2009年の佐賀大学と大分大学の措置

■佐賀大非常勤職員 3年雇用制全廃へ
 (『佐賀新聞』2009年02月17日更新)
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1183383.article.html
 佐賀大学(長谷川照学長)は非常勤職員の待遇改善策として新年度から、3年までとしてきた契約期間の上限を全廃する方針を決めた。非正規労働者の雇い止めが社会問題化し、財務状況の厳しさから契約を更新しない大学も増えているが、佐賀大は「人材活用を優先したい」として一律的な3年雇用をやめる。全廃は九州・沖縄の国立大学法人では初めてという。
 同大人事課によると、職員約2250人のうち、非常勤や医療系契約職員は約390人。2004年の法人化で契約期間上限を3年としたが、薬剤師や診療放射線技師など専門性が高く、有資格者の補充が難しいケースは特例的に延長してきた。
 そうしたコメディカル分野に限らず、事務・技術系の人材も確保する狙いがあり、就業規則を見直す。各職場の雇用計画で柔軟に期間を設定。毎年の契約更新は必要だが、上限は撤廃するため、5年にわたるプロジェクト型研究での雇用継続も可能になる。
 非常勤職員の労働条件をめぐっては、佐賀大教職員組合も待遇改善を求めてきた。
 全国の国立大学法人には、国からの運営費交付金の年1%削減に加え、総人件費の削減が課せられている。その中で非常勤職員を多く採用し、契約期間の上限延長や撤廃を検討・実施する大学がある一方、緊縮財政で雇い止めを計画する大学も出るなど、対応が分かれている。▲(下線は引用者)

■大分大学が契約満了の非常勤職員を再雇用
 (2009年04月16日11:29『大分合同新聞』)
http://www.oita-press.co.jp/localNews/2009_123984904775.html
 大分大学は十五日、三月末に契約期間を満了した非常勤職員十一人のうち、雇用の継続を希望した八人について、選考試験(面接)を実施した上で全員を再雇用したことを明らかにした。雇用期間は一年。
 世界的な不況のあおりで、多くの国立大学で非正規労働者の「雇い止め」が問題化している。大分大学では「雇用状況の悪化」に配慮して、雇い止めをなくす方向で検討していた。
 同大学の非常勤職員は計七十人。学部事務室や本部の各課などで勤務している。雇用の期間は特別な場合を除いて三年。
 大学は、三月末に契約期間満了を迎えた非常勤職員のうち、継続雇用の希望者について仕事の内容や量などを調査し、四月以降も必要な人材と判断。面接をした上で全員を再雇用した。本年度中に契約が満了する五人も同様の対応をする。
 二〇一〇年度以降の対応は秋ごろまでに決める方針。羽野忠学長は「大学の仕事に慣れた人材であり、契約期間が過ぎたという理由だけで雇用を切るのは得策ではない」と話した。▲(下線は引用者)

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