「男性の非正規雇用労働者では、45・7%が失業の恐れを感じていた。」

■労働者生活調査:家庭の4割「赤字」 失業不安が増加
 (2010年5月19日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100519ddm012040003000c.html
 ◇食事減り、税金払えず、医者行けず
 労働組合系のシンクタンク「連合総合生活開発研究所」は、世帯収支が赤字の家庭が約4割などとする、4月に実施した労働者の生活調査結果を公表した。今春闘は多くの労組がベースアップゼロで終結したが、400万円未満の収入では6割が赤字になるなど、労働者の厳しい暮らし向きが浮かんだ。【東海林智】
 調査は01年から春と秋の年2回実施。今回は年齢や雇用形態を基に、首都圏と関西圏の900人を対象に調査し、573人から回答を得た。
 1年前に比べ賃金収入が「減った」と答えた人は35・6%で前年春調査より3・5ポイント増加。「失業不安を感じる」とした割合も23・9%で前年比0・4ポイント増加し、春調査分としては過去最高となった。特に男性の非正規雇用労働者では、45・7%が失業の恐れを感じていた。
 3年ぶり2度目の世帯収支調査では、収支が「赤字」との回答は38・7%で、前回比16・7ポイント増と大幅に増加した。特に、年収400万円未満では60・4%と赤字世帯が半数を超えた。
 回答者全員にこの1年間の状況を尋ねる質問では、「支出を控えている」とした人が7割を超えた。具体的には、「食事の回数を減らした」(6・5%)や「税金など払えず」(5・2%)、「医者にかかれなかった」(4・7%)などの苦境が挙げられた。非正規雇用の男性では20%が食事を減らし、31・4%が税金などを払えないとした。
 連合総研は「賃金が上がらず、家計が赤字となり支出を抑え、内需が冷え込むという負のスパイラルが表れている」と分析している。▲

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