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■阪大、退職金前払い制度導入へ 軽い負担で常勤増狙う
(2009年11月19日 asahi.com)
大阪大学が、退職金を前払いする正職員制度を、国立大で初めて来年度から導入する方針を固めた。退職金の負担を軽くしてフルタイムで働ける常勤職員を増やす狙いだが、当初は現在の非正職員を対象に採用し、5年間で試験に合格しなかった非正職員は契約を更新しないため、「体のいい雇い止めだ」との反発が出ている。
教員をサポートする事務系と技術系の職員が対象。定年時の退職金に代わって、9万円~12万5千円の特別賞与を年2回の賞与に上乗せする。60歳定年制など他の待遇は普通の常勤職員とほぼ同じ。
当初5年は現在約370人いる非正職員から募集。筆記試験や面接で選考する。将来は外部からも採用する方針。看護職員を対象に退職金の前払い制度がある国立大はあるが、「事務系職員を対象にしたのは国立大で初めて」(文部科学省)という。
阪大によると、04年4月に「国立大学法人」になった際、国が負担する退職金の財源手当ては当時の定員枠が上限になったため、正職員を増やして退職金を積み立てると負担が膨らむ。大学関連予算が伸び悩むなか、負担が少ない制度を導入することにしたという。
当面は非正職員を対象にすることについて、阪大は「有期雇用の非正職員たちの地位を安定させたい」(人事課)と説明する。対象者は毎年受験できるが、15年3月までに合格できない場合は契約を更新しない考え。
対象者の大半は40~50歳代の女性。現在は「異動なし」で週30時間勤務が原則だが、新制度では「異動あり」の週40時間勤務となることも、「育児や介護との両立が難しくなる」と不安の声があがる一因だ。
阪大は11月下旬の役員会で新制度を正式に決定する考え。非正職員たちを支援する阪大教職員組合は、大学側に新制度を撤回するように求めている。(堀篭俊材)
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〈退職金前払い制度〉 退職金を在職中に賞与や賃金に上乗せする制度。企業や団体は、退職金を毎年少しずつ支払うことで、将来の退職金支払いに備えた長期にわたる運用や積み立ての負担を軽くできる。日本の退職金制度は賃金の後払いの性格を持つとされ、労働者を定着させる制度として広がったが、終身雇用制が揺らぐなか、松下電器産業(現パナソニック)が98年度から始めるなど多くの企業で前払い制度の導入が相次いだ。▲
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