「非正規雇用:パート・派遣・契約、共通の対策を 厚労省が懇談会」

■非正規雇用:パート・派遣・契約、共通の対策を 厚労省が懇談会
 (2011年6月24日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110624ddm008010060000c.html
 厚生労働省は23日、有識者らでつくる「非正規雇用のビジョンに関する懇談会」(座長・樋口美雄・慶応大商学部長)の初会合を開いた。非正規雇用に関しては、これまでパートや派遣など雇用形態ごとに対策を講じてきたが、正社員ではない働き手が増え続ける中、雇用の安定や処遇改善を共通の課題としてとらえ、対策を打ち出すことにした。年末をメドに対策を立てるのに必要な理念をまとめ、政策立案に生かす。
 総務省の労働力調査によると、長引く不況に伴い、パートやアルバイト、派遣、契約社員などの非正規雇用労働者は年々増えている。10年には1755万人と00年(1273万人)の約1・4倍となり、全労働者に占める割合も8・3ポイント増の34・3%に達した。
 いったん非正規労働者となると技術の習得が進まず、正社員になるのは難しい。10年の平均基準内賃金は、正社員・正職員が31万1500円なのに対し、それ以外は19万8100円。とりわけ15~24歳層の非正規雇用が増えており、この層は生涯、待遇が悪いままとなる懸念がある。
 非正規雇用労働者は、解雇や雇い止めで雇用調整の対象にされやすい▽時間あたりの賃金が安い▽職業訓練の機会が乏しい--など共通課題も多い。懇談会では、委員から非正規雇用の問題点として「健康保険や厚生年金など国の制度は非正規労働者を雇用した方が(企業負担が少なく)企業に有利」「西欧と比べ日本では非正規から正規への転換が少ない」ことなどが指摘された。非正規雇用のあり方として「職業能力の開発の仕組みを議論すべきだ」との意見もあった。【和田憲二、堀井恵里子】▲

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