【呼びかけ文】「もうすぐ、雇い止めになる貴方へ」

「もうすぐ、雇い止めになる貴方へ」
(2011/02/19)

――貴方も雇い止めになってしまうんだってね。
つらいよね、悔しいよね、途方にくれているんだね。私もそうだったからよくわかるよ。
でも、あきらめてはいけない。私たちといっしょに闘おう。

――クビになって声を上げるなんて恥ずかしいって?
私もそう思ってた。自分の失業を公表するなんて、って。でも気づいたんだ。人間としての尊厳を踏みにじられて黙っていることの方が、ずっと恥ずかしいことだって。

――闘う余裕なんて無いって?
今、おとなしく雇い止めを受け入れて引き下がって、幸運にも次の職が見つかっても、しょせん有期は有期……。3年後、5年後にはまた放り出される。どんなに貴方ががんばって働いても、それが評価されることはない。際限のない有期雇用の繰り返し、出口なんて一生見つからないんだよ。

――有期雇用しか見つからないのは、自分のせいではないかって?
何度も不採用になると、そう思ってしまうよね。私も何十と応募しては落ちた頃、自己評価が下がり、鬱病になるほど悩んだよ。でも自分を責めてしまったら、雇用者側の思う壺だ。
考えてもみて欲しい。1つのポストに100人以上の応募があるんだよ。99%が落ちるのは、果たして自己責任だろうか? 椅子取りゲームの椅子の数が絶対的に足りないのは、社会の責任ではないのか。

――大学の経営状態が悪いから、有期でも仕方がないって?
そういう大学に限って、非正規雇用で人件費を浮かして、数十億の設備投資に走り、巨額の内部留保を溜め込んでいるじゃないか。浮かせた人件費で学費を下げたとか、経営が苦しいから正規職員や専任教員の給与を減らしたなんて話を、貴方は聞いたことがあるだろうか。

――声を上げたって、負けるに決まってるって?
確かにそうかもしれない。でも黙っていては決して変わらない。それどころか悪くなる一方だ。世間では安定職だと思われている大学教職員が使い捨てにされている実態を、知ってもらわなければいけない。
刀折れ、矢尽きるまで闘い抜いた敗北は、屈辱に甘んじる「平穏」より、数段価値があると私は思う。

一人一人の闘いはささやかでも、私たちが手を取り合えば、それは大きなうねりになる。
連帯の力を信じて、私はいつでも貴方に手を差し伸べる。
貴方の勇気を信じて、私は何度でも貴方の心に届くまで呼び掛ける。

――さあ、いっしょに闘おう。

*これは、デモ用チラシ裏面に掲載した、実行委から(集会参加者/沿道の方々/そしてこのブログを見ているかたへ)の呼びかけ文です。

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