「国の「日雇い」非常勤職員、年単位雇用へ」

■国の「日雇い」非常勤職員、年単位雇用へ 人事院改正案
 (2010年7月3日9時24分 asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0703/TKY201007030003.html
 人事院は2日までに、中央府省や国の出先機関と「日雇い」形式の契約を結んで正規職員の補助業務に従事している非常勤職員について、契約方式を改め、1年単位で最長3年間働けるようにする人事院規則の改正案をまとめた。パブリックコメントを募った上で8月に規則を改正、10月に施行する方針だ。
 国の非常勤職員は約14万8千人(昨年7月時点)だが、そのうち契約上の任期が1日単位になっている「日々雇用」の職員は約2万5千人いる。職員組合などが「官製ワーキングプアだ」と批判し、人事院が財務・総務両省と制度の改善を検討してきた。▲

■国家公務員に「期間業務職員」=「日雇い」の不安定雇用を是正-政府検討
 (2010/07/02-20:30 時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201007/2010070200728
 各府省の事務補助などに「日雇い」で従事し、不安定な雇用形態が問題となっていた非常勤国家公務員について、政府が検討している処遇改善案が2日、明らかになった。1日ごとに更新を繰り返す現行の雇用形態を廃止し、今年10月から原則1年間が任期の「期間業務職員」を新設することが柱。併せて、退職手当や共済組合といった処遇面も、一定の勤務時間を超えていれば、常勤職員に準じ加入を認める方向だ。
 総務省によると、2009年7月時点で各府省に在籍する日雇い状態の職員は、2万4683人。府省で事務の補助をしたり、ハローワークで窓口業務に従事したりしている。定員削減を進める各府省では貴重な戦力となっており、実際には常勤に近い形で数年間勤務する例も多い。一方、退職手当などの扱いが各府省で異なるといった課題もあった。 
 このため、政府は任期が1日ごとに自動更新される現行制度を廃止し、1年以内の臨時的な業務を行う「期間業務職員」を、10月から新設する方針。試用期間も1カ月設け、採用の更新は2回まで認め、最長3年間働けるようにする。ただ更新回数制限は努力義務とし、延長の可能性も認めた。
 また、退職手当の支給や共済組合への加入も、規定で定められた勤務時間数を超えた職員に対しては、常勤と同様に取り扱う方向で検討している。▲

■国の職員「日雇い」を是正 人事院、非常勤制度改正へ
 (2010/07/02 18:18【共同通信】)
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070201000707.html
 人事院は2日までに、中央省庁や出先機関で補助的な仕事を行う非常勤職員のうち、1日単位で契約更新を繰り返す「日々雇用」を、最長1年とする任期付き雇用にする規則改正案をまとめた。パブリックコメント(意見公募)を経て8月にも規則を改正、10月から施行する。
 総務省によると昨年7月時点で、国の非常勤職員は14万8千人。このうち日々雇用職員は約2万5千人で、約3千人は契約を更新しながら6カ月以上続けて勤務している。定員減の常勤職員の仕事を補っているが、制度上はいつでも退職させられる不安定な立場のため、職員組合が改善を求めていた。
 改正案では、現行制度を廃止した上で任期を最長1年とし、勤務実績によって原則2回まで更新できるようにする。ただ「任期付きにすると、雇い止めにつながる」という職員組合からの批判もあり、更新回数の制限は「努力義務」として増やせる可能性も残した。
 また採用に当たっては、特に知識や技能が必要なケースなどを除き、インターネットの利用や公共職業安定所の求人告知で、できる限り広く公募するとした。▲

解雇権濫用で龍大を提訴!

■雇い止め:元助手、龍谷大を提訴 地位確認求め /京都
 (2010年7月6日『毎日新聞』京都版)
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20100706ddlk26040498000c.html
 龍谷大を今年3月に雇い止めになった元女性助手(46)が5日、龍谷大を相手取り、地位確認と、4月以降の給与相当額の賠償などを求める訴訟を京都地裁に起こした。
 訴状によると、女性は07年4月、新たに設置された経済学部の「サービスラーニングセンター」の運営のため、特別任用教員助手として採用されたが、昨年6月、「契約期間終了」として契約を更新しないという説明を受けた。採用時に「通例1回は更新される」という説明を受けたといい、「雇用継続の期待があり、雇い止めは解雇権の乱用」と主張している。
 大学側は「訴状を受け取っておらず、コメントを控える」としている。【古屋敷尚子】▲

■「不当に雇い止め」龍大運営法人提訴
 (2010年7月6日『読売新聞』)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20100705-OYT8T01279.htm
 龍谷大(伏見区)から不当に雇い止めされたとして、元助手の女性(46)が5日、大学の運営法人を相手取り、雇用の継続と、4月以降の賃金支払いを求める訴えを地裁に起こした。
 訴状によると、女性は2007年4月、経済学部の実習型講義の受講生を支援する施設の助手として3年の有期雇用で採用。この際、通例1回は契約更新されると大学側から説明されたが、更新されずに3月末で雇い止めになった。
 女性は「大学側の説明などによれば、3年での契約打ち切りは本来、想定されておらず、解雇権の乱用にあたる」と主張。同大学長室は「訴状を受け取っておらず、コメントを差し控える」としている。▲

■龍谷大学の雇い止めは無効 京都地裁に提訴
 (2010年7月 5日 21:07 京都民報Wb)
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2010/07/05/post_7033.php
 龍谷大学(京都市伏見区)に3年間臨時教員として勤務し、今年3月末に雇い止めされた女性が5日、雇い止めは不当として、雇用継続を求めて京都地裁に提訴しました。
 提訴したのは、同大学経済学部の「特別任用教員助手」の嶋田ミカさん(46)。嶋田さんは2007年4月に3年間の有期契約で採用され、同学部学生支援事業のサービスラーニングセンターに勤務していました。特別任用教員助手は同学部が同事業を開始するにあたって新設したもの。
 嶋田さんは採用時に人事担当者から「1回はよほどのことがないかぎり契約更新する」と明言されたため継続雇用を期待していましたが、雇い止めを通告されました。
 納得できず同大学教職員組合に相談し、加入。大学に雇用継続を求め交渉しましたが、大学側の姿勢が変わらないため提訴しました。
 会見で畑地雅之弁護士は、特別任用教員として採用された他の教員は少なくとも1回は契約更新されていることから、「更新を期待できる対応を受けてきたので、合理的な理由がない限り雇い止めは無効」と述べました。
 嶋田さんは「修士、博士のころから在籍してきて、龍谷大学には愛着があるのに雇い止めされ、非常に残念です。まわりには雇い止めされたのに泣き寝入りする人が多い。私が声を上げて解決できるという先例をつくりたい」と話しました。
 「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」代表の田中宏同大学元特別任用教授・一橋大学名誉教授が、「高学歴ワーキングプアと呼ばれる教員が増加している傾向に歯止めをかけるためにも、ぜひ勝利したい」と述べました。▲

「『派遣』続く生活不安 直接雇用後『雇い止め』も」

■『派遣』続く生活不安 直接雇用後『雇い止め』も
 (2010年7月2日『中日新聞』[暮らし])
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2010070202000082.html
 派遣労働者の不安定な状況が続く。2008年秋のリーマン・ショック以降に相次いだ「派遣切り」を受け、製造業派遣の原則禁止などを盛り込んだ労働者派遣法改正案は、先の国会で成立に至らず継続審議に。規制緩和から強化に転じる改正の議論は先送りされ、労働者の思いは置き去りにされている。 (福沢英里、竹上順子)
 「派遣で働いた五年七カ月は時間の無駄でした」。昨年三月まで、派遣社員として大手電気機器メーカーに勤めていた三重県四日市市の男性(29)は、悔しさをぶつける。
 飲食店の雇われ店長などを経て二〇〇三年八月、メーカーの工場で働き始めた。高温のプレス機を使い、部品を成形する仕事。作業は多岐にわたり、必死で技術を覚えた。
 仕事を任され、やりがいを感じるように。事務職で派遣から正社員になった人がいると聞き「頑張れば自分も」と張り切った。だが昨年二月「派遣先の業績が悪化した」と解雇を言い渡された。男性は制限期間を超える派遣などの違反があったとして直接雇用を求め提訴。昼間は職業訓練、夜は居酒屋でアルバイトの生活を送る。
 岐阜県の工作機械工場で働いていた男性(40)が派遣切りされたのも昨年三月。派遣会社に「機械加工の技術が身に付く」と誘われ四年前、地元の九州を出た。だが作業は雑用ばかり。工場で中途採用の正社員のさまつな指導係も担わされ、機械加工の実務は全く学べなかった。
 「派遣された自分と正社員とでは、扱われ方が違う」と現実を思い知った。「派遣は使い捨て。派遣会社と派遣先がもうけるだけ」と言い切る。
 派遣問題に詳しい名古屋大の和田肇教授は「労働者派遣法が施行された一九八〇年代後半と違い、今は家計の担い手が派遣で働いている」と指摘。「派遣は雇用の調整弁」という企業の考え方を変えないと、失業問題はさらに深刻化すると警告する。
     ◇
 一度、派遣で働き始めると「安定」への道が険しくなる。
 「派遣は現代の身分制度」と語るのは、愛知県の大手通信会社に派遣されている男性(43)。大学卒業後、東証一部上場会社に勤めたが病気で退職。仕事がある時にだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣で働き始めた。
 不安定な立場を脱しようとパソコンの資格を取り、派遣会社の契約社員に。だが年収は三百万円に届かず、妻のパート収入を合わせて一家四人が何とか暮らす。「しょせん、派遣は派遣。欧米のように同一価値労働、同一賃金の仕組みにしてほしい」と訴える。
     ◇
 継続審議になった派遣法改正案では、実態は派遣なのに業務請負に見せかける「偽装請負」などの違法行為があった場合、派遣先企業に労働者の直接雇用を義務づける制度が盛り込まれた。だが有期雇用でいいため、「雇い止め」の恐れがある。
 これまでにも、偽装請負を告発して派遣先に直接雇用されたものの、期間工だったため期間満了を理由に雇い止めされた例がある。労働問題に詳しい鷲見賢一郎弁護士は「有期雇用では企業側が簡単に、告発に対する“報復”ができる」と指摘。期間の定めのない雇用契約とするなど正社員との「均等待遇」の保障を求める。
 非正規労働者の相談を受ける東京ユニオンの渡辺秀雄執行委員長は「有期かつ間接雇用の派遣労働は、矛盾の大きい雇用形態。雇用の入り口から規制すべきだ」と訴えている。▲

ミニシンポジウム「北海道大学における非正規雇用を考える」報告書

◆北海道大学教職員組合 2010/05 『ミニシンポジウム「北海道大学における非正規雇用を考える」報告書』,北海道大学教職員組合,13p.

北大職組さんのホームページからPDF版がダウンロードできます。

「「2.27 なんで有期雇用なん!?」 関西緊急集会報告」と、2010年3月17日(水)に北海道大学で開催されたシンポジウムの記録の2本立てです。

みなさんぜひご覧ください!

〈くびくびカフェ〉の記事

大きなカラー写真入りの記事です!

■大学職員「使い捨て」に憤り――加速する非正規化/各地で共感呼ぶ/「クビ撤回」の訴え
 (2010年7月1日『京都新聞』朝刊8面[暮らし] 「参院選2010 暮らしの現場から ①奪われる職」)

「労働相談最多、契約社員が倍増 京都府09年度まとめ」

■労働相談最多、契約社員が倍増 京都府09年度まとめ
 (2010年06月14日08時45分『京都新聞』)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100614000017&genre=B1&area=K00
 京都府は、京都中小企業労働相談所(京都市南区)で09年度に受け付けた労働相談の結果をまとめた。相談件数は前年度比14・7%増の1525件と過去最多で、派遣労働者が減る一方、契約社員が倍増した。府は、国の派遣労働の規制強化をにらみ、企業の間で派遣から契約社員への置き換えが進んだ結果とみている。
 相談件数の過去最多更新は08年度に続き2年連続。不況による雇用情勢や労働環境の悪化を反映している。
 雇用形態別の相談件数は、正規労働者が636件で19・3%増となる一方、非正規労働者は462件でほぼ横ばい。府は「業績回復で仕事が増えても、人員を抑制しているため、正社員の負担が増えているようだ」(労政課)と指摘する。
 非正規社員のうち派遣労働者からの相談は26・6%減だったが、契約社員などの有期雇用契約労働者は倍増の106件だった。府労政課は「労働者派遣法改正で派遣社員の受け入れが厳しくなるのを見込み、契約社員として直接雇用する企業が増えた結果」とみている。
 契約社員の相談内容は解雇退職勧奨が最多で、「景気動向に応じた調整弁とされる面で派遣労働者と同じ」としている。▲