「有期雇用契約であっても反復更新を繰り返した場合などは……」

■個別労働紛争相談21%減 09年度上半期
 (2010年2月11日午前8時00分『福井新聞』)
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news2/article.php?storyid=9860
 福井労働局がこのほどまとめた個別労働紛争解決制度の2009年度上半期(4~9月)の運用状況によると、県内5カ所の総合労働相談コーナーに寄せられた相談件数は、前年同期比2・6%減となる3426件。このうち解雇、労働条件の引き下げなど民事上の個別労働紛争の相談件数は922件で同21・9%減少した。
 民事上の個別労働相談で最も多かったのは、解雇で22・4%(前年同期比1・8ポイント増)、次いで労働条件の引き下げが14・3%。ほかにも、退職勧奨が8・4%(5番目)、雇い止めが4・7%(7番目)あるなど、相談件数自体は減ったが、厳しい職場環境を示すような相談の割合は依然として多い。
 民事上の個別労働紛争相談のうち「労働局長による助言・指導」の申し出の受付件数は32件で前年同期比48・4%減。弁護士ら学識経験者で組織された「福井紛争調整委員会によるあっせん」の申請受理件数についても46件で同24・6%減少した。
 助言・指導の申し出は32件中31件が労働者からだった。内容は解雇に関するものと退職勧奨に関するものが25・0%ずつで5割を占めた。
 あっせん申請は受理した46件中44件が労働者からのものだった。内容は解雇に関するものが45・7%、次いで労働条件の引き下げといじめ嫌がらせがともに10・9%ずつあった。
 相談の具体的事例としては、期間契約の63歳の清掃作業員が、年齢などを理由に事業主から「契約更新は今回が最後」と言われたが、就業規則には原則65歳までの更新が規定されていると主張し助言・指導を申し出た。同労働局は、有期雇用契約であっても反復更新を繰り返した場合などは更新拒否をするに当たって、解雇と同様に見なし一定の合理的な理由が必要とされる判断も定着してきていることから、当事者間で十分に話し合うよう求めた。その結果、事業主は次回更新の可否は本人の勤務状況などをもってあらためて判断するとし、更新をしないという現時点での申し出を撤回したという。
 県内には同労働局と福井、大野、武生、敦賀の各労働基準監督署内の計5カ所に総合労働相談コーナーがある。同労働局は民事上の個別労働紛争相談件数が約2割減少したことについて「法令に関する問い合わせも多く、以前に比べ労働者と事業主がトラブル回避へ話し合いを重ねていることもうかがえる」としている。そうした上で「総合労働相談コーナーは無料であり、短期間の解決がモットー。労働者も事業主も気軽に利用してほしい」と呼び掛けている。▲(下線は引用者)

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