向性をふまえて開催されるに至っていること(開催要項参照)。
→最初から有期労働契約を「活用」していく観点が前提になっている。【おかしい!】
◆有期労働契約が、労働者にとっては「勤務地や責任の度合い等の点で家庭責任の状況など自らの都合に合った多様な働き方の選択肢の一つ」としてあり、結果、「労使の多様なニーズにより用いられてきた」とする認識(p.2)。
→労働者が(使用者側と対等なレベルで)主体的にこの形態を「選択」している、という認識が前提にある。【おかしい!】
◆「本来正社員を希望しながらやむを得ず有期労働契約労働者となっているような者を典型に、先が見えない不安や頑張ってもステップアップが見込めないことなどから、働く意欲の向上や職業能力形成への取り組みが十分でない実態」があることを認め、「このような雇用の不安定さ、待遇の低さ等に不安、不満を有し、これらの点について正社員との格差が顕著な有期労働契約者の課題に対して政策的に対応することが、今、求められている」(p.4)としながらも、そのすぐあとに「有期労働契約は求人、雇用の場の確保、特に、無業・失業状態から安定的雇用に至るまでの間のステップという点で役割を果たしていることを評価することも必要」(p.5)などと、実態とかけ離れた理想像を打ち出して問題に直面する姿勢をいきなり崩している。【結局、腰引けてるじゃん!】
あと、「不満」という言葉づかい(全体で何度も出てくる)が気になる。これだとニュアンスとして、本来構造的な問題が、労働者の「感情」(わがまま?)の問題に回収されてしまう危険性がある。
◆「職業生涯全体を見据え、キャリア形成のために時宜を得て有期労働契約が活用されることで、職業能力の向上に寄与する役割も期待できよう」(p.5)
→【おかしい!美化するな!】
◆企業側が有期労働契約を市場的な「リスク」に対応するために使っている点について、「そのリスクを専ら有期契約労働者の側に負わせることは公正とは言えない」という問題意識を持ちながらも、「有期契約労働者の雇用の安定や公正な待遇等の確保を考えるに当たって、正社員に適用されるルールとのバランスは意識されるべきであるが、本研究会は、正社員に適用されるルールそのものを論ずる場ではない」(p.5)と明言。【逃げすぎでしょ!しかもいきなり言い訳!】
「有期契約労働者について、有期労働契約に関わる諸課題に即して有期労働契約の在り方に関するルールを検討する必要がある」(p.5)
→あくまで正社員とは「別立て」で論じる構え。正社員の利害代表団体から反発を受けないための配慮?

★話し合ったこと。
正規雇用と分けて、有期雇用だけを取り出すのはなぜか?
本当にかっちり正規雇用と有期雇用と分けて話ができるのか。ルーズな職場もある。仕事が同じなのに契約期間があるかないかという理由でルールができてしまっていいのか。
有期雇用のルールが使用者側に有利にできてしまうとそれに縛られてしまって、労働者の権利主張が難しくなるのではないか。契約は契約だと押し切られてしまうのではないか。
非正規VS.正規の対立軸を意図的に出さないようにしている。
個別の労働法制はいつも名目は○○労働者の「保護」だが、実は労働者を差別的に分断している現状の正当化でしかないのではないか。

基本的には、「すでに使用者側が労働者を使い捨て――「流動性」の確保――するために有期雇用を利用している現状を追認するものではないか」という印象を強く受けました。

次回は、この「中間取りまとめ」の論証根拠とされる「平成21年有期労働契約に関する実態調査」結果について検討する予定です。

「「3年で職を失う」不安を抱えたまま働く」

■「3年で職を失う」不安を抱えたまま働く――事務派遣の31歳女性のケース
 小林 美希
 (2010年4月26日『日経ビジネスオンライン』[守るべき弱者はどこにいる?])
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100422/214126/
 「このままでは、先が見えない」
 松田亜紀さん(仮名、31歳)は、非正社員のまま8年になる。
 大学卒業後、事務職の派遣社員として働き出した亜紀さん。卒業した年は、超就職氷河期の真っ最中だった。「いつか正社員になりたい」と、派遣会社に登録して働きながら転職や正社員登用を狙うことにした。
 最初の2年間で何社かの派遣を経験。現在働いている不動産会社で働き始めてから6年目に入った。最初は時給1500円、3カ月更新という条件で一般事務職として、庶務や経理、調査業務のアシスタントなどの仕事を始めた。
 派遣先では、上司から「正社員になってくれたらいいのに」と言われていた。半年で時給は50円アップ、2年目にまた時給が50円上がり、1600円になった。月収は約25万円。そこから交通費や社会保険料、税金が引かれると手取りは約20万円だったが、「この調子で頑張れば、正社員になるチャンスがあるかもしれない。もっと仕事を覚えたい」。そんな期待に胸を膨らませ、進んでどんな仕事も回してもらった。
 派遣社員で働いて3年になる直前、上司から「3年経つと正社員にしなければならないから、うちでこのまま働くには、いったん契約を打ち切らせてほしいと人事部が言っている。そうすれば、しばらくしたら、また来てもらえるから」と、クーリングオフを提案された。
◆派遣切りは改善されたのか?
 労働者派遣法では、安易な正社員の代替としての派遣制度の利用を防ぐため、通訳など専門的な26業務以外の職種では派遣期間は3年が上限と決められている。一般事務などで3年を超えて同一業務に携わる場合、派遣先はその職種を採用する際に、3年働いていた派遣社員に対し、優先的に直接雇用(正社員や契約社員、アルバイトを指す)を申し出る義務がある。
 2004年の労働者派遣法の改正で、派遣期間が1年から3年へ延長されたことをきっかけに、大手企業を中心に「コンプライアンス(法令順守)重視」と、直接雇用を嫌う企業が3年経った派遣社員や派遣契約を一斉に打ち切るという、一般事務職の派遣切りが横行し、その慣行が浸透。2年11カ月という、労働基準法が定める「雇い止めの30日以上前に予告する」というギリギリのところでの派遣契約の打ち切りが行われるようになったのだ。リーマンショック後の製造業の派遣切りより以前から、こうした問題は起こっていた。
 このいわゆる“3年ルール”があるため、派遣社員が同じ職場で3年を超えて働く場合、派遣先が直接雇用する意思がない以上、3年を超えないように契約にクーリング期間を設けるという現象が起こった。このクーリング期間については、厚生労働省の「派遣先が講ずべき措置に関する指針」によって、「同一の業務について契約を更新する場合、直前の契約と次の契約の間が3カ月を超えない場合、継続した契約とみなす」と規定されていることから、それを拡大解釈したものと言える。
 こうした実態は、派遣だけでなく契約社員などの有期労働契約も同じで、労働者派遣法が改正された同じ年の2004年は、労働基準法も改正され、有期労働契約の期間の上限が1年から3年となったことで、契約社員などにも“3年ルール”による非正規切りが起こっていた。この傾向は、大手企業ほど顕著だった。
 のちに、こうした“3年ルール”による派遣切りが社会問題化し、正社員登用が進んだ。が、「コンプラ重視」によるものである以上、雇用の質としては“名ばかり正社員”の域を超えるものではないことが少なくない。
【ここから先は、日経ビジネスオンライン会員の方だけがご覧いただけます。】

「減るか長時間労働 労基法改正は『不十分』」

■減るか長時間労働 労基法改正は『不十分』
 (2010年4月22日『東京新聞』[暮らし])
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2010042202000072.html
 長時間労働は、働く人の健康を脅かし、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の実現の障壁にもなる。四月に、働き過ぎ解消を目指し、残業代の賃金割増率を引き上げる改正労働基準法が施行された。働きやすい職場は増えるのか。企業の取り組みはどうなるのか。 (服部利崇)
 関東地方の大手自動車メーカーの工場で、エンジン部品管理などを担当する正社員男性(58)の勤務は週六日。疲れが取れず、体への負担は増す一方だ。
 二〇〇八年秋のリーマン・ショック以降、激減した生産量は、中国向け輸出で回復。昨年十二月からは残業も再開された。平日は連日残業で約十時間勤務。大型連休には工場が休業するため、今月から土曜日も八時間働いている。
 「『派遣切り』で業界が批判を浴びて以来、会社は期間従業員や派遣労働者の採用に慎重で、現場は人手不足。長時間労働という形でしわ寄せが正社員にきた」と男性は嘆く。
 トヨタの大規模リコールの余波か、会社の品質管理チェックはこれまで以上に厳しい。「ミスは許されず、肉体的にも精神的にも疲れる。このペースで残業すれば事故のリスクが高まりかねない。人を増やしてほしい。これでは労働者の健康は守られない」
     ◇
 厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、事業所規模三十人以上で、パートなど非正規雇用も含めた全労働者の年間総実労働時間は減少傾向だが、フルタイム労働者に限れば年二千時間前後で高止まり状態。週六十時間以上働く人もまだ多く、〇九年の総務省労働力調査では全体の9・2%。子育て世代の三十代男性に限れば18%だ。
 一日に施行された改正労基法も長時間労働抑制が狙いだ。月四十五時間など残業の「限度時間」を超えた場合、通常の賃金に対して25%を超える割増率を設定するよう努力義務を課した。さらに、残業が月六十時間を超えたときの最低割増率は50%と義務づけた。厚労省監督課は「企業にとって50%はかなりの負担」と、残業抑制効果に自信を見せるが、企業の対応は分かれるとの指摘も出ている。
 一層の時短に取り組む企業がある一方、小手先の対応で済ませる企業も多いとみる大和総研の人事コンサルタント広川明子さん(34)は、「(残業代支払い義務のない)管理監督者扱いにするなど、人件費削減に走り、肝心の長時間労働を見直さない企業もあるのでは」と分析。表に出ない形でサービス残業が増えるとも懸念している。
 中小企業への割増率50%適用が見送られたことから、改正法の中身が不十分、との声も上がっている。労働弁護団常任幹事の佐藤正知弁護士(36)は、「大部分の労働者が働く中小が除外されたら、本気で長時間労働を減らす気がないと、思われても仕方がない」と、ばっさり。割増率についても、「残業させるぐらいなら新たに一人雇う方が得、と思える割増率にしないとダメ。せめて100%は必要だ」と迫る。
     ◇
 正規労働者より待遇が低い非正規労働者も深刻だ。生活費を稼ぐため、仕事のかけ持ちを強いられる人がいるなど、法改正の恩恵は受けにくいのが現実。
 「時給は下がり、貯蓄もできない」。非常勤の臨床心理士として、千葉県の児童養護施設で働く木村秀(まさる)さん(32)は、大学講師など三つの仕事のかけ持ちで、なんとか手取り月計三十万円を稼ぐ。施設では月十六日のフルタイム勤務。虐待を受けた児童のセラピーのほか職員のケアも担当し、残業は日常茶飯事だ。「本当にこのまま続けていけるのか」。不安ばかりが募っている。▲

「「直接雇用」なお不安 新派遣法審議入り」

■「直接雇用」なお不安 新派遣法審議入り
 (2010年4月16日16時17分『中日新聞』 [社会])
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2010041690161519.html
(【写真】派遣法の抜本改正を求める非正規労働者の座り込みで、直接雇用制度の問題点を指摘する阿久津真一さん=14日、東京・永田町の国会前で)
 16日から国会で審議が始まった労働者派遣法改正案で、企業側に違法行為があった場合、派遣先企業に労働者の直接雇用義務を課す新制度について、労働者側から「抜け穴だらけだ」と批判が相次いでいる。直接雇用といっても契約期間は短期で終わる場合もあり、労働条件も元のままだからだ。労働者側は「違法派遣の根絶にはならない」と改善を求めている。
 「契約期間が限定され、ずっと不安定な立場に置かれてきた。なぜ、改正法に雇い止め禁止の条文を盛り込まないのか」
 愛知県三好町(現みよし市)の自動車関連工場の契約を打ち切られたブラジル人男性7人が所属する全日本金属情報機器労働組合愛知地方本部の平田英友執行委員長は、政府案を批判する。
 同組合によると、7人はいずれも実態は派遣なのに業務請負に見せかける「偽装請負」だった。男性らは労働組合を結成し、2006年に直接雇用を要求。雇用期間は6カ月の限定だが、業績が悪化した場合を除き原則、更新を繰り返すことを条件に双方が直接雇用に合意した。
 だが08年秋からの世界的不況の影響で、男性らは翌年に相次いで契約更新打ち切りを通告された。名古屋地裁に労働審判を申し立てたが、会社側は「人員余剰が拡大される中でやむを得ない」と反論。現在は民事訴訟に持ち込まれている。
 こうした派遣労働者の“解雇”が相次いだのを背景に導入される新制度だが、労働者側が問題にしているのは、改正案に盛り込まれた「直接雇用みなし制度」だ。現行法でも3年の制限期間を超えて派遣で働かせた場合、派遣先企業は労働者を直接雇用する義務があるが、改正案は違反対象を拡大。建設・港湾作業など危険業務への派遣や、偽装請負などの違法行為があった場合も直接雇用を義務づける。
 だが、直接雇用が実現しても、フランスやドイツと違って、期間社員として有期雇用となるため、雇用期間が過ぎれば、すぐに雇い止めになる恐れが依然として残される。
 「違法に働かされている労働者を救ってほしい」。宇都宮市のキヤノン工場で働き、直接雇用の後に雇い止めにあった阿久津真一さん(42)は14日、国会前で、同じように職を失った約20人と法案見直しの声を上げた。「直接雇用を義務づけても、短期で切られるなら救われない」と訴えた。
 【直接雇用みなし制度】 フランスでは派遣先が派遣期間制限などに違反した場合、労働者と無期限の雇用契約を結んでいたとみなして社員にしなければならない。ドイツでは派遣会社が無許可営業の場合、派遣先の労働条件で雇用される。日本では2008年、厚生労働省の研究会が導入を提案。財界は「契約や採用の自由を侵害する」と反対したが、違法派遣に歯止めをかけようと、派遣期間内の有期雇用の形で改正案に盛り込まれた。
(中日新聞)▲

「外国語指導助手 『偽装請負』 柏、61校授業できず」

■外国語指導助手 『偽装請負』 柏、61校授業できず
 (2010年4月17日『東京新聞』朝刊 [社会])
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010041702000058.html
 千葉県柏市は十六日、市立小中学校六十一校で英語を教える外国語指導助手(ALT)について、労働者派遣法に違反する「偽装請負」に当たるとして、厚生労働省千葉労働局から是正指導を受けたと発表した。
 市は二十三日に本年度のALTを各校に配置する予定だったが、適切な措置を決めるまで当面見合わせる。
 是正指導を受けたため、指導助手らは学校で勤務できず、学校側は本年度のALTの授業を始められない状態となる。
 市は、東京都内の業者に業務を委託して各校にALTを配置。本来、ALTは請負元である業者から業務の指示を受けなければならないが、二〇〇九年度までの三年間、学校側の指示で授業を行ったこともあったと判断された。市教育委員会は「適正な業務委託という認識だった。雇用形態を一から検討したい」としている。▲

「女性労働白書:非正規雇用者、初の減少」

■女性労働白書:非正規雇用者、初の減少
 (2010年4月9日19時01分(最終更新4月9日22時20分)『毎日新聞』)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100410k0000m020024000c.html
 厚生労働省は9日、09年版女性労働白書(働く女性の実情)を公表した。女性の労働力人口(就業者と完全失業者の合計)は過去最多の2771万人になったが、非正規雇用労働者は比較可能な03年以降で初めて減少した。増加を続けてきた非正規雇用でも雇用調整が厳しくなっている実態が浮き彫りになった。
 白書によると、女性の雇用者数は2311万人(08年比1万人減)で7年ぶりの減少となった。だが、男性が過去最大幅の減少となったため、雇用者総数に占める女性の割合は42.3%(同0.4ポイント増)と過去最大の割合になった。正社員は1046万人(同6万人増)、非正規は1196万人(同6万人減)。正社員が増えた要因は、介護など医療、福祉分野で正社員雇用が増加したことが大きいと見られる。
 男女間の賃金格差は、男性を100として女性は69.8(同2ポイント増)、正社員に限ると72.6(同)と依然格差は大きいが縮小傾向にある。
 厚労省雇用均等政策課は「正社員の増加は介護などの分野に限定される。非正規が50%を超える女性の働き方に転換があったとまでは言えない」と分析する。▲

集会の記事の英語版(レイバーネット国際部)

■Japan's non-regular employment is escape from law! -- Kansai rally against discontinuation of contracts with non-regular university faculty
(Friday, March 12, 2010 - Labornet Japan)
http://labornetjp.blogspot.com/2010/03/japans-non-regular-employment-is-escape.html

これを使って、海外のお知り合いのかたへの情報提供、みなさんよろしくお願いします。

「改正雇用保険法が成立 非正社員の条件緩和、保険料は増」

■改正雇用保険法が成立 非正社員の条件緩和、保険料は増
 (2010年3月31日 asahi.com)
http://www.asahi.com/job/news/TKY201003310339.html
 非正社員が雇用保険に入る条件の緩和を柱とした改正雇用保険法が31日、参院本会議で可決、成立した。新年度から推計255万人が新たに加入対象になる。一方、労使で負担する雇用保険料率は賃金の1.1%から1.55%に引き上げられる。悪化する雇用保険財政や、なお対象から漏れる労働者をどう支えるのかが、今後の焦点になる。
 新たに雇用保険の対象になる人は、労働時間が週20時間以上40時間未満で、雇用見込みが31日以上6カ月未満のパート社員ら。すでに雇用保険に入っている正社員らに比べて失職のリスクが大きいため、雇用保険財政にとっては、保険料収入の増加を考慮しても年間1500億円程度のマイナス要因になる。
 完全失業率が5%前後で推移する厳しい雇用情勢の中、雇用保険財政の悪化を少しでも抑えるため、2010年度の保険料率(失業給付分、労使折半)は前年度から5割増える。月収30万円の働き手の場合、保険料負担は1200円から1800円に増える計算だ。1月に成立した09年度2次補正予算では、一般会計から3500億円が臨時に注入された。
 雇用保険には、家計の「預貯金」にあたる積立金が08年度末で約5兆6千億円もある。潤沢な蓄えにもかかわらず財政強化を急ぐのは、1995年度に約4兆6千億円あった積立金が、雇用情勢の悪化で02年度に底を突きかけた経験があるからだ。厚生労働省の試算では、10年度には失業給付の支払いだけで7千億円分が減る。
 また、生産量が落ち込んだ企業に休業手当を助成する雇用調整助成金が、09年4月~10年2月で6千億円(前年同期は10億円弱)と巨額に上っていることも大きい。雇調金は、事業者負担だけで成り立つ「雇用保険二事業」から支出されており、失業給付部分とは別勘定だが、雇調金の急増で財源が枯渇。失業給付の積立金から4400億円を無利子で貸し付けることになった。不況が長引けば返済が滞ったり、再び支援が必要になったりする恐れもある。
 さらに、民主党が11年度の導入を目指している「求職者支援制度」も財政悪化の要因になりうる。雇用保険に入っていなかったり、失業給付が切れたりした失業者に対し、職業訓練中の生活費を月約10万円支給する仕組みで、必要経費は年間5千億円とされている。厚労省は税金で実施するよう求める方針だが、マニフェスト実現の財源確保に苦心する財務省は雇用保険からの拠出を主張するとみられ、11年度予算編成に向けて激しい論議になりそうだ。
 今回の改正で雇用の安全網は広がるが、労働時間が週20時間未満の労働者や、65歳以上で職に就いた高齢者は、雇用保険の対象から外れたままだ。「雇用保険は自分の労働で生計を立てている人の安全網」との考えからだが、低賃金のため短時間の仕事をかけ持ちし、合計では週20時間を超しているケースもある。こうした働き手をどう救済するのかも検討課題になる。▲

「熊本大、短期看護師ら正職員化」

■熊本大、短期看護師ら正職員化 大学病院の人材確保狙う
 (2010/03/31 15:51 共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010033101000616.html
 熊本大は31日、大学病院の看護師や薬剤師らの非正規職員「特定有期雇用職員」約390人を2010年度から正規職員にすることを明らかにした。これらの職種については今後、新規の場合も基本的に正規職員として採用する。
 医療現場での短期雇用職員増加は、人材確保面からも問題になっており、熊本大は特定有期雇用職員制度自体を廃止する。同大の教職員組合によると、看護師だけでなく、薬剤師や臨床検査技師ら医療技術職員まで含めた正規職員化は全国の公立大病院で初めてという。
 熊本大は2006年度に同制度を導入。現在は事務職を除く病院職員約1600人の4分の1に達している。給与や業務内容は正規職員と同じだが、契約は毎年更改。最長5年で雇い止めになるほか、同じ期間働いた場合でも正規職員と退職金総額が違うなどの格差があり、組合が改善を求めていた。▲

■看護師ら 390人、非正規を廃止 熊大付属病院
 (2010年03月31日 くまにちコム)
http://kumanichi.com/news/local/main/20100331004.shtml
 熊本大は30日、同大付属病院で働く看護師や医療技術職員ら非正規の「特定有期雇用職員」390人を、2010年度(4月1日付)から、正職員として採用することを明らかにした。同大教職員組合によると、全国の公立大学付属病院で、特定有期雇用職員をすべて正職員化するのは初めてという。
 対象となるのは、看護師を中心に薬剤師や臨床検査技師、診療放射線技師など14職種。正職員化に伴い、特定有期雇用職員制度そのものを廃止し、職員就業規則から同職員の項目を削除する。
 同大人事課によると、特定有期雇用職員制度は06年度に導入。職員の給与や手当、業務の内容や責任は正職員と同等だが、契約は年度ごとの更新で、最長5年で雇い止め。介護休業や育児休業の日数も正規職員の半分と、待遇に差があった。
 制度は10年度末で導入丸5年となり、来春には、大量の離職者が見込まれていた。また、「将来への不安から、募集しても人が集まらない」「優秀な人材が育たない」など問題点を指摘する声もあり、同大は昨年5月ごろから見直しを進めていた。
 正職員化に伴い、同病院は10年度から、390人分の退職手当引当金を毎年約4千万円ずつ積み立てる。一方、毎年度末に支給していた任期満了手当は廃止する。(飯村直亮)▲

★「画期的な成果!! 2010年4月から附属病院の特定有期雇用職員を正職員化―2月1日団体交渉・2月4日附属病院長交渉報告―」(『赤煉瓦』2009年度第30号)
 →
http://union.kumamoto-u.ac.jp/akarenga/2009/akarenga0930.htm

「国立大:法人化後医系・文系で研究の質低下」

■国立大:法人化後医系・文系で研究の質低下 学部長調査
 (2010年3月30日15時00分『毎日新聞』)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100330k0000e040078000c.html
 04年度に始まった国立大法人化後、医歯薬学系と文科系の学部で研究の質の低下や職場環境の悪化が目立ち、学部間の格差が生じていることが、国立大学財務・経営センターによる全国立大の学部長を対象とした調査で明らかになった。
 調査は08年12月~09年2月、全国立大86校の学部長を対象に実施。7割が回答し、理工系▽農学系▽文科系▽医歯薬学系▽その他に分類して解析した。
 分析結果によると、論文・学会発表の数が、医歯薬学系では「(法人化前より)減った」との答えが57.7%、文科系も34.5%に上り、それぞれ「増えた」を上回った。理工系、農学系は「増えた」との回答が多かった。「研究の質」では、理工系と農学系は「向上した」が多かったが、医歯薬学系と文科系は「低下した」が上回った。
 「職場の雰囲気」が「悪化した」との回答は、医歯薬学系47.1%、文科系45.9%と、それぞれ「良くなった」を大きく上回り、悪化の割合が理工系、農学系より高かった。
 医歯薬学系は、法人化によって付属病院の経営改善を求められ、教員の仕事量が急増。文科系は、国からの運営費交付金が減る一方、理科系に比べ外部資金の獲得が難しいことなどが背景にあるとみられる。【永山悦子】▲

『ふぇみん』に集会記事

『ふぇみん』2918号(2010.3.15)に、
「4面-2 なんで有期雇用なん!? 8大学の職員 ネットワーク化目指す」
という記事が掲載されました。
http://www.jca.apc.org/femin/
cf. http://extasy07.exblog.jp/12367473/

「国立大法人化:経営側は評価、研究者は否定的」

■国立大法人化:経営側は評価、研究者は否定的--財務・経営センター調査
 (2010年3月14日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100314ddm002100119000c.html
 ◇学長「よい結果」66% 学部長「マイナス」51%
 04年度に始まった国立大法人化について、全86大学の学長の3分の2が肯定的に評価する一方、研究現場を預かる学部長の半数は研究面で否定的な反応を示したことが、国立大学財務・経営センターのアンケート調査で判明した。新谷(しんや)由紀子・筑波大准教授(科学技術政策)らの調査でも現場教員の6割以上が研究や大学運営に悪影響があったと受け止めており、大学トップと現場の意識の乖離(かいり)が浮き彫りになった。【西川拓、江口一】
 国立大学財務・経営センターの調査は08年12月~09年2月、全国立大86校の学長や学部長らを対象に実施。全学長と学部長の7割が回答した。
 学長の66%は「自校によい結果をもたらしている」と回答したほか、「大学の個性化」「管理運営の合理化・効率化」など15項目中7項目で8割以上が自校の法人化をプラス評価。「研究活動の活性化」「競争力向上」など5項目でもプラス評価が6割を超えた。逆に研究活動の活性化について学部長の21%は「マイナス」、30%は「ややマイナス」と答えた。
 一方、新谷准教授らは08年8月、全国の国立大の自然科学系の教員1000人を無作為抽出してアンケートを実施、183人から回答を得た。
 69%が予算配分の削減など「研究に悪影響があった」と答えたほか、「教員や部局の意思が反映されない」「教員が減り授業コマ数が増えた」など、「大学運営」で66%、「教育」で51%が悪影響があったと回答した。
 大学から教員に配分される基礎的な研究費は、回答者の平均で法人化前の年約150万円から法人化後は72万円余に半減したことも分かった。研究テーマの変更や小規模化を余儀なくされたケースも多く、こうした不満が法人化への低評価につながったとみられる。
 国立大学財務・経営センター研究部の水田健輔教授(高等教育財政)は「法人化後、教育・研究の現場がどれだけ傷ついたかを明らかにすべきだ。国立大が果たすべき役割や位置づけとそれを支える土台作りを国全体で考える必要がある」と指摘する。
==============
 ■解説
 ◇変化急激、現場が疲弊
 国立大は法人化によって「自立」と「自律」を求められるようになった。各大学は予算や人事面での学長裁量を拡充し、改革に乗り出している。だが、法人化への評価が学長と一般教員でこれほどかけ離れていることは、経営側の思惑とは裏腹に、急激な環境変化で現場が疲弊している事実をうかがわせる。
 現場教員への調査をした新谷由紀子・筑波大准教授は背景として、「法人化が、財政難からきた公務員削減など国の行財政改革の一環として実施された側面が強いためだ」と指摘する。
 国立大にも06年度から5年間で5%の人件費削減が課され、全大学の収入の半数を占め大学運営の基盤となる国からの運営費交付金は今年度までに計720億円が削られた。実に北海道大と名古屋大の09年度交付金合計分にほぼ相当する額だ。
 このため、各大学は法人化に伴い拡大した国の競争的資金や、企業からの研究費の獲得に躍起になった。さらに近年、主として産業界から大学卒業生の「質の保証」を求める声が高まり、教育や就職指導に力を入れる大学も増えた。
 研究と教育の両面で「成果」を求められるプレッシャーは現場教員に重くのしかかる。
 資金獲得の書類準備や学生の教育に時間を割かれるため、文部科学省の調査では、大学教員の07年度の研究時間は、法人化前の01年度に比べ2割減った。研究費や研究時間を削られた現場教員の間には閉塞(へいそく)感が漂い、東海地方のある理系教員は「法人化していいことは何一つない」とまで言い切る。
 鈴木寛・副文科相は1月、法人化した国立大の第1期中期計画が3月末で終了するのを機に「法人化の成果や課題を検証したい」と表明した。
 現場の疲弊が続けば、多くの分野で人材を輩出してきた大学の質の低下を招きかねない。文科省は学長ら経営側だけでなく、一般教員や職員、有識者からも意見を聞く方針だ。こうした声を率直に受け入れ、現場教員の負担感を取り除くことが求められる。【西川拓】
==============
 ■ことば
 ◇国立大学の法人化
 国立大学法人法に基づき04年4月、全国89(当時)の国立大が従来の国の付属機関から、独立した法人に移行した。各大学は学外者を入れた経営協議会を設置し、文部科学相が認可した中期計画(6年間)に沿って大学を運営、文科省の評価委員会の評価を受ける。運営費交付金(09年度計1兆1695億円)は国から支給されるが、学長の権限や大学の自主性は強まった。10年4月から第2期の中期計画に入る。▲

京大「非正規職員2人雇い止めに」

■非正規職員2人雇い止めに――京大、3月末で
 (2010年03月26日(金)『京都新聞』)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100326000100&genre=C4&area=K00
 京都大の非正規職員が通算5年で「雇い止め」となる問題で、新たに導入された公募による再雇用制度に応募した農学研究科の非正規職員2人が非採用となり、3月末で雇い止めになることが26日、分かった。
 農学研究科などによると、職員2人は図書の仕事をしており、3月末で通算5年となるため研究科が4月からの雇用について公募を実施、2人は応募したが、学外からの応募者2人が採用された。同研究科は「面接で基準に従って選考した」としている。
 京大職員組合のまとめで、新制度で少なくとも4人が5年を超えて再雇用されており、「新制度は前進だが不十分」としている。▲

「国立大法人化の功罪/5止 描き切れない将来像」

■大学大競争:国立大法人化の功罪/5止 描き切れない将来像
 (2010年3月19日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100319ddm002100034000c.html
 「(国立大法人化の)背景に、(競争や市場原理を重視する)新自由主義思想で大学は変わらなければならないという考えがあった。法人化後の影を確認することが大事だ」
 2月17日、文部科学省の国立大学法人評価委員会総会。委員の寺島実郎・日本総合研究所会長が口火を切ると、他の委員も「行財政改革と重なり、(大学を活性化するはずだった)法人化の効果はかなり減殺された」「(外部資金を求め)大学の先生が浅ましくなった」「日本の高等教育が競争力を失いつつある」と続けた。
 国立大法人化は、行財政改革の一環として始まり、国からの運営費交付金が毎年1%削減された。国立大学法人法には「高等教育への財政支出の充実」などへの配慮を求める衆参両院の付帯決議があったが、一顧だにされなかった。
 浜田純一・東京大学長は3月3日、国立大学協会長に再任された際の会見で、「法人化で大学間格差が広がったのは事実」と認めた上で、「先の見えない時代だからこそ、大学が日本を支える役割は大きい」と訴えた。
  ■   ■
 「運営費交付金の削減方針を見直します」。昨夏の総選挙で民主党が作成した政策集の言葉だ。ところが、政権交代後も国立大への風向きに変化は感じられない。来年度予算案の運営費交付金も前年度比0・94%減と結局、減らされた。
 文科省幹部は「政策集は次の総選挙までに実現すべき政策。今回は、高校無償化という政権公約を実現する約3900億円を工面する必要があった。国立大がまったく無傷、というわけにはいかなかった」と明かす。
 来年度以降の見通しについても、財務省幹部は「国立大の予算総額は外部資金の獲得などで膨らんでいる。運営費交付金が本当に絞れないぞうきんか、という議論は今後も必要」と冷ややかだ。
  ■   ■
 現政権は、どんな「国立大の将来像」を描いているのか。
 鈴木寛・副文科相は1月、国立大の第1期中期計画が今年度で終わるのを機に「法人化の成果、今後の課題を検証したい」と、作業部会設置を表明した。
 鈴木氏は毎日新聞の取材に「国立大は、文化や価値観を生む拠点として重要だ。前政権の(運営費交付金の)削減方針は撤回し、これからどう増やすかを考えたい」と答えた。さらに少子化時代の国立大の数について、「いつも絞る話、削る話では現場の疲弊を招く。そんなメッセージは出さない」と明言した。一方、「どのように社会に貢献するか、大学自身が描き、国民に発信してもらいたい」と注文もつけた。
 国立大は、今後も社会から税金を投入する対象として認められ、存続できるのか。国民は、そこに何を求めるのか。岐路に立つ国立大は4月から2期目の中期計画へこぎ出す。=おわり(この連載は永山悦子、西川拓、江口一、河内敏康、高野聡、曽根田和久が担当しました)▲

<ベーシック・インカム日本ネットワーク>設立集会

■最低所得保障「ベーシック・インカム」 普及へ「日本ネット」設立
 (2010年03月24日(水)『京都新聞』)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100324000022&genre=G1&area=K00
 すべての人に最低所得を保障する概念「ベーシック・インカム」の普及や学術的な研究の推進を目指す「ベーシック・インカム日本ネットワーク」の設立集会が27日午後1時15分から、京都市上京区の同志社大新町キャンパスで開かれる。
 ■大学教授ら設立、同大で27日集会
 ベーシック・インカムの世界ネットワークは2004年に設立された。米国やオーストラリア、欧州の各国などでも、研究者や市民団体のメンバーなどでネットワークが組織されている。日本でも、京都府立大公共政策学部の小沢修司教授、同志社大経済学部の山森亮准教授たちが中心となって研究会を重ね、約20人の研究者で日本ネットワークを設立することにした。
 年1回の大会や定期的な研究会を開き、ホームページからの情報発信なども行うことにしている。
 ■社会保障の仕組み問う
 設立集会では、障害者インターナショナル日本会議の三澤了議長をはじめ障害者・女性団体のメンバーがベーシックインカムへの期待を語る。26、27日には同志社大で、世界の研究者を招いてシンポジウムも開かれる。
 山森准教授は「今の日本では、障害者や働くことができない人たちの一部にしか所得保障ができていない。ベーシックインカムの議論によって、手詰まりになっている現在の社会保障の仕組みを問えるのではないか」と話している。
 ■一律給付に賛否交錯
 ベーシック・インカムは「基本所得」とも呼ばれる。貧しい人も富める人も、働く人も働かない人にも、すべての個人に無条件で生活に必要な所得を保障する構想だ。
 シンプルな発想で歴史も古いが、先進国で失業が慢性化し、年金や社会保険といった福祉国家の社会保障施策が行き詰まる中、にわかに注目を集めている。政府が国民全員に個人単位で、無条件で生活できる額を現金給付する。代わりに生活保護や失業保険のような制度は不要になる。
 1960年代の米国の公民権運動や英国の女性運動でも提案されて世界に広がり、欧州の一部の国では政府レベルでも議論されている。
 ベーシック・インカムの議論が幅広い関心を集めるのは、政策的な実現可能性だけでなく、一律給付という単純な要求だけに、働くことへの価値観や公平な分配とは何かを問い直す「ものさし」になる点にある。
 「重労働をする人がいなくなるのでは」「ばからしくて働かない人が増えるのでは」「財源は」といった批判もあるが、個人給付であることから、家事労働や家族介護といった無償労働、障害者福祉、生活保護、最低賃金などの問題点も浮き彫りにする。
 新自由主義や社会主義、フェミズムなどの立場を超え、ベーシック・インカムへの賛否が交錯する状況が生まれている。▲

★BIJN 設立集会・前夜祭・設立記念シンポジウム
 → http://basicincome.gr.jp/a/20100326.htm