「単身女性、3人に1人が貧困 母子世帯は57%」

■単身女性、3人に1人が貧困 母子世帯は57%
 (2011年12月9日3時14分 asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1208/TKY201112080764.html
(写真:「女は派遣を望んでいる? NO!」。国会近くでのぼりを立て、抗議する「オンナ・ハケンの乱」。派遣切りにあった女性らが、「派遣法を修理しろ~」と替え歌でアピールした=11月29日、東京・永田町、仙波理撮影)
 勤労世代(20~64歳)の単身で暮らす女性の3人に1人が「貧困」であることが、国立社会保障・人口問題研究所の分析でわかった。2030年には生涯未婚で過ごす女性が5人に1人になると見込まれ、貧困女性の増加に対応した安全網の整備が急がれる。
 07年の国民生活基礎調査を基に、同研究所社会保障応用分析研究部の阿部彩部長が相対的貧困率を分析した。一人暮らしの女性世帯の貧困率は、勤労世代で32%、65歳以上では52%と過半数に及んだ。また、19歳以下の子どもがいる母子世帯では57%で、女性が家計を支える世帯に貧困が集中している。
 貧困者全体の57%が女性で、95年の集計より男女格差が広がっていた。非正規雇用などの不安定な働き方が増え、高齢化が進むなか、貧困が女性に偏る現象が確認された形だ。▲

「厚生年金:非正規加入要件を緩和」

■厚生年金:非正規加入要件を緩和 社保審部会合意、週20時間以上に
 (2011年12月1日『毎日新聞』東京朝刊)
http://www.blogger.com/post-create.g?blogID=4880480931728415035
 厚生労働相の諮問機関「社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」は30日、厚生年金など社会保険の加入要件を、現在の「正社員の所定労働時間の4分の3(週30時間程度)以上」から「週所定労働時間20時間以上」に広げることで合意した。
 厚労省の試算では、非正規労働者約1800万人のうち約1000万人は厚生年金・健康保険に加入している。加入要件を「20時間以上」にすると、新たに約400万人が加入対象になる。
 厚労省は同部会に対し、社会保険加入による企業の保険料負担増に配慮し、加入拡大は段階的に実施することを目指す方針を示した。
 パートなど短時間の非正規労働者への加入拡大に関し、政府・与党の税と社会保障一体改革案は、雇用保険と同じ「20時間以上」とする方針を示していた。【鈴木直】▲

「非正規の厚生年金加入拡大 負担増の業界「反対」大合唱」

■非正規の厚生年金加入拡大 負担増の業界「反対」大合唱
 (2011年10月28日『東京新聞』朝刊[政治]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011102802000038.html
 パートや派遣社員など、非正規労働者の厚生年金と健康保険への加入拡大を検討している社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)特別部会は二十七日、関係団体の意見聴取を終えた。厚生労働省は来年の通常国会への関連法案提出を目指しているが、新たな負担を負う業界は強く反発している。 (上坂修子)
 近年、非正規労働者は増え続け、二〇一〇年で全労働者の34・3%を占める。政府・与党は非正規労働者も厚生年金、健康保険に加入しやすくし、手厚い年金給付や医療サービスを受けられる環境を整えるため、六月に決定した社会保障と税の一体改革案に、加入要件の緩和方針を盛り込んだ。これを踏まえて、特別部会が検討を進めてきた。
 現行では、非正規労働者の厚生年金への加入要件は、労働時間が正社員の「四分の三(週三十時間)以上」で、健康保険も同様。要件を満たさない人は、自営業者らが入る国民年金、国民健康保険に加入している。
 特別部会は、この要件を、週二十時間以上に緩和する案を軸に検討している。実現すれば、新たに四百万人が厚生年金に加入すると推計している。
 厚労省が、月収十万円で現在四十六歳の女性(シングルマザーや自営業者の妻らの場合)をモデルに試算したところ、国民年金から厚生年金に移ると、年間の保険料負担は約八万四千円減る。また、一年間加入すると、将来受け取る年金は生涯で約十七万三千円増加。加入期間に応じ、給付額はさらに増える。
 二十七日の意見聴取で、シングルマザーを支援する全国母子寡婦福祉団体協議会は「母子家庭の母は生計の担い手でありながらパートとして働かざるを得ないケースが多く、社会保険の支えが必要」と要件緩和を支持。自治労も「国民年金に加入しなければいけない被用者は、老後の所得保障については不利だ」と主張した。
 ただ、保険料の半分は雇用主が負担するため、パートを多数雇っている外食産業や流通業界など企業の抵抗は強い。
 特別部会の意見聴取でも、外食産業代表の日本フードサービス協会は「保険料負担で実質的な手取りが減るため、パートの約八割は加入を望んでいない」と反対を表明。日本チェーンストア協会は「デフレの中、企業も価格に(保険料負担を)転嫁できる状況ではない。倒産を避けるため、採用抑制や就労調整をせざるを得ない」と主張した。
 労働者の六割が非正規の全国ビルメンテナンス協会も「保険料負担が増大すればパートの削減や就労時間の抑制にシフトする」と訴えた。
 自公政権下の〇七年、政府は加入要件を週二十時間以上とした適用拡大の関連法案を提出したが、廃案になった。今回も難航は避けられない。▲

日弁連:労働政策審議会労働条件分科会「有期労働契約に関する議論の中間的な整理について」に対する意見書

■労働政策審議会労働条件分科会「有期労働契約に関する議論の中間的な整理について」に対する意見書
 (2011年10月18日 日本弁護士連合会)
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2011/111018_2.html

以下の5点が提言されています。注目です。
1 有期労働契約の締結事由は合理的理由がある場合に限られること(入口規制)
2 更新回数・利用可能期間の上限規制(出口規制)をすること
3 確立した判例法理である雇止め制限法理(解雇権濫用法理の類推適用)を法律に明記すること
4 有期契約労働者と正規社員の賃金格差や男女の賃金格差を解消するために同一価値労働同一賃金の原則を法制化すること
5 有期労働契約法制の検討に当たっては、女性労働者の多くが有期契約労働者であり、男女賃金格差及び女性(主に母子家庭)の貧困の主たる要因となっている現状を認識し、また、正確な実態調査に基づく背景事情を分析し、男女共同参画社会の理念を実現する視点に立って、前4項の法制化を早急に進めるべきこと

阪大の未払い賃金問題

■元教授、元研究員の女性に“ただ働き”要求 阪大が賃金未払い300万円
 (2011.10.25 09:16 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111025/crm11102509230006-n1.htm
(【写真】「お給料を教室費にバックする件について」と題したメール。平成21年5月7日に元教授側から女性に送られた(一部画像を処理しています))
 大阪大大学院医学系研究科の森本兼曩(かねひさ)元教授(65)=詐欺容疑で書類送検=による不正経理事件に絡み、元教授の研究室に在籍していた元研究員の女性(53)に対し、阪大が賃金の一部を支払っていなかったことが24日、わかった。元教授側が“ただ働き”同然の勤務を要求していたといい、女性は「働いた分の賃金をもらえず労働基準法違反にあたる」として茨木労働基準監督署(大阪府茨木市)に申告。阪大は今月中旬、未払い賃金として約300万円を女性に支払った。
 関係者によると女性は平成19年4月~22年3月、森本元教授の研究室で、研究室が受託した研究を手伝うなどの非常勤の「特任研究員」として勤務。元教授側が決めた時給などの労働条件で、阪大と一定期間ごとに雇用契約を結んでいた。
 当初、女性の雇用契約は週20~24時間程度勤務する内容だったが、元教授側から契約上の勤務時間を減らすようたびたび要求され、業務内容は変わらないのに、20年8月から段階的に減少。21年6月から22年3月の間は週2~3時間だけの契約となっていた。
 実際には女性は元教授側から従来通りの勤務を要求され、多い時には週5日、1日10時間以上働くこともあったが、賃金は契約通りの週2~3時間分しか支給されなかったという。
 女性は退職後の今年6月、時間外勤務として未払い賃金を支払うよう阪大に請求。阪大が「給与は問題なく支払われている」などとして応じなかったため、7月に労基署に相談した。
 阪大は、労基署から事情聴取を受けた後、女性が保管していた勤務記録などをもとに未払い賃金を約300万円と算定し、10月に全額を女性に支払った。
 女性には、21年5月以前も同様の未払い賃金があったが、労働基準法で時効となっており、請求はしていないという。▲

■阪大元教授の補助金不正使用:元特任研究員への未払い賃金支払う /大阪
 (2011年10月26日『毎日新聞』地方版)
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20111026ddlk27040340000c.html
 ◇教授研究室に勤務
 不正経理で解雇された大阪大大学院医学系研究科の元教授(65)=詐欺容疑で書類送検=の研究室に勤務していた元特任研究員の女性(53)に対し、阪大が今月中旬、未払い賃金300万円を支払っていたことがわかった。女性が茨木労働基準監督署に相談して、研究室の勤務簿とは別に、本人が勤務状況のメモをつけており、大学側は未払いを認めた。
 阪大によると、女性は07年4月、特任研究員として大学に採用され、同研究室で週20時間勤務していた。その後勤務実態はほとんど変わらなかったが、09年6月以降の雇用契約が、週2、3時間勤務に変わっており、賃金は実態を無視して減らされていた。
 労基署は7月、阪大に調査をするよう指導。阪大が女性や同僚に聞き取りを実施して未払い賃金があることがわかった。【熊谷豪】▲

金城学院大・名城大の非常勤講師問題

■提訴:契約打ち切りや授業時間短縮 非常勤講師ら、2大学を /愛知
 (2011年10月22日『毎日新聞』地方版)
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20111022ddlk23040206000c.html
 不当に非常勤講師の契約を打ち切られたり担当する授業の時間を減らされたとして、元金城学院大英語講師の斉藤直美さん(64)と、名城大英語講師の加藤治子さん(42)が21日、それぞれの大学に地位確認や100万~200万円の慰謝料などを求め、名古屋地裁に提訴した。
 訴状によると、斉藤さんは05年から金城学院大に勤務して契約を毎年更新していたが、10年7月、大学側から11年度は契約を更新しないと伝えられた。理由は「シラバス変更のため」「学生アンケートの評価が低い」と二転三転し、詳しい説明は無かったという。
 加藤さんは08年から名城大に勤務し、10年度は週10コマを担当。だが10年12月、11年度からは4コマに減らすと通告され、交渉を経て現在は平均週6コマになっている。
 斉藤さんは「大学は不当な理由を次々に持ち出し、納得できない」、加藤さんは「他にも授業を減らされた非常勤講師がいる。立場が弱く声を上げる人は少ないが、許せない」とそれぞれ話した。
 両大学はそれぞれ、「今はコメントできない」などとしている。【岡大介】▲

阪大外国語学部の非常勤講師問題

■外国語学部の非常勤講師3年でゼロ 阪大、リストラ提案
 (2011年10月25日 asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201110250043.html
 4年前に大阪外国語大学が統合されてできた大阪大学外国語学部で、教育担当理事から、同学部の非常勤講師を3年でゼロにするリストラの提案が出された。講師が担ってきた年間900コマ以上の授業がなくなることになり、教職員組合は「教育の質が維持できない」と反発を強めている。
 大阪大の東島清副学長兼理事が19日に提案した。外国語学部は、モンゴル語やインドネシア語など25の専攻語を使ってその国の歴史や文化を学べるのが特色で、そのほとんどと英語の授業を非常勤講師が担い、今年度は915コマの授業を行ってきた。だが大阪大は2004年の法人化以降、一般教養に当たる全学共通教育科目以外では原則として非常勤講師は雇用していないことから、「基準にならい、非常勤講師は3年をめどにゼロにしたい」と提案した。
 これに対し、教職員組合は24日、「外国語学部は各言語10~40人の少人数編成で、非常勤講師なしでは運営できない」などとする抗議声明を出した。削減計画を知った学生にも動揺が広がる。1年の女子学生は「マイナーな言語をしっかり学べる大学は全国にもほとんどない。非常勤講師の持つ少人数の授業がなくなれば、ここを受験した意味がなくなってしまう」と心配する。▲

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■阪大外国語学部、非常勤講師ゼロ案を取り下げ24%削減
 (2011年10月26日 asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201110260012.html
 学部独自で雇用する場合を除き、大阪大が外国語学部の非常勤講師を3年間でゼロにするリストラ提案をした問題で25日、教育担当の東島清理事と高階美行・外国語学部長が話し合い、外国語学部側が提案した、4年間で24%削減する案で合意した。非常勤講師の受け持つ授業は、現在の年915コマが2015年度に年701コマになる見込みという。
 リストラを提案した東島理事は、「どうしても必要な科目を残したいという説明を受けて、教育の質を低下させてはいけないと判断した」と話している。▲