集会での上映作品『私に賞味期限はありません!』と大椿さんからのメッセージ


集会で上映した、大椿裕子さん作の3分ビデオ『私に賞味期限はありません!』です。
2011年12月4日、《レイバーフェスタ2011》で上映された作品です。

以下、作者の大椿さんからのメッセージです。

■第3回「なんで有期雇用なん!?」集会にお集まりのみなさんへ

 2010年3月末、4年間勤務した関西学院大学を、有期雇用であることを理由に雇い止め解雇になった大椿裕子(おおつばきゆうこ)です。初回から実行委員として参加していたこの集会に、今回は参加することが出来ず、その代わりに私が初めて作った、拙い映像作品をみなさんに見ていただきました。
 「私に賞味期限はありません」というタイトルは、関学との団体交渉の中で、繰り返し感じてきた私の思いです。「なぜ、この業務が有期雇用でなければならないのか」というこちらの問いに対し、彼らは「新しい考え方、新しい知識、技術をもった人を4年ごとに入れ替えるのが関学の重要な人事政策である」と言い続けました。「あなたの能力は4年も経てば枯渇する」そう言われているようでした。経験を重ねることによって、より質の高い仕事が出来るようになるという可能性について考えることは、彼らには許されなかったのです。絶対に、考えてはいけなかったのです。
 38歳になり、私が抱える現実や思いとは別のところで、一方的にリミットを設けられていることの多さに気づきました。労働者としてだけではなく、女として、子どもを産む性として、私ではない誰かが、私の賞味期限を勝手に決めるのです。そして、私自身も次第にそこに絡め取られていくのです。「まったく、余計なお世話だわっ」、そんな思いでこの作品を作りました。
 2009年2月から始まった私の争議も、3年を迎えました。雇い止め解雇になり2年が経とうとしています。2010年3月に大阪府労働委員会に申し立てた不当労働行為救済申立は、2011年5月に全面棄却となりました。「組合加入前から、4年で雇い止めになることは決まっていた。学院はそれに対する十分な説明はしてきた」と府労委は学院側の主張を全面的に認めました。しかし「法人側の規定・労働契約及び人事政策等の合理性の有無はともかくとして」という表現を3度に渡り使用し、法人側に問題があったことを臭わせながらも、法人の規定・労働契約・人事政策等が、不当労働行為とどう関係しているのかという点については調査を避け、判断しませんでした。
 その後、中央労働委員会に再審査申立を行い、先日2月21日、私の証人尋問を行い結審しました。4月初旬、最終陳述書を提出し、約3ヶ月後には命令が出ると思われます。中労委第1回調査の時、労働者委員からこう言われました。「僕の経験から言って、この手の事件は新幹線代の方がもったいない」と。つまり、勝ち目はないから、早く結審して、あなたは証人尋問で言いたいことだけ言って、いい条件で金銭和解した方がいいよと言いたいのだなとわかりました。屈辱的でした。労働者を救済する場である中央労働委員会で、労働者委員によって、そのようなはなからやる気のない戯言を聞かされたのです。もちろん、証人尋問の場でその発言について触れ、「あなたたちの中に、有期雇用に勝ち目はないという前提がないか?その思考停止を自分に許さないでほしい。司法も、労働委員会も契約ありきで、その先にある不当労働行為性については踏み込まないようにしている。一歩踏み出す勇気を持ってほしい。そして、あなたたちのプライドをかけて審査し、その結果を命令として私に突きつけてください」と伝えてきました。
 今、国は、有期雇用法制について議論し、「5年以上勤務した者は、本人の希望があれば無期雇用にする」という法案を立法化しようとしています。有期雇用を経験したあなたならわかるでしょ? この法案が、はしにも棒にも引っかからない法案であることを。しかも「本人の希望があれば無期雇用」という、どこまでも上から目線。この法案をこのまま通してはいけません。
 非正規の数は、いまや35%。もう3分の1以上を占めているのです。立ち上がりましょう! 私たち非正規が立ち上がり、横に手をつなぎましょう。今の社会は、私たち非正規に依存して成り立っているのです。私たちが本気でストライキを起こせば、この社会は止まります! それくらい力があるのです。私たちの存在と、私たちが持つ力を信じましょう!
大椿 裕子

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