【新刊】西谷敏『人権としてのディーセント・ワーク』

■西谷 敏 2011/01/20 『人権としてのディーセント・ワーク――働きがいのある人間らしい仕事』,旬報社,355p. ISBN-10: 4845112078 ISBN-13: 9784845112074 2100円

不安定な非正規労働者が急増する一方で、正社員が働きすぎて過労死したりメンタルな病にかかる現実・・・。
憲法がすべての国民に基本的人権として保障する「人間らしい仕事」を実現するために雇用と労働のあり方を問う!

■今週の本棚・新刊:『人権としてのディーセント・ワーク』=西谷敏・著(旬報社・2100円)
 (2011年2月27日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/enta/book/news/20110227ddm015070010000c.html
 「一に雇用、二に雇用、三に雇用」と菅首相は連呼したけれど、雇用の量もさることながら、雇用の質はどうなのか。非正規など不安定で劣悪な条件の雇用が増えるだけなら、ますますワーキング・プアを増やすことにもなる。その一方で、正社員の過労死が後を絶たない。だからこそ人権としての「ディーセント・ワーク」を、と労働法学者の著者は言う。
 もともと「ディーセント・ワーク」=「働きがいのある人間らしい仕事」は、ILOが一九九九年に掲げたもの。でも実は、スミス『国富論』にも、すでに「ディーセント」という言い回しがあった。贅沢(ぜいたく)や華美ではない「人間らしいまともな」生活。二世紀以上も前に語られたこの語が、今、労働のありようを巡って切実さを増している。(達)▲

雇用年限問題のポイントがよくわかる事例

■嘱託職員雇い止め 福岡市男女共同参画センター 専門性高くても年限 自治体 「機会均等」名目 導入進む
 (2011/02/24付『西日本新聞』朝刊〔2月24日15:40UP〕)
http://nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/topics/20110224/20110224_0001.shtml
 福岡市男女共同参画センター・アミカスの3人の女性嘱託職員が、3月末で雇用を打ち切られる。嘱託職員の雇用継続を最長5年とする市の「雇用年限」に掛かるためだ。低待遇の非正規職員が全公務員の約3割を占める中、女性の就労を支援する拠点施設さえも、雇用不安の波にさらされている。 (下崎千加)
 「市が失業者を生み出すのか」「官製ワーキングプアを許すな」。雇用継続を求め、市役所前で17日に開かれた集会には、福岡県内の自治体職員ら約500人が集まった。自治労県本部が「非正規の問題を放置すれば、正規の労働環境も悪化する」と呼び掛けた。
 アミカスでは、定期異動がある正規職員8人と、毎年雇用を更新する嘱託職員(週27・5時間勤務)11人が働く。課長や係長は正規が務め、嘱託はドメスティックバイオレンス(DV)やセクハラの相談業務、司書業務、講座運営など市民と接する仕事をする。昇給や手当はなく、年収は正規の3分の1―2分の1だ。
 雇い止めになるのは、5年の年限を迎え、市が昨年末に行った選考試験で不合格になった3人。
 アミカスが市直営となったのは2006年度から。それ以前に運営していた市女性協会時代も含めると、3人の勤続期間は6―22年になる。DV被害やセクハラへの対応など、専門性が高く、相談者との継続した信頼関係が欠かせない仕事をしてきた人もいる。
 選考試験について、市は「外部の有識者を入れて公平公正に行った」と説明。初めから雇用継続を望まなかった1人の枠も含め、新たに4人を公募選考中だ。
 非正規職員は年々増え、自治労の08年調査で推定約60万人。内閣府によると、男女共同参画センターは42%(08年)を占める。保育所や図書館など行政サービスを行う施設が増える中、財政難の自治体が低賃金で済む非正規で賄ってきたことが背景にある。
 実際に、職員の過半数が非正規の町村や、福岡市のように司書全員が嘱託といった職場も少なくない。総務省は「臨時的・補助的な業務」との見解だが、「実態とかけ離れている」との指摘もある。
 3―5年の雇用年限は「雇用の機会均等」を名目として全国的に導入が進む。福岡県でも約4割の自治体で採用している。こうした現状について、非正規職員や労組でつくる「官製ワーキングプア研究会」の白石孝事務局長は「アミカスのように、経験と専門性がものをいう職場では、雇用年限の適用はそぐわない」と批判。一方、福岡市は「できるだけ多くの市民に嘱託職員になる機会を与えることが目的。嘱託職員には採用時に、最長5年であることを伝えている」と説明している。
 ●「女性向け」職場 非正規多く 男女の待遇格差助長
 ▼江原由美子・首都大学東京教授(女性学)の話 公務員、民間とも非正規率は約3割。特に非正規公務員は労働関連法の谷間に置かれ、待遇も悪い。うち8割が女性で、保育所、給食調理など、一般に女性比率が高い職場ほど非正規率も高い。「人の世話をする」家事労働を連想させる仕事を「女がして当たり前」「お金を払うに値しない仕事」と位置付け、非正規でよしとしている。ジェンダー問題であり、男女の待遇格差を助長していると考えるべきだ。
 こうした状況を改善する拠点であるはずの男女共同参画センターで雇い止めが起きているのは問題だ。福岡市以外でも同様の例がある。
 公務員バッシングのしわ寄せは、組合に守られた正規ではなく、非正規に向けられる。「労働の対価」の切り下げは行政サービスの低下につながり、巡り巡って私たちの生活の質も悪化させかねない。▲

関西テレビの報道

■大学の雇い止め問題 教職員らが抗議集会
 (2011年2月19日17:30-18:00 関西テレビ《FNNスーパーニュース》)

■大学に広がる雇い止めに抗議
 (2011/02/19 18:08更新-関西テレビ[関西のニュース])
http://www.ktv.co.jp/news/date/main.html#0363576
大学で非正規の教職員を雇い止めする動きが広がっている問題について当事者の教職員たちが京都で集会を開きました。
この集会には、大学の教職員など約100人が参加し、雇い止めされた教職員などが現状を報告しました。大学では、国公立・私立を問わず、3年から5年の有期雇用で契約した非正規の教職員を雇い止めしながら、同じポストに新しい教職員を採用する動きが広がっています。関西学院大学を雇い止めされた大椿裕子さんは「能力がないからではなく期限だからというだけで(教職員を)切っていくことは、力を持つ人間が育たないんじゃないか」と話していました。教職員らは仕事は続くのに人だけを入れ替える雇い止めの不合理さを訴えていました。▲

リターンズも大盛況のうちに終わりました!

本日の《「なんで有期雇用なん!?」リターンズ@京都――大学非正規労働者の雇い止めと闘う緊急集会》には、昨年同様約100名の参加者があり、大盛況でした!
その後のデモ・懇親会にも引き続き多くの方々が参加してくださいました。
デモではたくさんの旗・のぼりで埋め尽くされた大通りに「なんで有期雇用なん!?」の叫びが響きました。
懇親会では熱唱あり、即興のセッションあり、「くびくびカフェ2周年記念ケーキ!」ありで、大いに盛り上がりました。
参加されたみなさん、また応援メッセージを送っていただいたみなさん、本当にありがとうございました!
正念場はこれからです。「なんなん」メンバーもがんばりますが、全国各地で同じように闘っているみなさんも、がんばってください!
Don't give up! Say “なんで有期雇用なん!?”

2011集会応援メッセージ⑥

みなさま、応援ありがとうございます。

◆湯浅誠(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい反貧困ネットワーク
【メッセージ】
いま国を挙げて、社会保障の未来について騒いでいる。なぜ社会保障改革が必要なのか。世界一の高齢化社会だからだ。なぜ人口に占める高齢者の割合が高いのか。子どもたちが生まれてこないからだ。なぜ生まれてこないのか。出産に不安があるからだ。なぜ出産に不安があるのか。現在および将来への不安があるからだ。なぜ現在および将来に不安があるのか。今の働き方が不安定だからだ。なぜ働き方が不安定なのか。有期雇用規制がないからだ。……こうして有期雇用規制の問題は社会保障のあり方、社会のあり方を問う話になる。しかし、両者が結びつけて語られることは少ない。どこで、どうして、誰が、このつながりを断ち切っているのだろうか。私たちはそこを見つけて、小さい力を集めて集めて、なるべく効果的・効率的に働きかけていこう。

浅野健一(同志社大学社会学部メディア学科教員)
【メッセージ】
大学には社会の中にある諸問題を議題設定し、その解決策を探ることがさぐる営為が求められている。その大学が非正規雇用を拡大し、労働者を不当に解雇しているのは許されることではない。各大学の教職員組合は、「有期雇用」の問題を真正面から取り上げてるべきだと思う。集会の成功を祈ります。

◆山本精一
【メッセージ】
かつて、勤務先の大学で、マイノリティー・ウィークという手作りの取り組みを、有志の学生・教職員たちと協力して作り出していったとき、ともに労しつつその取り組みを主体的に担ってくださった椿に対して、私は深い信頼をもっています。
そのとき、椿が示してくれた行動力、創造性、弱い立場に置かれた人々への暖かく細やかな思い、権力をかさに着た者どもへの毅然とした勇気を、私は忘れることができません。
その椿が取り組んでいる今の闘いに、香川の片隅から心からの声援を送ります。

本日のスペシャルゲスト


集会とデモの両方に参加していただきます、釜凹バンドです!
お楽しみに!

【呼びかけ文】「もうすぐ、雇い止めになる貴方へ」

「もうすぐ、雇い止めになる貴方へ」
(2011/02/19)

――貴方も雇い止めになってしまうんだってね。
つらいよね、悔しいよね、途方にくれているんだね。私もそうだったからよくわかるよ。
でも、あきらめてはいけない。私たちといっしょに闘おう。

――クビになって声を上げるなんて恥ずかしいって?
私もそう思ってた。自分の失業を公表するなんて、って。でも気づいたんだ。人間としての尊厳を踏みにじられて黙っていることの方が、ずっと恥ずかしいことだって。

――闘う余裕なんて無いって?
今、おとなしく雇い止めを受け入れて引き下がって、幸運にも次の職が見つかっても、しょせん有期は有期……。3年後、5年後にはまた放り出される。どんなに貴方ががんばって働いても、それが評価されることはない。際限のない有期雇用の繰り返し、出口なんて一生見つからないんだよ。

――有期雇用しか見つからないのは、自分のせいではないかって?
何度も不採用になると、そう思ってしまうよね。私も何十と応募しては落ちた頃、自己評価が下がり、鬱病になるほど悩んだよ。でも自分を責めてしまったら、雇用者側の思う壺だ。
考えてもみて欲しい。1つのポストに100人以上の応募があるんだよ。99%が落ちるのは、果たして自己責任だろうか? 椅子取りゲームの椅子の数が絶対的に足りないのは、社会の責任ではないのか。

――大学の経営状態が悪いから、有期でも仕方がないって?
そういう大学に限って、非正規雇用で人件費を浮かして、数十億の設備投資に走り、巨額の内部留保を溜め込んでいるじゃないか。浮かせた人件費で学費を下げたとか、経営が苦しいから正規職員や専任教員の給与を減らしたなんて話を、貴方は聞いたことがあるだろうか。

――声を上げたって、負けるに決まってるって?
確かにそうかもしれない。でも黙っていては決して変わらない。それどころか悪くなる一方だ。世間では安定職だと思われている大学教職員が使い捨てにされている実態を、知ってもらわなければいけない。
刀折れ、矢尽きるまで闘い抜いた敗北は、屈辱に甘んじる「平穏」より、数段価値があると私は思う。

一人一人の闘いはささやかでも、私たちが手を取り合えば、それは大きなうねりになる。
連帯の力を信じて、私はいつでも貴方に手を差し伸べる。
貴方の勇気を信じて、私は何度でも貴方の心に届くまで呼び掛ける。

――さあ、いっしょに闘おう。

*これは、デモ用チラシ裏面に掲載した、実行委から(集会参加者/沿道の方々/そしてこのブログを見ているかたへ)の呼びかけ文です。

デモ用チラシ

明日、集会に参加してくれたみなさん、ならびにデモコースで出会う沿道の方々に配るチラシをUPしました。

【こちら】(PDF/476KB)からダウンロードしてご覧ください。
*リンク先画面左上の[ファイル]をクリック→[元のファイルをダウンロード]をクリック

1ページ目が表面、2ページ目が裏面になります。

2011集会応援メッセージ⑤

*<京滋私大教連>からのメッセージです。

2.19大学非正規労働者の雇い止めと闘う緊急集会への連帯のメッセージ
2011年2月19日(土)
 本日、「大学非正規労働者の雇い止めと闘う緊急集会」が開催されるにあたって、京滋私大教連より連帯のメッセージを寄せさせていただきます。
 この間、正規労働者を非正規労働者に置き換える動きが急速に進む中で、日本の雇用構造は激変しています。この10年間で正規雇用は1割以上減少する一方、非正規労働者は1.5倍に増加し、3人に1人は非正規労働者という状況になっています。「民間給与実態調査」(国税庁)によれば、1998年以降、年収200万円未満の労働者が増え続ける中で、2006年にはついに1000万人を超える状況となっており、今や5人に1人が年収200万円未満という深刻な事態となっています。
 企業が、非正規労働者を活用する最大の理由は「人件費の節約」であり、非正規労働者を安上がりな労働力として大量に活用しています。企業が好況時には大量の非正規労働者を雇い入れながら、不況になると一転して「非正規切り」「派遣切り」をおこなったため、日本の雇用環境は雇用構造、労働条件の両面で悪化の一途を辿っています。
 大学においても、多くの非正規雇用教職員が日常の教育活動や学生指導など、多様な業務に携わっています。しかし、教育現場における任期制教員をはじめとした非正規雇用の拡大は、「教育の継続性」などの観点からも多くの問題を投げかけています。また、契約職員の雇用条件の「改善」を図るという名目で、雇用期限を3年から5年に延長する制度の導入を進める大学も見受けられますが、業務の継続性があるにもかかわらず、5年で契約終了となることには、大きな問題があると言わざるをえません。
 一般企業と異なり、教育現場では合理的理由のない非正規雇用教職員を拡大することなく、学生に対して責任ある教育・研究活動を進める体制の確立が「教育の質」に直結する問題になっています。
 私たちは、現在の教育・研究環境の改善・整備を進めるためにも、非正規雇用教職員の処遇改善を積極的に図っていく必要があると考えています。
 また、大学院の重点化・拡充政策が進められるもとで、任期付きの博士研究員(ポスドク)や専業の非常勤講師という不安定な立場の労働者が数多く生み出されるとともに、仕事に就けずフリーター化する「高学歴ワーキングプア」が増大していることは非常に重大な問題です。
 特に、高度専門職業人の養成に目的を特化した課程として「専門職大学院」が創設され、法曹家や公認会計士の養成、ビジネス・MOT(技術経営)、公共政策など多くの分野で開設が進む一方、法科大学院では卒業後の司法試験に合格する割合が、実質的には半分以下という厳しい状況にあります。
 こうした大学院には、多額の公費が投入されるとともに、学生にとって高額の学費負担を強いられているにもかかわらず、社会において将来活躍の場を求めることもできないような不安定雇用者を大量に生み出していることは、社会的にも断じて許されないことです。
 私たちは、このような非正規雇用労働者をめぐる諸問題を正面から受け止めて、政府や関係省庁に問題の改善を強く求めていくとともに、多くの労働者の広範な連帯と共同によって深刻な事態を切り拓いていきたいと考えています。本日の集会での議論と取り組みを通して、そのような連帯と共同の輪がいっそう広がることを願っております。
以上

2011集会応援メッセージ④

みなさま、応援ありがとうございます。

◆白崎朝子(安全な労働と所得保障を求める女性介護労働者の会)
【メッセージ】
京大のユニオンエクスタシーの二人がストライキを始めて、もうすぐ2年になる。たまたま立ち寄ったがウンのツキで、ハマってしまった極寒の京都でのストライキテントのコタツ。
毎日、鍋を作りながら寝泊まりした日々を私は忘れらない。
有期雇用問題は、この国のありとあらゆる場面で、人々を不安定な暮らしに追いやっている。このまま有期雇用を温存させていたら、いま既に壊滅的な社会保障制度は、底が抜けてしまうだろう。
それでも私は大椿さんや嶋田さんなど関西のみんながつながって、がんばって闘っている事に、絶望ではない、希望の萌芽を見出す。
みんなの存在じたいが希望なんだ。
なかなか関西に行けないけど、いつも、東京の地から関西のみんなの闘いを祈っています。

◆龍谷大学教職員組合執行委員会
【メッセージ】
本日、集会にご参加の皆さまに連帯のメッセージをお送りします。
わたしたち龍谷大学教職員組合は、組合員である嶋田ミカさんの「雇い止め」裁判を支援しております。また、龍谷大学に働く非常勤講師や非専任職員の労働条件の改善をめざして、取り組んでおります。本日は、大学における非正規労働者の問題について、活発な意見交換がされ、本集会が実りある成果をあげられますことを祈念いたしております。

池田幸代(福島みずほ秘書/新宿野宿者女性の会「心を開く輪」メンバー)
【メッセージ】
 私は大椿裕子さんの友人で、嶋田ミカさんとは野宿者の女性の支援活動を通じて知り合いました。
 共に仕事の糊しろを超えて、目の前にいる/国を超えてサポートの必要な人を支援する活動に携わってきた人です。
 多分これまで、「声をあげて助けを求めていいんだよ」、「自分一人で悩みを抱えて泣き寝入りしなくていいんだよ」と人に語りかけてきたはずです。
 だからこそ、自分が受けた不当な扱いに対して異議申し立てができたのだと思います。そして、一人の異議申し立てはネットワークを作り、運動に繋がり、社会化されていくはずです。
 大変なことには違いないのですが、人と繋がり、気合を入れて運動を作ることがカッコイイと捉えられる社会にしたいと私も思います。
 この間、政治が経済界の言いなりになり、労働者を使い捨てにし、雇用をぶち壊してきました。目先の金儲けにしか関心のない人間が政治や経済や教育を語るな、ときっぱり申しあげたい気持ちです。
 長期的に見れば、技術やノウハウを獲得し、職場の業務を把握し、人間関係の築けた労働者が職場にいることこそ大事です。
 今日お集まりになった皆さんが抜けた職場は実は困っていると思います。
 有期雇用で雇い止めされる人を減らすために力を尽くすことはもちろんなのですが、まずは正規・非正規を問わず生活が維持できる細やかで役に立つセーフティネットも必要だと感じています。

◆屋嘉比ふみ子(ペイ・エクイティ・コンサルティング・オフィス[PECO]
【メッセージ】
有期雇用の雇止めは、1960年代後半から公務現場の臨時職員に対して強行されてきたことです。半世紀にわたり、「仕事は継続していくのに、労働者の首だけが挿げ替えられる」という実態が公務員の間で続いてきたのです。私たちは1980年代から、公務現場における臨時職員の女性労働者の雇止めに対して、関西で3つの大きな裁判闘争を闘いました。国鉄、兵庫県職、大阪大学での臨時職員の解雇撤回闘争です。国や県を相手取ったため、すべて敗訴でしたが、長期にわたる裁判闘争は全国的な闘いとなりました。国鉄闘争は28年経った今でも続いています。原告は膨大なエネルギーと労力を使い果たし、それでもがんばっています。
私たちが求めることは、すべての労働者が均等待遇を享受することです。希望すれば働き続けることができる、生きられるという当たり前の人権を確保することです。
全国の仲間たちと連帯し、いわれなき雇止めを撤回させましょう。

福島みずほ(社会民主党党首)
【メッセージ】
「「なんで有期雇用なん!?」リターンズ@京都――大学非正規労働者の雇い止めと闘う緊急集会」にお集まりの皆さん、こんにちは。社民党党首福島みずほです。
皆さんが、日頃から労働条件の向上に向けてご努力されていることに心から敬意を表します。
今、通常国会では衆議院で予算を審議しています。社民党は、これまで通り法人税の引き下げ、沖縄米軍基地関連予算に反対だと声を上げて、頑張っているところです。 
しかし、菅政権は昨年から、「一に雇用、二に雇用、そして三に雇用」と雇用の確保が重要であると訴えていますが、なかなか、労働環境の改善、雇用の確保につながるような動きは見えていません。
社民党の1丁目1番地は、労働者や生活者の安心安全な生活の再建です。労働者派遣法の改正は、残念ながら来年の国会に持ち越しになってしまいましたが、必ずや派遣法の改正を成立させ労働法制の規制緩和にストップをかけていきます。
そして今日の集会のテーマである有期雇用の現場では、細切れ契約や雇い止めの問題が起きています。賃金や労働条件での格差があり、また、いつ雇い止めになるかという不安定な雇用であることは明白です。
かつて、私の質問に当時の桝添厚生労働大臣は、ディーセントワークとは「直接雇用・常用雇用」のことであると答弁しました。この原則こそが、人間らしい生活を支える第一歩ではないでしょうか。
そもそも労働のあり方を「直接・無期雇用」が原則であるとすれば、「長期的・恒常的な業務」への有期労働契約は、根本的に規制していくべきで、いわゆる「入口規制」を行うべきです。さらに「雇い止め」については、解雇権乱用法理の準用を強化していくなど、「出口規制」を強めるべきと考えています。
これらをきちんと法制化していくべく、今後も国会の中で頑張って参りますのでご支援をよろしくお願いします。
今日の集会が実りあるものとなり、問題を共有する人たちとの運動が盛り上がることを祈念して、心からの連帯の挨拶とさせていただきます。

脇田滋(龍谷大学法学部)
【メッセージ】
なんで有期雇用なん!
仕事が恒常的なのに契約期間を短く設定するのは、なんでなん?
不安定雇用だから賃金はむしろ高くて当たり前。なんで有期は低賃金なん?
大学は、まともに答えを返せない。
なんで有期雇用なん! この問いは鋭い。
韓国の闘いに学び、人間らしく働く権利を取り戻そう!

◆田中宏(「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」代表/元龍谷大学特別任用教授)
【メッセージ】
高校無償化法の朝鮮学校外しが最終局面を迎えており、このままだと三年生は就学支給金を手にすることなく、卒業することになります。そんな状況なので、京都に足を運ぶことはできませんが、ご了解ください。
新自由主義のもと「有期雇用」が乱用され、それがどんな現実をもたらすかの一つが嶋田さんの事件です。大学という世界でも多発している有期雇用、相互に連携をとりながら、知識と勇気を共有しつつ、前進することを願います。

◆田中玲(中崎クィアハウス)
【メッセージ】
有期雇用の限界は日本中に広がっている問題です。私の友達もいろんな所から悲鳴が聞こえて来ます。大椿裕子さんら何人かの勇気ある友人達が今、声を上げていますが、その何万倍の人々が実は同じ状況にあります。これは限られた人達の問題ではありません。いつ誰の身に起こってもおかしくない問題なのです。

◆*匿名*(大学教員)
【メッセージ】
皆さんが,手をつなぎ声をあげることは,今の日本における雇用形態の問題を浮き彫りにします。誰もが力を発揮できる雇用形態を実現するまでの道程は遠いですが,着実に近づいていきます。元気で集会を成功させてください。(北国から熱い思い込めて)

フリーターユニオン福岡
【メッセージ】
遅くなりましたが、表記の集会に賛同します。
フリーターユニオンにも、大学や大学院を出たけれどもまともな仕事はないという組合員もたくさんいます。
なんとかありついた非常勤や契約的な大学や塾などの講師で食いつないでいたりします。
また、今は河合楽器製作所で委任契約として働いていた組合員の不当な契約更新拒否を争って、ピアノ講師の労働者性を勝ち取る闘いをすすめています。
共に闘いましょう。

毎日新聞の報道

■大学・非正規問題:なんで有期雇用なん!? 19日、龍谷大で集会 /京都
 (2011年2月16日『毎日新聞』京都版)
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20110216ddlk26040443000c.html
 各地の大学で非常勤職員の雇用期間が制限され、雇い止めによる失業が問題化する中、非常勤職員が個人加盟する労組などが19日午後1時から、龍谷大学大宮キャンパス(京都市下京区)で、集会「なんで有期雇用なん!? リターンズ@京都」を開く。【日野行介】
 少子化の影響もあり、国立、私立を問わず大学経営の先行きが不透明になる中、研究助手などの非常勤職員を3~5年で雇い止めする動きが広がり、新たな失業問題として注目されている。
 集会では、京都大学の元非常勤職員で、大学構内に「くびくびカフェ」を開いて座り込みを続ける「ユニオンエクスタシー」のメンバーのほか、龍谷大や京都精華大など関西各地の大学で雇い止めに対抗する人々がそれぞれの失業危機を報告する。
 また非正規労働者の労組「アルバイト・派遣・パート関西労働組合」神戸事務所の内藤進夫さん(62)が、労組の役割や短期雇用の雇い止めと闘う方法を教える。
 参加費は資料代500円だが、非正規労働者や失業者は収入に応じて割り引きする。問い合わせは実行委員会(nandenan0227@gmail.com)。▲

2011集会応援メッセージ③

みなさま、応援ありがとうございます。

◆諸富健(弁護士)
【メッセージ】
使用者の都合のみで"人間"を見ようとしない働かせ方、それが有期雇用だと思います。
労働者が将来の不安を抱くことなく誇りを持って働くことのできる社会にするために、一緒に頑張りましょう!

◆白石孝(荒川区職員労働組合書記長なくそう!官製ワーキングプア集会実行委員会)
【メッセージ】
「何よりも安定した雇用を」、これは誰しもが望むものです。労働への意欲も待遇改善も、何よりもまずは職の継続が前提です。その前提をずたずたにしている経営者や国、自治体は本当にひどい。国は、非正規国家公務員について、3年年限を条件付ながら設定し、地方自治体は裏づけなしに全国で4割程度が3年とか5年の雇用年限を設定しています。
いま、私たちの仲間は、米沢で、新潟で、福岡で、那覇で、不当な年限解雇と闘っています。国、自治体、経営者は自分の個的利害を優先し、不安定雇用を生み出していますが、その結果が税収の低下や年金制度の危機、社会保障費の増大化に直結し、社会不安を招いています。そういった制度の崩壊を糊塗しようと、「税と社会保障の一体化」という名目で、大増税と共通番号の導入を目論む政権は、ますます市民とは相反する方向に向かっています。
今こそ、現場から、労働者がもう言う存在として、なおかつ社会連帯を築きあげる一歩の集会としてください。東京からエールを送ります。

◆ふう
【メッセージ】
有期雇用の問題に対して、もっと関心を持つ人が増えますように!
応援しています!

◆山本柚(ライター)
【メッセージ】
寒いなか、お疲れ様です。
昨年と今年の集会をつなぐ、たくさんの日々の動きが続けられていたと思います。
今年も盛会で迎えられますようお祈りしています。

北海道大学教職員組合・非正規雇用職員部会
【メッセージ】
必要とされているのに、仕事があるのに、根拠のない雇止めには全く理解できません。非正規雇用職員の期限撤廃を求める署名活動を12月後半からはじめ、1220名の署名を集めました。
しかし、10月に申し入れをしている団交を当局は受けず、いまだ実施されていません。
3月末で雇止めになる非正規雇用職員は、不安をかかえながら今も、いつもと変わりなく働いています。
この時期のこのような不安を早く取り除き、働き続けることができる環境をつくりたいです。
19日の集会には、残念ながら参加できませんが北大職組では、道内の大学の組合に協力をいただき、集会を開きたいと考えているところです。がんばりましょう。

福岡市図書館司書ユニオン
【メッセージ】
 有期雇用という制度は、非人道的で無情な制度です。全国でたくさんの非正規雇用の労働者がこの制度に苦しめられています。
 情け容赦もなく年限がきたからと労働者を切り捨て、新に雇用した労働者も次の年限が来れば又切り捨てる。結局は失業者を増大させているだけです。
 私たちは、都合よく使い捨てられるために働いているのではありません。皆、誇りを持ち一生懸命に働いています。
 雇用の不安に苛まれることなく、安定して働き生活することを望んでなにがいけないのでしょうか。
 この悪しき、「有期雇用」という制度はなんとしてもなくさなければなりません。一緒にがんばりましょう。福岡の地より連帯のメッセージを送ります。

◆宇都宮健児(弁護士/反貧困ネットワーク代表)
【メッセージ】
非正規労働者の待遇改善問題は、わが国における貧困問題解決のための最重要課題です。集会の大成功をお祈り致します。

◆鳥山淳(沖縄国際大学教員)
【メッセージ】
みんなが疑問に思ってきた「有期雇用」を正面から問う動きが、これから広がっていくことを願っています。とくに大学は、その場となるべき社会的責任と可能性をもっているはずです。

◆フランコ・ベラルディ(ビフォ) Franco Berardi (bifo)
 〔『プレカリアートの詩』『ノー・フューチャー――イタリア・アウトノミア運動史』著者〕
【メッセージ】*実行委訳
連帯のメッセージを送ります。ヨーロッパでも日本でも、プレカリ化と私物化に対する闘いは同じくです。ちょうど先週、パリでトランスナショナルなヨーロッパ集会がありました。そこでは、無数の仲間たちを代表する学生・研究者ら500名によって、金融資本主義に対する2日間の対抗行動を3月25日・26日に実行することが決定されました。

◆アレックス・フォティ Alex Foti
 〔「ユーロメーデー」・「聖プレカリオの日」運動の主催者/「プレカリアート」概念の生みの親〕
【メッセージ】*実行委訳
ブリュッセルのプレカリアス連合とメーデー・イン・ミラノを代表して、わたしたちは心からの連帯を送ります、緊縮財政のなか、不安定労働者たちを守ろう!

「非正規社員雇い止め、2000人規模削減 郵便事業会社」

■非正規社員雇い止め、2000人規模削減 郵便事業会社
 (2011.2.12 20:11 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110212/biz11021220110007-n1.htm
 日本郵政グループの郵便事業会社が、3月末で契約切れとなる非正規社員の契約更新をしない「雇い止め」によって、2千人規模の人員削減を行う見通しであることがわかった。同社には15万人強の非正規社員がいるが、収益が悪化しており、雇い止めで経費削減を目指す。労働時間の短縮などと組み合わせて、人員削減規模の抑制を図る。
 郵便事業会社は昨年12月、政治主導によって非正規社員のうち約6500人を正社員化したばかり。雇い止めは短期雇用者を対象に毎年実施している雇用調整施策で、2月末までに削減人員を確定する。現在、勤務成績評価や面談などを進めており、対象者には勤務日数や労働時間の短縮などを打診している。受け入れられない場合には、3月末で契約を打ち切る方針だ。
 非正規社員は昨年4月には14万6千人だったが、旧ペリカン便事業の従業員を吸収して現在は15万3千人に増えており、その分の人件費が収益を圧迫している。雇用情勢が悪化していることから、同社は時短などの総労働時間の圧縮を中心に経費削減を図っており、人員削減は2000人程度となる見込みだ。
 郵便事業会社が1月28日に総務省に提出した収支改善策には、人員配置の見直しなどによる人件費削減方針を盛り込んでいた。▲

「非正規労働者の厚生年金加入へ前向き 与謝野氏答弁」

■非正規労働者の厚生年金加入へ前向き 与謝野氏答弁
 (2011年2月11日1時23分 asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201102100573.html
 税と社会保障の一体改革を担当する与謝野馨経済財政相は10日の衆院予算委員会で、「社会保障制度改革では年金などに非正規労働者もきちんと加わるよう、立場の弱い人に光を当てなければならない」と述べた。いまは国民年金に加入しているパートなどの非正規労働者について、厚生年金への加入に道を開く考えを示したものだ。
 会社員が加入する厚生年金には労働時間などの条件があるため、非正規労働者の多くは入れない。年金制度改革の中で、厚生年金の対象となる条件を緩和していく方向だ。国民新党の下地幹郎氏の質問に答えた。▲

『労働再審3 女性と労働』

◆藤原 千沙・山田 和代 編 2011/01/20 『労働再審3 女性と労働』,大月書店,288p. 2600円+税

「現代の貧困問題の根は女性労働にある――男性の遥か以前から低条件や無償の労働を強いられてきた女性たちの働き方を再検証する。」

★→大月書店による紹介ページ

2011集会応援メッセージ②

みなさま、応援ありがとうございます。

◆*匿名*
【メッセージ】
大学で任期付教員をしています。
今まで制度上は再任に制限がありませんでしたが、ついに5年までという規定が正式に設けられました。
大学の教育っていったいなんなのでしょう。
みなさんの勇気ある行動に敬意を表します。

◆竹中恵美子(元龍谷大学経済学部特別任用教員/大阪市立大学名誉教授)
【メッセージ】
労働権は、まさに人権の柱です。近年大学での安易な雇い止めが蔓延し、高学歴ワーキング・プワーの問題が、大きな社会問題となっています。しかし正当な理由のない雇い止めは、許されるべきものではありません。
この度敢えて訴訟に踏み切られた嶋田ミカさんの決意を思う時、それは尋常なものではなかったと思います。その行動は、同じ経験を持った人たちの絶望を、勇気に変えることでしょう。
私はいま体調が悪く何も出来ませんが、ぜひ筋を通した生き方で、頑張って欲しいと思います。

水月昭道『高学歴ワーキングプア』著者)
【メッセージ】
一生懸命に働いていたのに、ある日「任用期間の終了に伴い、退職手続きをお願いします」と書類が届く。三年に一度くらいの頻度で「次」を探さねばならない。三回くらい繰り返すと、もう「高齢者」と認識され「その次」は見つからない。いつの頃からか我が国の大学で当たり前にみられるようになった雇用形態である。新しく募集があるポストでは「任期」がついていないものを探すほうが難しいほどだ。若者を「社会を支える人材」へと育て上げる役割を担う大学で、教える側・サポートする側の教員・職員が「使い捨て」にされ疲弊している。日本の社会に元気が回復しない理由もうなずけよう。

福岡地区合同労働組合
【メッセージ】
 私たちは福岡地区合同労働組合です。私たちも非正規雇用の代表的象徴である派遣切りの闘いを続け、昨年12月末に派遣先サニクリーンへ争議責任を認めさせ、謝罪を勝ち取る事ができました。現場と労働委員会と裁判という3本柱での闘いを続け、県労委では、派遣元サン・パートナーの救済命令を獲得しました。しかし1年契約の更新を続けていたと言う理由で、一年分の雇用しか認めない内容でした。さらには、派遣先のサニクリーンに至っては救済命令は認められませんでした。派遣法の限界の中で、派遣先の法的責任が認められにくい現状の中で、派遣先企業における現場就労闘争を貫徹し、争議行為禁止仮処分申請攻撃をはね返し、最高裁においても勝利したことの結果として、この勝利和解が勝ち取れたのだと思います。
 派遣労働者の派遣先における争議権の獲得、認知という点において、派遣労働者の地位と権利の向上の一歩に繋がった闘いであったと思います。今回の勝利解決を今後の有期雇用労働者、不安定雇用労働者の権利獲得闘争につなげて行きたいと思います。これからも皆さんと団結して共闘関係を築きながら共にすべての争議団勝利に向けて頑張って行きましょう!

◆しんちゃん
【メッセージ】
共に闘い、共に勝利の時まで声を上げ続けましょう!!世の中を動かす力を信じ、心より賛同致します。

◆永嶋靖久(弁護士/枚方法律事務所
【メッセージ】
昨年大阪高裁は、枚方市非常勤職員手当支給事件で、定数条例潜脱目的の「非常勤」を「非常勤」と呼ぶことに法的意味は全くない、「任用」も自治体と労働者の合意に基づく、という判断を示しました。当たり前のはずなのにそれがなかなか通らない。すべての大学で、労働者にとって当たり前のことを当たり前に。みなさんの運動の力でそれが実現されるよう、心から願っています。

生田武志(野宿者ネットワーク代表)
【メッセージ】
野宿の問題で活動を続けてきましたが、特にここ数年、雇用の問題が人の生活を破壊するようすを見せつけられてきました。
なんで有期雇用なのか。かりに有期だとしても、失業のリスクが高い分、無期雇用よりも時給が高くなければ整合性がないのではないか。安い賃金で使った上、簡単に人をお払い箱にするような大学は、教育や人権を語る資格はないのではないか。
当事者として声を上げているみなさんにエールを送ります。

◆浜島恭子
【メッセージ】
Let's give flowers for those who fight for themselves and the public good.

◆塩見卓也(弁護士)
【メッセージ】
大学非正規の問題は、日本の非正規労働、特に有期雇用問題の縮図だと思います。逆に、そのように問題点が分かりやすく集約されている場であるからこそ、大学非正規の問題を社会に訴えることが、まさに有期雇用、非正規労働の問題を打開するための突破口になると思います。皆さんの頑張りに期待します。
今後とも、ともに訴訟、運動の両面で頑張りましょう。

中村和雄(弁護士)
【メッセージ】
弁護士の中村和雄です。何の合理的理由もないのに期限が来たからおしまい、こんな不正義を許すことはできません。非正規労働者の権利を確立し、人間らしい働き方に変えていくために、一緒に頑張っていきましょう。

京大で働く人たちによる、5年期限に対する意見

〈京大職組文学部支部〉が2010年12月に実施した「文学研究科支部アンケート」の結果が公表されています。
特に「時間雇用問題̶5年期限について」の回答は必読ですよ。ぜひご覧ください。
★→【こちら】(PDF)

【1年契約を3回更新で雇い止め】は無効!

■東奥学園雇い止め訴訟:学園側の上告棄却、2審判決確定 /青森
 (2011年2月2日『毎日新聞』青森版)
http://mainichi.jp/area/aomori/news/20110202ddlk02040141000c.html
 東奥学園高校(青森市)の常勤講師だった長内佑輔さん(29)が雇い止めを不当として、地位確認などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は先月27日付で学園側の上告を棄却する決定を出した。長内さん側の主張を認めた2審の仙台高裁判決が確定した。
 長内さんは1日、青森市内で記者会見に臨み、「支援者のおかげでいい結果が出た。仕事をして東奥学園に貢献したい」と職場復帰へ意欲をみせた。代理人によると、この日の県労働委員会で学園側と復職に向けた協議を行ったが、進展はなかったという。
 2審判決によると、長内さんは04年4月に採用され、1年契約を3回更新。08年2月に雇い止めとなった。1審の青森地裁判決は長内さんの請求を棄却したが、仙台高裁はこれを取り消していた。【高橋真志】▲

2011集会応援メッセージ①

みなさま、応援ありがとうございます。

◆noir
【メッセージ】
弱者にばかり、負担を強いる世の中は、変!学問の府、大学は先頭にたって、非正規雇用の歪みを正していくべきだ!

◆貴戸理恵(関西学院大学)
【メッセージ】
私はこれまで、学生・大学院生・非正規職員・正規職員・非正規教員・正規教員と、さまざまな立場で大学という場に関わってきました。
大学は、学生に豊かな学びを提供するために、いま非正規・有期という立場で働いている人びとの力を必要としています。
そうであれば、その人びとが安心して働くことのできる職場作りは、何より急がれる大学の重要な務めであり、同時に、大学という場をよりよくしていく第一歩だと思います。
同じ大学に働く者として、心から応援するとともに、声を挙げられた方々に感謝申し上げます。

◆本橋哲也(東京経済大学教員)
【メッセージ】
「正規」とは何か、その概念がどのように生産され主体を形づくっているか、を疑うところにあらゆる現代思想、とくに人文科学の要諦があります。「標準(norm)」から外れたものを「異常(abnormal)」と規定してきた言説の暴力が、西洋的近代の植民地主義と人種主義と性差別主義の根本にあるとするなら、「正規/不正規(formal/informal)」という労働法制における区分けも、そのような歴史の延長線上にあるのではないでしょうか。このことを現代の教育と研究の現場で考えることは、そうした区分によって思考の足場を失わされている大学教員すべての義務であり、権利であると思います。

◆*匿名*
【メッセージ】
オカシイことをオカシイと言い続けることは、すごくパワーがいることだ思います。
オカシイことに屈せず、諦めず、闘う姿に力をもらっています。
思い描く未来のために、日本の将来のために、今の全ての行動がつながっていきますように、陰ながら応援しています。
必ずつながって、変わっていくと信じて、私も諦めず見守らせてください。
ふたり。

◆栗田隆子(女性と貧困ネットワーク
【メッセージ】
――今年もこの季節がやってくる。
仮に何年いたとしても、必要な仕事であっても契約を切るこの季節。
そして我々も“リターンズ”
どういうわけかいつも古くて新しいパートタイマーの問題を晒すために。
様々なかたちで、声をあげ、たたかい、あるいは世を問う人々の声を聴きあうために。
その声の熱が、世界に充満するために。
心よりエールを送ります。

◆*匿名*(大学教員)
【メッセージ】
今年も有期雇用問題に関する集会を開催されるとのこと、ちょうど本務の会議と重なっているので見に行くことはできませんが、みなさんの声がよりよい社会に向けた基礎を作っていくと信じて応援しています。
おかしいことをおかしいと言える、一緒にそんな世の中を作っていきましょう!

◆長松奈美江(関西学院大学教員)
【メッセージ】
私は、大学に関わるようになって、12年になります。
しかし、大学で働いている多く方々が、不安定な身分で働いていること、それについて声を上げ、闘っている方がいらっしゃると知ったのは、つい最近のことです。
大学は、非常勤で働く方々に支えられています。
この集会では、有期雇用の問題が議論されますが、それは、非正規雇用問題だけでなく、大学という場の在り方を問い直すことにもなる、と思います。
大学を、誰もが安心して働くことができる場にしたいと、切に思います。

◆後藤吉彦
【メッセージ】
大学非正規労働者の雇い止め・・・
まず「なめんな!」ってことです。
“有期”でパンパン首をすげかえられるような仕事ではナイでしょ!! 大学にたずさわる仕事は。
学生や、学生を支える家族や、そのほか多くの人たちの心や人生と対面する仕事なんです。それを「なめんな」
そして大学は、教育機関にとって一番大切なこと、責任をもって応答しなきゃいけないこと、つまり、そこで学ぶ「学生たちのためになること」を優先してください。“有期”で専門性をもった職員を切り捨てていくことは、責任の放棄になります。
経営やら、なんたらかんたら、bull$h#tを優先させてはアカンです。
そして、息して血流して生きている人間の人生を、大事にしてください。なんかの部品のように、ポイ捨てしないでください。
こんな声は、長い間これまで“ノイズ”として、聴き取られないまま(あるいは、声をだせないまま)ないがしろにされてきました。
その状況に対して立ち上がり、今回のようなムーブメントをつくってくれた大椿さんたちの勇気に感謝と応援の気持ちをお送りします。
大切なことがないがしろにされない、世の中にせな!!

◆冨山一郎(大阪大学教員)
【メッセージ】
支持します。

◆阿部太郎(名古屋学院大学教員)
【メッセージ】
この問題の解決のためには、社会全体の関心を高める必要があります。また、大学関係者が勇気をもって反応することが求められると思います。その点で、今回の集会は大変重要です。連帯の気持ちを表明いたします。

集会チラシができました!

集会チラシが完成しました!

【こちら】(PDF/1.09MB)からダウンロードしてご使用ください。
*リンク先画面左上の[ファイル]をクリック→[元のファイルをダウンロード]をクリック

宣伝のご協力、よろしくお願いいたします!

★チラシ末尾の、ゆうちょ銀行口座の記号番号に誤りがあります。
×:00690-7-272370
○:00960-7-272370