宇都宮健児さん

■ひと:宇都宮健児さん 日本弁護士連合会の会長に当選
 (2010年3月11日0時00分『毎日新聞』)
http://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20100311k0000m070133000c.html
 消費者問題に傾けた情熱を、今度は全国約2万8700人の弁護士のトップとして、その活動全体の改革に注ぐ。再投票を経ての選出で、司法改革に伴う課題は山積。しかし、世論に訴え国を動かして多重債務者を苦しめた高金利を撤廃させた経験が、自信になっている。市民団体や消費者と手を取り合い、「市民のための司法」実現が目標だ。
 四国の小さな漁村で生まれた。小学生の時、開拓農家として家族で大分県の国東(くにさき)半島へ。朝から晩まで黙々と開墾する父を見て育った。苦労した親を楽にしたいと立身出世を目指したが「自分だけ貧乏から逃れるのは後ろめたい」と思い、困った人に手を差し伸べる弁護士を選択した。
 道は険しかった。10年以上仕事が取れず事務所を事実上クビに。挫折の中、多重債務問題と巡り合った。当時は解決のノウハウがなく、依頼者と数十の貸金業者を訪ね回り厳しい交渉を繰り返した。過酷な取り立てで追い詰められた依頼者の防波堤役にやりがいを覚えた。豊田商事、オレンジ共済、和牛商法などの事件でも被害者救済に奔走、ヤミ金融とも徹底的に戦った。
 08年末、年越し派遣村の名誉村長として貧困問題に向かい合った。「貧困や格差は10年前に取り組まなければいけなかった。規制緩和を招き人権を守れなかったのは日弁連の弱さ」と言う。持ち前の実行力で、弱者を守る取り組みに踏み出す。【銭場裕司】
 【略歴】宇都宮健児(うつのみや・けんじ)さん 愛媛県出身。東京大法学部を中退して71年に弁護士登録。卓球と藤沢周平作品の読書が趣味。63歳。

★宇都宮さんは、この集会にも賛同メッセージを送ってくださいました。

◆宇都宮健児(弁護士/反貧困ネットワーク代表)
【メッセージ】
非正規労働者の待遇改善問題は、わが国における貧困問題解決のための最重要課題であると考えます。
集会の成功をお祈り致します。

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