■非常勤職員に育休なし 11政令指定市 法律の対象外
(2010年12月20日 asahi.com)
http://www.asahi.com/job/news/TKY201012190239.html
自治体の第一線で働く非常勤職員の育児休業を、11の政令指定市が認めていないことが、朝日新聞社の全国調査でわかった。公務員を対象にした現行の育児休業法では適用外になっているためで、退職を余儀なくされる職員も多い。「イクメン首長」が話題になる中、足元の育児支援が置き去りになっている状態だ。
非常勤職員にも育休を認めるよう人事院が国に意見を出したのを機に、国家・地方公務員の育休法改正案が先月、国会で可決。来春施行される。
ただ、自治体の非常勤職員のうち、改正法で育休が認められるのは、地方公務員法で定めた「一般職」だけ。非常勤全体の3分の2を占める「特別職」は対象外のままだ。だが、勤務実態は混然一体となっており、常勤的な特別職も数多くいる。
朝日新聞が11月、非常勤向けの育休制度の有無を全国19指定市に聞いたところ、独自の制度があると答えたのは札幌、千葉、京都、堺、岡山、広島、北九州、福岡の8市。設けた主な理由は「一般職員との均衡を考慮」(京都市)、「有期雇用者にも育休を認める民間対象の育児介護休業法の趣旨を踏まえた」(札幌市)などだった。いずれも特別職の育休を認めている。
一方で、横浜、名古屋、大阪、神戸など11市は非常勤向けの育休制度が「ない」と回答。「法の適用除外だから」(横浜市)、「更新は原則3年までで継続的な勤務を予定していない」(名古屋市)などを理由に挙げた。新潟市は来年度に非常勤対象の育休制度を設ける予定だが、残りの10市は未定という。
自治体の労働組合関係者によると、育休が取れずに非常勤が退職に追い込まれたり、契約更新が認められない「雇い止め」に遭ったりするケースは多い。育休制度がないと、雇用保険からの育児休業給付(賃金の50%)や、育休中の社会保険料免除が受けられず、子どもを産む側からみれば仕事を失ったうえに、経済支援も受けられないという二重のダメージになる。
総務省公務員課は「特別職の勤務形態は様々で、一律に法で定めるのは難しい。自治体で対応を検討してもらうのが望ましい」としている。(清川卓史)▲
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